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前巻はこちら過去の打算と向き合い、ゴンとの関係に揺れる凪『凪のお暇』3巻【ネタバレ注意】
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『凪のお暇』4巻は、凪がこれまでの"依存"と正面から向き合い、自分の足で前へ進み始める転換点となる巻です。
ゴンとの関係に決着がつき、慎二との新たな接点も生まれるなど、物語が大きく動く一冊となっています。
登場人物それぞれの葛藤や成長が丁寧に描かれており、読み応えは抜群です。
それでは、4巻の見どころをエピソードごとに詳しくご紹介します。
目次
慎二の指摘と、揺らぐ凪の足元
雨の中、慎二と向き合った凪は、ゴンとの関係を否定しようとします。
しかし慎二から「空気を読むことで心地よさを得ているだけではないか」と核心を突かれ、言い返せないまま言い争いになります。
変われないと突き付けられた凪は、過呼吸寸前に陥りますが、うららに救われます。
うららの母の勧めで風呂に入り、台所にも立てず周囲を見る余裕も失っていた生活の乱れを、改めて自覚する凪。
うららの母にゴンへの思いを語る中で、凪は「連れ出してくれる存在に依存していた」ことに気づきます。
自分の意志で行きたい場所へ向かった経験がないと悟った凪は、帰宅後に疲弊した女性がゴンの部屋から出てくる姿を目にします。
その姿に自分と同じものを見た凪は、自転車を購入し、自らの意志で海へ向かうことを決めます。
これまでとは違う、凪自身の選択による第一歩が踏み出される場面です。
道に迷いながら、それでも進む
海へ向かう道中、凪は道に迷い、携帯も使えない状況に陥ります。
偶然見つけたスナックで事情を説明する中、「誰かに連れて行ってもらいたい」という依存的な思考がふと頭をよぎります。
これまで自分の意志で行動してこなかったことを恥じる凪。
しかし店主の言葉に背中を押され、改めて自力で海へ向かう決意を固め、再び進み始めます。
困難な場面でも誰かを頼ろうとする思考パターンに気づき、それでも自ら選択し直すこの展開は、凪の成長を象徴するシーンとして印象に残ります。
自力でたどり着いた海の価値
スナックでもらった紙の地図を頼りに進む凪は、治安の悪い地域に入り、自転車の故障や酔っ払い客に絡まれるなどの困難に直面します。
助けを期待する思考がよぎりながらも、自ら拒絶の意志を示して切り抜けます。
恐怖や不安を抱えながらも進み続け、ついに自力で海に到達する凪。
特別な景色ではなくとも、自分の力でたどり着いた事実に確かな価値を見出します。
帰路では、危険だと思っていた環境や人々にも別の側面があると知り、これまでの先入観が揺らいでいきます。
部屋に戻り、日常の食事を味わう中で得られる充足感。
派手なドラマではなく、静かな達成感として描かれるこの場面は、凪というキャラクターの魅力を最もよく表しているシーンのひとつといえます。
なお、このころゴンの部屋では、女性との関係を巡るトラブルが起きていました。
ゴンとの関係に、静かな決別
凪が欲しい言葉を与えてくれるゴンに惹かれ、二人は身体の関係を持ちました。
恋心を自覚した凪がゴンに告白し、ゴンは合鍵を渡すことで応えます。
特別な証だと受け取った凪でしたが、その合鍵が他の女性にも渡されていることをすでに知らされていました。
多くの女性と関係を持ちながらも、目の前の相手にだけ向き合う姿勢を続けてきたゴン。
与えられた側は関係に意味を求め、やがて破綻していくという繰り返しを、ゴン自身も自覚しながら変えられずにいます。
そうしたゴンのあり方に対し、凪は距離を置く選択をします。
合鍵を返し、関係に区切りをつける凪。
強い刺激を与えてくれる存在だったと認めながらも、依存から離れる決断を下したその言葉に、ゴンはこれまで見せたことのない動揺した表情を浮かべます。
感情的にではなく、静かに、しかし確固とした意志で別れを告げるこの場面は、4巻の最大の見どころといっても過言ではありません。
坂本の挫折と、前向きさの意味を問い直す
凪の友人・坂本は、転職活動で大量の不採用通知を受けながらも前向きでいようとしています。
大学の先輩から紹介された企業に希望を見出しますが、社内には監視カメラが並び、笑顔でも目の死んだ社員、机に積まれた栄養剤、前歯のない社長など、内部の異様さが次々と目に入ります。
それでも進もうとする坂本に対し、凪は立ち止まる必要性を伝えます。
高学歴でありながら地頭の悪さに苦労し、入社後もミスのたびに執拗に責められてきた過去を持つ坂本。
凪の言葉をきっかけに、坂本は自分の現状を受け入れる視点を持ち始めます。
後ろ向きな自分を前向きに受け入れることができれば前へ進めるのかと、"前向きであること"の意味を問い直す坂本の姿は、読者自身にも刺さる場面ではないでしょうか。
凪が自分自身の経験から紡ぎ出した言葉が、友人の人生にも影響を与えていく——そんなつながりが丁寧に描かれています。
ぬか漬けをきっかけに、慎二との再接近
凪の夢を見た慎二は、仕事は絶好調でありながらも、凪との関係では上手く立ち回れないことに悩み、距離を置くことを選びます。
一方、生活の立て直しを着々と進める凪は、忘れていた実家のぬか漬けの存在を思い出します。
祖母がぬか漬け作りを辞めるにあたり、食べたくなったら凪から送ってもらおうと母親が話していたという、小さな家族の記憶です。
手元のぬか床は食べられない状態になっていましたが、慎二の家にもあることを思い出した凪は、ぬか床を求めて慎二のもとを訪れます。
残されていたぬか床に感激する凪と、その姿に動揺する慎二。
日常のささやかなものをきっかけに、二人の間に再び接点が生まれます。
さらに大阪支店から移動してきた市川が慎二の環境に変化をもたらし、次巻への展開への期待も高まります。
【4巻のまとめ】
『凪のお暇』4巻は、ゴンとの別れ、自転車での海への一人旅、坂本への言葉、そしてぬか床をきっかけにした慎二との再会と、凪の物語が大きく動く巻です。

自分のペースで、自分の意志で前へ進もうとする凪の姿に、ぜひ注目しながら読んでみてください。
次巻へ続きます。
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