カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武(カモ)とその相棒である島田 虎信(トラ)のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
そんなカモとトラとは異なったポリシーで被害者たちの復讐を支援する組織「朝食会」の会長を務める榎加世子、その過去を描くスピンオフ作品です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
榎と担任の尾藤
国内有数の家電メーカーであるENOKIグループの令嬢・榎加世子を拉致監禁していた男が逮捕されてから7年、榎は15歳を迎えていた。
事件から父は距離をとるようになり、世間の好奇の目にさらされ続けた母は榎を完璧な娘に育てようとスパルタ教育をするようになる。
復学した榎はクラスの女子2人組から目をつけられてからかわれるが、榎は意にも介しない。
2人によるいじめに気付いた教師の尾藤は、放課後に屋上に佇む榎に、「明日も元気に学校に来なさい」と優しく声をかけた。
そして、榎をいじめていた2人はカラオケで淫らな行為をしていることや万引きをしている証拠映像が何者かによってネットに拡散され、脅迫を受けた2人は自首し退学となる。
榎が2人を退学に追いやったのではと噂が流れるが、榎は犯人が尾藤だと何となく勘づいた。
尾藤は学校で榎に再び近づくと、あるメモを渡す。
そこには20時に港の倉庫に来るように書いてあるのであった。
復讐支援団体「朝食会」へのスカウト
指定された時間に倉庫に着いた榎。
そこには尾藤と1人の女性、そして椅子に拘束された中年男性がいた。
中年男性は8年ほど前に少女を誘拐して監禁し、最後は殺して殺人罪で起訴されたものの、心神耗弱によって重い罪を免れ、2ヵ月前に出所したのだという。
そして傍に立っている女性はその殺された少女の母親。
尾藤は榎の境遇を理解したうえで、他者の憎しみを背負う資質があなたにはあると言い、「この男は死に値するか」を問いかける。
榎が明確な回答を避けるなか、そこに尾藤の仲間である三上という男も合流。
すると尾藤は自分のなかでの明確な答えとして、中年男性の頭にノミを打ち付け、さらに陰部もペンチで解体していく。
その凄惨な光景に衝撃を受ける榎。
翌日、尾藤は榎を自身の所属する「朝食会」という遺族の復讐支援団体に新たな入会者としてスカウトする。
新たな生き方を提示できるという尾藤の申し出に対し、榎は興味ないと一蹴。
しかしそんな榎の意に反するように、新たな犯罪者の魔の手が榎に近づいているのだった。
榎一家を狙う犯罪者達が忍び寄る
榎に新しいカウンセリングの先生としてやってきた月島という男は、本名は榊 辰彦といい、その正体は言葉巧みにターゲットの信頼を築きながら最後は家を乗っ取る犯罪者の家系・榊一家の一員だった。
辰彦が榎の母に接近し、さらに榊一家からは久文が公認会計士役片桐と名乗る男が榎の父に近づく。
そして榎は街で暴漢に襲われそうになったところを庭師の若者に助けられるが、この若者も辰彦の男・昇平。
辰彦と昇平、久文の3人で榎の一家を蝕もうとしているのである。
榎の母には夫の不倫疑惑、榎の父には妻が代表を勤めるグループ会社での横領や不正取引の疑惑を吹き込み、まんまと夫婦の仲に亀裂が入っていく。
ターゲットの趣味についても研究したうえで寄り添いながら信頼を勝ち取り、洗脳しながらすべてを吸い尽くすのがこの榊一家のやり口。
そんななか、榎のもとを訪れた尾藤は極秘資料として辰彦と昇平の2人の正体と朝食会のターゲットであることを告げる。
このままでは自分の家族に危害が及ぶことを知った榎は、改めて身の振り方を考え、人間の放つ嘘と悪意を敏感に察知するようになるのであった。
尾藤が撃退、朝食会への入会を決意する
朝食会の東京支部は昇平を尾行して拘束を試みるが、実行役の新田が返り討ちにあい、逆に拉致されてしまう。
しかし尾藤が辰彦と昇平のアジトへと乗り込み、奇襲で2人を拘束。
そして例の倉庫に榎を呼び出し、過去の犠牲者の遺族や三上と共に復讐を執行していく。
榎にもナイフが手渡されるが、榎はそのナイフを遺族の女性に差し出し、その手で復讐するように促した。
辰彦と昇平が消えたことで久文は計画の失敗を察知し、榊一家に連絡しながら一時撤退。
一方、榎は「自分は自分のルールに従い、誰の指図を受けないこと」を条件に朝食会に入ることを尾藤に伝える。
後に朝食会の会長となる榎の物語が始まるのだった。
【1巻のまとめ】
国内有数の家電メーカーであるENOKIグループの令嬢・榎加世子を拉致監禁していた男が逮捕されてから7年、榎は高校教師の尾藤と出会い、「朝食会」という遺族の復讐支援団体に新たな入会者としてスカウトされる。
自分の家に一家乗っ取りを企む犯罪集団である榊一家から2人の刺客の魔の手が迫っていることを知った榎は、尾藤が朝食会としてその2人を始末したことを機に朝食会への入会を決意するのだった。
次巻へ続きます。
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