飛行機が墜落し、島に漂着した私立鳳翔高等学園の生徒たち。
そこは巨大化した虫が巣食う島だった。
蝶に襲われ早速犠牲者が出る中、織部睦美は他の生存者らと共にジカバチの巣から親友の成瀬千歳を救出。
次々と虫に襲われるなか、恐怖に耐えかねてか集団への協力よりも自らの安全を最優先に考える者も出始めていた。
睦美達は中城先生が率いる生存者グループと合流を果たすが、有無を言わせぬ発言力で中城先生は睦美のアドバイスに耳を貸そうとしない。
不協和音が生じるなか、先生の指示で危険を冒して食糧の捜索に出るも失敗。
安全な場所を目指して移動するが、ホタルの幼虫やジグモの群れに襲われ、続々と犠牲者が出てしまう。
そして中城先生までもが犠牲となり、中城先生に心酔していた青山は睦美のことを逆恨みするようになる。
一行はなんとか安全地帯に逃げ込み、そして待望の救助が到着。
巡視船が港に停泊し、識森 涼子、その父であるおやっさん、そして猟友会メンバーであるぜんさんの救助隊としてやってきた。
しかし睦美らが安堵するのも束の間、巨大化したヤゴにぜんさんが襲われ新たなピンチが訪れるのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
辛くも難を逃れ、港を目指す
湿地帯でヤゴから逃げる術は無い。
猟銃で対抗するおやっさんだが、ヤゴの奥の手である下顎の攻撃で左腕を失ってしまう。
〈左腕を失うおやっさん [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
それでもなんとかおやっさんが強力な弾を命中させ、ヤゴを気絶させた。
この隙に退避し、睦美が囮となってサシガメの群れと気絶から覚醒したヤゴを引き付ける。
上手くサシガメの群れにヤゴを襲わせることに成功し、一行は涼子の指揮のもと巡視船が停泊する港を目指すのだった。
〈難を逃れ港を目指す [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
待ち受けていた絶望
森を抜け港にたどり着いた睦美たちだが、怪獣サイズにまで成長した大ムカデが姿を現す。
〈大ムカデが出現 [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
大ムカデは他に来ていた救助隊を次々と食い殺し、睦美たちは足止めをくらう。
涼子の指示で別の漁港からの脱出を試みるが、必死の思いでたどり着いた漁港でも巨大なフジツボによって漁船が沈められていた。
この数日間で、明らかに巨大化が加速しており、このまま時間が経てば虫たちはさらに成長を遂げて強大化するのは明白。
一刻も早い脱出を目指す睦美たちは、リスクを犯してでも再び巡視船のある港に戻ることを決めた。
巡視船の自動操行、または搭載された救助艇が最後の希望である。
複数いた大ムカデ
睦美たちが港に戻ると、そこには想定外の光景が。
大ムカデが巡視船の燃料などの香りに惹かれて巡視船に巻き付いていたのである。
〈大ムカデが巡視船を破壊 [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
大ムカデを引きはがすため、睦美たちはできるだけ多くのムカデを捕獲して一斉に燃やし、フェロモンで引き付ける作戦に出た。
サシガメに刺され左腕を負傷したアツシと、恐怖で動けなくなった鈴木はその場に待機。
2人はなし崩し的に情事にふけるが、アブの群れに襲われた。
〈アブに襲われる2人 [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
他方、睦美たちは形状が似ているヤスデに注意しながら、ムカデを集める。
ヤスデは刺激すると青酸化合物を噴射する危険な蟲。
まだ睦美を逆恨みする青山はヤスデの群れに突き落とそうとするも失敗し、自分がヤスデの青酸化合物を吸ってしまった。
そんな青山でも睦美は助け、そして集めたムカデを焼き作戦決行。
巡視船に巻き付いていた大ムカデを誘い出したが、山の方からは別の大ムカデも誘い出してしまう。
大ムカデが複数集まるという、睦美の想定したなかで最悪のシナリオとなってしまうのだった。
〈大ムカデは2匹いた [巨蟲列島 5巻](c)秋田書店/藤見泰高〉
【5巻のまとめ】
何とかヤゴの襲撃を躱し巡視船の停泊する港へ。
巡視船の自動走行機能と脱出艇が最後の希望。
しかし大ムカデが巡視船に巻き付いて使用不能となっていた。
さらに犠牲者が出る中、睦美達は大ムカデを引き付けるための作戦に出るが、さらに別の大ムカデも誘い出してしまう。
大ムカデが複数という、最悪のシナリオが待っているのだった。
次巻へ続きます。
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