まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー。
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登場人物紹介
綾瀬 千早(あやせ ちはや)
本作の主人公。府中白波会所属。
小学6年生の時に新と出会い、かるたで世界一になる事を夢見る様になる。「かるたバカ」と言われる程かるたへの情熱は人一倍強く、夢や目標は全てかるた中心となっている。
天性の聴力を持ち、「感じの良さ」を武器としている。
真島 太一(ましま たいち)
千早の幼馴染。府中白波会所属。
負けず嫌いな性格で、かるたを通じて千早と親しくなった新への対抗意識からかるたを始める。千早の熱意に動かされて競技かるた部を創設、部長に就任する。
スポーツ万能、成績優秀で、定期テストでは常に学年1位を誇る。さらに容姿もいいため、女性にモテる。
かるたにおける運の悪さは周囲が知るだけでなく、当人も自覚するほど。
祖父が総合病院の院長、父親も医者という裕福な家庭に育っており、7歳年下の梨華という妹がいる。 母・麗子は成績至上主義者で、かるた部の活動を快く思っていない。
綿谷 新(わたや あらた)
福井南雲会所属。小学6年生の時に福井から東京へ転校し、千早と太一をかるたの世界へ引き込んだ少年。
永世名人を祖父に持ち、自身も小学生時代は全国大会の学年別で毎年優勝してきた実力の持ち主。小学校卒業後は祖父の介護のために福井へ戻り、千早や太一と離れ離れとなる。その後、祖父の死に関する出来事がきっかけでかるたから約1年半の間離れていたが、千早や太一と再会して再びかるたと向き合い始める。
普段は冷静かつ寡黙だが、かるたでは負けず嫌いな面が出て密かに熱くなる。
亡き祖父を彷彿とさせる独特のかるたで「後の先」と「守りがるた」を得意とし、「感じの良さ」を武器とする選手たちも下す。
瑞沢高校競技かるた部
大江 奏(おおえ かなで)
かるた部創立メンバー。翠北かるた会所属。
実家は「呉服の大江」という呉服屋で、和服をこよなく愛している。
基本的な性格はおっとりした正に大和撫子だが、意外に直情型。
古典おたくでもあり、百人一首や歌に関して造詣が深い。
西田 優征(にしだ ゆうせい)
かるた部創立メンバー。翠北かるた会所属。
かるた歴は5歳のころからと部内で最も長く、幼いころから磨かれた「流れの読み」が武器。小学生のころは全国大会で新に次いで準優勝をとる実力者だったが、中学からはテニス部に入部し、競技かるたから離れていた。体は太っているが体育会系で運動神経も高い。
駒野 勉(こまの つとむ)
かるた部創設メンバー。翠北かるた会所属。瑞沢高校では太一に次ぐ好成績の秀才。理知的で他人以上に自分に厳しい性分。自宅は薬局を営んでいる。
自分の才能は勉強だけで居場所は机にしかないと強い劣等感を抱いていたが、千早の強引な勧誘と太一のかるたに向ける情熱に惹かれ入部する。入部当初は予選で勝てないことに悩んで試合を投げだそうとするなど初心者ゆえの苦悩を露骨にしていた。だが、その後はチームの参謀格として部を支えるようになる。や
筑波 秋博(つくば あきひろ)
かるた部部員。千早たちの引退後、部長になる。府中白波会所属。
北海道出身で、下の句かるたの経験者。上の句かるたとは勝手が大きく異なるため活かせる部分は多くないが、取りにおいては下の句かるたで鍛えられており、洗練されている。
花野 菫(はなの すみれ)
かるた部部員。千早たちの引退後は副部長になる。府中白波会所属。
恋愛体質で、彼氏にフラれ、良い男を探しているときに太一に目をつけ、かるた部に入部する。太一の気を引くために心にもないことを言い純情可憐な乙女を演じるなど計算高く、良くも悪くも打算ありきで生きている。
入部当初は太一目当てでしかないことを隠さず「隅っこで坊主めくりでいい」と言っていたが、先輩部員である大江の取りなしや他の部員たちの熱意に動かされ、自身もかるたに真剣に取り組んでいくようになる。
原 実紅(はら みく)
かるた部部員。D級。千早の2つ下の後輩。
普段は無口だが、喋りだしたら止まらず菫とのランチでは堰を切ったようにおしゃべりに。本人は自分のことを口下手だと思っている。
橋立 蒼太(はしだて そうた)
かるた部部員。D級。千早の2つ下の後輩。
田丸のことをよく思っていない。面と向かって嫌味をいうことも。
波田 橙吾(なみだ とうご)
かるた部部員。初心者で、まだ百首覚えていない。千早の2つ下の後輩。
天然パーマで、平安貴族が天パーとどうやって向き合ってきたかを知りたくて入部した。
田丸 翠(たまる みどり)
かるた部部員。埼玉咲良会所属。千早の2つ下の後輩で、他は未経験者である同世代の部員では突出した実力者。
かるた好きの家族の中で育ったため、知識と情熱深く、自身の名前は桜沢翠のファンであった両親からの想いを込めて付けられた。自分が話の中心に入らないと気が済まない性格であり嫌味な発言が多く、教室やかるた会では人間関係を構築できず孤立し、先輩相手でも挑発的な姿勢を見せる。その実、自分の性格的欠点については自分でもわかっており、本番で実力を発揮出来ないことにも悩んでいる。
宮内 妙子(みやうち たえこ)
瑞沢高校の化学教師で、通称「女帝」。
テニス部、バドミントン部、化学部の顧問だったが、後にかるた部の顧問も兼ねる。かるた部については当初遊びの延長と考えていたが、真剣にかるたに取り組む部員の姿を目の当たりにして考えを改め、積極的に協力するようになる。
名人・クイーン
若宮 詩暢(わかみや しのぶ)
現クイーン。左利きで、競技スタイルは守りがるた。京都府・津咲高校の生徒で、千早とは同学年。美人だが、服をはじめとするファッションセンスに極めて難があり、千早と別の意味で「残念」だと思われている。
小学4年生でA級に昇進し、中学3年生のときに史上最年少でクイーンになった。一札だけに触れる、正確で美しい取りが持ち味。百首すべての札との特別な繋がりを持ち、札を擬人化してそれぞれと対話しながら戦う。
小学生全国大会において数年に亘り毎年一回戦で全敗したことから、綿谷新を特別視しており、それゆえの再戦を強く望んでいる。
本性は絵に描いたような京女でかなりの「いけず」。高慢で人を人とも思わない独善的で自己中心的な性格だが、表面には極力出さないようにしている。
周防 久志(すおう ひさし)
現名人。東京大学を4年連続で留年。現在はバイト先であった予備校の講師。
登場人物の中でも天性の「感じの良さ」を持っているがその外見や「強い人としか戦いたくない」との理由で名人戦以外の公式戦には参加していないこと、またかるた協会にも非協力的な態度を取るなど、「かるた界きっての問題児」と言われている。
府中白波会
原田 秀雄(はらだ ひでお)
府中白波会の会長。千早と太一にとって師匠であり、彼等を含めた会のメンバーには「先生」と呼ばれる。
自身もA級選手であり、その風貌・戦いぶりから須藤に「知的な熊」と喩えられる。50歳を過ぎ、慢性的な膝の不調を抱えてもなお本気で名人を目指しており、勝つための執念や強欲さは凄まじい。
坪口 広史(つぼぐち ひろし)
府中白波会所属のA級選手。会一番の実力者。
翠北かるた会
北野 昌夫(きたのあきお)
翠北会の会長。江戸っ子。
優征の師匠に当たり、優征によると「基本を教えるのがうまい」。原田とは仲が悪い。
山本 由美(やまもと ゆみ)
翠北会所属のA級選手。
前クイーンで、通称「ユーミン」。
クイーン戦で対戦した詩暢の強さに圧倒され、以降かるたに対する情熱を失っていたが、千早との対戦を経て情熱を取り戻し、クイーン位の奪還を目指す。
福井南雲会
栗山 勇(くりやま いさみ)
福井南雲会の会長。新とは、新の祖父・始が健在だったころから交流がある。
12歳の時に、かるたに誘った原田と幼なじみであり、かつてはライバルだったが、今は膝を痛めて競技から遠ざかっている模様。
村尾 慎一(むらお しんいち)
福井南雲会所属のA級選手。会において新の先輩に当たる。
かつて挑戦者として名人戦に臨むが周防に敗れ、限界を感じて競技かるたから離れていた。後に再起し、再び大会で活躍を始める。
京都明星会
伊勢 大二郎(いせ だいじろう)
京都明星会の会長。詩暢にとって師匠のような存在。
同年代の子を相手に手加減する幼少期の詩暢を見て、「同年代の子とかるたをすると手加減を覚えてしまい弱くなる」と考え、練習会ではあえて年上の相手とばかり対戦させた。しかも「強くなるには一人で練習するしかない」と突き放してもおり、結果的に最年少クイーンにした。
結川 桃(ゆいかわ もも)
京都明星会所属のA級選手。医学部の大学生。左利きで、自陣札をほぼ左に固めた守りがるたを取る。
かるたとの関わりは、幼いころに正月のテレビ中継で偶然観た名人・クイーン戦以来、渡会クイーンを神様同然に思えたのが始まりで、本や映像を集めるほど夢中になり、とうとう自身もかるた選手になってしまった。
小石川 秀作(こいしかわ しゅうさく)
愛称は小作。全日本選手権準優勝の実績を持つが、お手つきが非常に多いことから「ポカ作」と評される。しかしそれでも前向きで崩れないメンタルと、お手つきによる単純な点数不利を覆して勝利できるだけの実力がある。
北央学園
須藤 暁人(すどう あきひと)
かるた部元主将。学年は千早の2つ上。千早が1年生の時の高校選手権東京都予選決勝の対戦相手。
A級選手で、全国区の実力者。
ドSで気位が高く、「須藤のSはドSのS」といわれる程だが、周防に勝つために読手の講習会に通うといった勤勉な一面もある。
甘糟 那由太(あまかす なゆた)
かるた部前主将(部長)。学年は千早より1つ上。
A級選手で、小柄だが運動神経と身体能力を活かした速い取りが持ち味。高レベルな選手であるが、どう頑張っても自分はトップ選手にはなれないという諦観が向上心や熱意を曇らせ、試合を楽して勝とうとする傾向が強い。楽観的な性格で、面倒なことを嫌う。
木梨 浩(きなし ひろ)
3年生時のかるた部部長で、おかっぱ頭とひょろ長い体型をしており通称「ヒョロ」。府中白波会所属。
府中白波会の同門の千早たちとは小学生のころからの旧知という縁で、太一や新に対抗意識を持っている。中学校からは北央学園に通っており、現在はA級選手。
富士崎高校
江室 凌雅(えむろ りょうが)
かるた部主将。眼鏡をかけており、体つきや容姿もやや似ているため太一が新と錯覚した。
A級選手。守りがうまく、特に囲み手が得意だが、囲う必要がないときも札を囲ってしまうことがある。
山井 真琴(やまい まこと)
かるた部部員。江室と同学年で、金髪の美少年。
A級選手で、勉によると「言動はおネエキャラなのにプレイは漢」。
市村 充輝(いちむら みつき)
かるた部部員。江室の学年でのNO.2。千早の1学年上。
A級選手。団体戦での秋博、個人戦での優征の対戦相手。独特な取り方をする。
山城 理音(やましろ りおん)
江室たちの下の学年で、顧問の桜沢から富士崎高校かるた部エースとして期待される未完の逸材。千早とは同学年。
選任読手である山城今日子の孫。音への感応がよく、千早と互角の「感じの良さ」を有するが、祖母の読みに慣れ過ぎたせいで、美しい読みでないとモチベーションを維持できず、真価を出せぬまま敗退することが多い。
日向 良彦(ひゅうが よしひこ)
江室が引退した後のかるた部部長。千早とは同学年。かるたの実力は上であっても理音にはリーダーシップがないという理由で、部長を務めることとなった。
A級選手。ヨロシクが口癖で、そのことから周囲に「ヨロシコ」と呼ばれている。非常に軽い性格をしているが面倒見はいい。
桜沢 翠(さくらざわ みどり)
かるた部顧問。39歳。6歳からかるたを始め、12年前から富士崎高校かるた部顧問を務めている。容姿端麗かつ巨乳であり、江室からFカップ美乳と評されている。
現実的かつ計算高い性格で、女子部員から「鬼」と呼ばれることもある。
クイーンの座こそ無いとはいえ、5度もクイーン戦に臨んだことから「最強の挑戦者」との呼び声も高かった。そんな競技者としての彼女に憧れて娘に「翠」と名付けた同世代の親も多く、結果的に指導者として同世代の親を持つ子供たちを指導する。当時のライバルだったクイーン千原遙(猪熊遙)とはプライベートでは懇意にしている。
藤岡東高校
松林 舜(まつばやし しゅん)
福井南雲会所属のB級選手。
松林 滉(まつばやし ひろ)
福井南雲会所属のB級選手。学年は千早の2つ下。3月生まれで舜の弟。舜同様、新のかるた部創立に協力した。
山本 理沙(やまもと りさ)
D級選手。学年は千早の1つ下。応援団に入りたかったくらいの応援好き。
望月 千笑(もちづき ちえみ)
D級選手。
土田 憲一(つちだ けんいち)
D級選手。
見た目も中身もほっこりした男子。
管野(かんの)
かるた部顧問。藤岡東高校の体育教師。
A級選手だったが、15年前の大学の学生選手権で優勝してからかるたから離れている。
明石第一女子高校
逢坂 恵夢(おうさか めぐむ)
かるた部のエース。明石会所属のA級選手。学年は千早の1つ上。眼鏡を掛けている。
地味な風貌で、普段は筋金入りの天然かつドジっ娘。
夕部 慶子(ゆうべ けいこ)
かるた部主将。A級選手。恵夢と同学年で、千早の1つ上。
女子には珍しく、力強さと豪快な取りが持ち味で、性格も男らしい。
早坂 寧々(はやさか ねね)
かるた部部員。B級選手。千早とは同学年。
七瀬 心(ななせ こころ)
かるた部部員。B級選手。千早の1学年上。
谷村 夏樹(たにむら なつき)
かるた部部員。B級選手。千早の1学年上。ポニーテールの少女。
南 大吾郎(みなみ だいごろう)
かるた部顧問。角刈りの頭に色黒でガッチリした体型で暑苦しく涙もろい、という典型的な熱血教師。
翔耀高校
川辺 穂(かわべ ずい)
かるた部主将。出る確率にかけて突っ込むようなリスクのあるかるたを取る。
田代 晴人(たしろ はると)
かるた部部員。奏の対戦相手。自分のリズムを取るための動作として試合中はやたらと席を立つ。かわいい女の子には弱い。
大岡 綾音(おおおか あやね)
かるた部部員。秋博の対戦相手。由美とは違う意味で似ているところがあり試合中クールダウンしたくて、無理目な時でも相手とモメることがある。黒髪のショートヘア。
佐野 礼央(さの れお)
かるた部部員。後ろ髪をツインテール風にお下げにしている。太一の対戦相手。
真田 春樹(さなだ はるき)
かるた部部員。眼鏡をかけている。試合中素振りで、バンバン叩く癖があり体の使い方が雑なところがある。
山口美丘高校
中山 学(なかやま まなぶ)
クイズ研究会会長で高校生クイズ選手権の優勝メンバーの一人だが、競技かるたに傾倒して行き、かるた部副部長も務めている。学年は千早の一つ上で、あだ名はポセイドン。「顧問が引く」ほどの知識と暗記力の持ち主で、さらに早押しクイズで鍛えられた反射神経と感じの良さを持つ。
林 宗佑(はやし そうすけ)
クイズ研究会委員で、かるた部部員。高校生クイズ選手権の優勝メンバーの一人。
豊田 泰壱(とよだ たいち)
クイズ研究会委員で、かるた部部員。高校生クイズ選手権の優勝メンバーの一人。
佐々木 真(ささき まこと)
かるた部部長。クイズの早押しがかるたに近いことを学に相談し名人戦とクイーン戦が収録されているDVDを参考にした。
所 大輔(ところ だいすけ)
かるた部部員。秋博の対戦相手。
及川 知成(おいかわ とものり)
山口美丘高校かるた部顧問。38歳。かるた競技をゲーム感覚で、集中力と暗記力を磨ける都合のいい物と思っている。勝利には拘らない。言葉の言動から宮内先生の機嫌を損ねるが本人は自覚がない。
千葉情報国際高校
アンソニー・ソーブ
かるた部主将。D級選手。金髪の男性。日本の国外に出たことがない。かるたに出会ったのは高校に入った時で、始めたきっかけは友達が出来ると思っていたが、逆に日本の友達は遠ざかってしまった過去を持つ。
ナパー・パヤクアルン
かるた部員。短髪の少年。ベトナム人のような顔立ちをしている。百人一首の本を愛読している。
レイチェル・ポート
かるた部員。金髪の女性。千葉の外に出たことがない。着物の着付けが間違って合わせが逆になっていることに気づいていない。
パク・キョソン
かるた部員。黒髪の男性。日本人のような顔立ちをしている。
マット・ローワン
かるた部員。スキンヘッドの黒人男性。英語の発音が苦手。かるたスタイルは相手を圧倒させるほどの豪快な攻めがるたをする。
武知高校
井上 龍平(いのうえ りゅうへい)
かるた部主将。B級選手。3年生。
田中 彩子(たなか あやこ)
かるた部のエース。B級選手。2年生。
郷倉 美幸(さとくら みゆき)
かるた部部員。D級選手。3年生。
山城 加都恵(やましろ かつえ)
かるた部部員。D級選手。2年生。
朋鳴高校
佐々 鈴香(ささ すずか)
かるた部主将。A級選手。千早とは同学年。内気で引っ込み思案の少女で、俯いて心が病んだような独り言を言う癖があるが、試合中は一転して強気になる一面もある。子供のころからかるたクイーンになる夢を持っているが、かるた会に入る勇気がなく我流で練習していた。そのためかるたの知識は高く実力も優れている。かるたスタイルは札に呪いをかけるような仕草を起こし相手の流れを読む攻めがるた。
名並 恵(ななみ めぐみ)
かるた部部員。C級選手。千早とは同学年。おかっぱ頭の少女。
武井 永太(たけい えいた)
かるた部部員。B級選手。千早と同学年。茶髪の男性。
森 健二郎(もり けんじろう)
かるた部部員。B級選手。千早と同学年。黒髪の男性。眼鏡を掛けている。
戸田(とだ)
かるた部部員。後ろ髪をツインテール風にお下げにしている少女。
土井 恭一(どい きょういち)
かるた部部員。C級選手。学年は千早より2つ下。
富原西高校
佐野(さの)
かるた部主将。B級選手。学年は千早の1つ上。姉御肌な性格で、威勢がいい。メンバーの中でも優れた実力者。
縄野 友里(なわの ゆり)
かるた部キャプテン。スタメンメンバーで唯一のA級選手。佐野と同様に威勢がいい。
須田 恵美(すだ えみ)
かるた部部員。佐野の後輩。
佐倉 彩夏(さくら あやか)
かるた部部員。B級選手。
名倉 孝(なぐら たかし)
かるた部部員。B級選手。
長谷川
2年後の主将。千早とは同学年。
本庄
千早とは同学年。
速水 節奈(はやみ せつな)
学年は千早の1つ下。書道が大好きな人。
沖
千早とは同学年。
秀龍館
小田 誠(おだ まこと)
かるた部主将。茶髪。
藤岡西高校
河内 翔二(かわうち しょうじ)
かるた部主将。新の中学時代の同級生。柾の親友。A級選手。
大野 柾(おおの まさき)
かるた部部員。翔二の親友。大人しい性格。
田尻(たじり)
かるた部部員。翔二の親友。詩暢のファン。
仁南学園
木下 誠吾(きのした せいご)
かるた部主将。
本間 豊(ほんま とよ)
かるた部部員。
真山 恵美(まやま えみ)
かるた部部員。
夏脇 由有子(なつわき ゆうこ)
かるた部部員。
鈴木 富美子(すずき ふみこ)
仁南学園かるた部顧問。
他の競技者
綿谷 始(わたや はじめ)
新の祖父。1980年代に7連覇を成し遂げた永世名人。
新にとっての「かるたの神様」。脳梗塞で右半身が不自由になり要介護のため、新たちは一家で福井に帰る。新たちの介護を受け、大会へ出られないながらも新の師匠として指導していたが、認知症となりかるた自体も分からなくなる。その後、一時的に記憶と意識を回復し、その日介護のためかるた大会への出場を諦めていた新に大会へ出るよう促したが、その大会に新が出ている最中に倒れ逝去。そのことが新を悔やませ、かるたを辞める原因になってしまった。
武村 敬一(たけむら けいいち)
高徳院大学かるた会所属のA級選手。六段。重戦車と称されるほどの力強い取りとそれを6戦続けられる高い持久力が持ち味。
安田(やすだ)
21歳のB級選手。A級進級への千早との対戦相手。原田から強敵と言われる実力者だが、勝ちきれず3年間もB級を続けてる。可愛い女の子の目には弱く対戦中は目を合わせないようにしている。
金井 桜(かない さくら)
競技歴35年のA級選手。
口癖は「ラッキ☆」。椿と楓という娘を持つ。
立川 梨理華(たちかわ りりか)
仙台冬雪会所属。初登場時は小学6年生。「感じの良さ」を武器に、詩暢と同じく小学4年生でA級に昇級した。詩暢に続く才能の持ち主と評され、周りから「天才梨理華」と呼ばれる。
千早と同じく耳が大きい。落ち込むと泣き虫な一面がある。
猪熊 遥(いのくま はるか)
旧姓、千原。
高砂会所属のA級選手で、かつてクイーン位を4連覇している。その時の挑戦者が桜沢翠であり、彼女を「最強の挑戦者」に留めて一度もクイーンにしなかった実力者。桜沢の5つ年下である。
産休から復帰。暉(あき)と迅(じん)という息子を持つ。夫はTV局プロデューサー。くりくりとした非常に大きい目が特徴で、かるた大会の会場で人前で授乳するようなあっけらかんとした性格。
詩暢よりもいいと言われるほどの「感じの良さ」を持つ。
渡会 智恵(わたらい ともえ)
永世クイーン。間を挟んで13回のクイーン位を保持し、クイーン戦の連勝記録20回など数々の記録を持つ。天然で有名。東京・新宿の京光百貨店勤務。
初登場時は名人・クイーン戦の中継の解説をしていた。
花本 瑠璃(はなもと るり)
鹿児島県出身のA級選手。ポッチャリ体型の少女。
金子 夏美(かねこ なつみ)
秋田高校の生徒で、A級選手。
豪徳寺 実篤(ごうとくじ さねあつ)
横浜嵐会所属のB級選手。38歳新婚。
田丸 剛(たまる たけし)
埼玉咲良会所属のA級選手。田丸翠の兄。翠が高校1年の時点で明地大学4年。妹の翠と似たような性格。
読手
山城 今日子(やましろ きょうこ)
理音の祖母。静岡県。A級。7人しかいない専任読手の1人で、彼女の詠みは「声の響きが多彩」「情報量が多い」と評されており、「感じ」が良い選手にとっては有利となる読手。
奏が憧れている読手。周防も彼女のファンで「キョコタン」と呼んでしきりに慕情をアピールしており、寒気を感じさせている。
若いころはクイーン位を8期もつとめた永世クイーンで永世クイーンになったばかりのころに紅白歌合戦の審査員も務めた。
五十嵐 修(いがらし おさむ)
専任読手の一人。15年の経験あり。東京都かるた協会所属のA級の七段。練習用CDの吹き込みもしている。
「90分立ちぱなし。リズムや声の音量や響きに気を配りつつ、試合全体を見渡して場を調整する役目」と専任読手の仕事として肝に銘じている。
一番好きなのは、マナーを守りモメず迷わず時間を取らないクリーンな選手。
廣田 幸一郎 (ひろた こういちろう)
専任読手の一人。広島県かるた協会所属の六段。
牧野 美登里(まきの みどり)
専任読手の一人。太宰府かるた会所属の六段。旧姓は河合。
原田曰く、若いころに比べて余韻の長さ、決まり字までの速度が安定してきた。また、鼻濁音が美しい。
現在は福岡の強豪校、筑豊女学館で指導を行っている。
小峰 和光(こみね かずみつ)
専任読手の一人。東京都かるた協会所属の八段。
彼の詠みは小柄な身体からは想像もつかない美声と立体的な響きを持っている。また、JBLブランドの最高級スピーカー『エベレスト』になぞらえ、"エベレスト小峰"と一部で呼ばれている。
芹沢 泰治(せりざわ たいじ)
専任読手の一人。宮城県かるた協会所属の六段。
正確なピッチの人。
九頭竜 葉子(くずりゅう ようこ)
専任読手の一人。京都府かるた協会所属。
声に独特なところがある。
冷え性で皮肉屋。山城と同い年であり、彼女との関係が読手になるきっかけとなった。近年読手をやっていなかったのは夫が要介護となり、残りの時間を彼に捧げることを選んだためであり、復帰が実現したのは彼が亡くなった後だったのも一因。
田代(たしろ)
新人の読手で、審判も務める。B級。持田太の友人。
B級公認の資格を取ったばかりで、緊張すると札読みの間が空いたり正しいリズムが取れなかったりする。
審判
西島(にしじま)
七段。西島と今田の2大女王時代の女王。
今田 裕子(いまだ ゆうこ)
結川曰く、西島と今田の2大女王時代の女王。
鷲尾 博希(わしお ひろき)
六段。三文字熟語を文字の間に「☆」を入れて強調して喋る(「団☆結☆力」など)のが口癖。
競技かるた会の役員
吉岡(よしおか)
かるた連盟の役員。新を綿谷名人の後継者として高く評価し、期待を寄せている。
間下 義明(ました よしあき)
全日本かるた協会会長。十段。
増岡 勝人(ますおか かつと)
高校選手権実行委員長。六段。
親族・家族構成
綾瀬 千歳(あやせ ちとせ)
千早より1歳年長の姉。モデルをしており、現在は女優業にも挑戦しているが、仕事の収入よりもレッスン料の方が高くついている。千早からは第一のファンとして慕われている。千早に比べて気性が激しく反骨精神が強い。
綾瀬 千恵子(あやせ ちえこ)
千早の母。優しい母親だが、千歳を心配するあまり、千早のかるた話には見向きもせず一方的に千歳の活躍を応援するところがあった。そのため千早の全国大会出場までは千早に寂しい思いをさせていることに気づいていなかった。千早の全国大会出場以降は千早を気にかけるようになり、その縁で大江家とも親しくなり利恵子に着物のお礼として、お歳暮を送っている。千早がかるたをしている限り大丈夫と思い利恵子に着物を誂えてもらった。東西挑戦者決定戦は2試合目の試合会場で競技者が札にの集中して暗記している時にケイタイで千歳に電話してスノー丸柄のTシャツの詩暢に「静かにして」と窘められた。詩暢には、千早の母とは認識されず。「素人の母」と周りから見られた。
綾瀬 健二(あやせ けんじ)
千早の父。千歳の活躍が掲載されている新聞記事をスクラップファイルにして保管している。ほとんど千歳のスクラップファイルしか作っていなかったが、千早の陸上やかるたの大会の記事もきちんとスクラップしていた。
真島 麗子(ましま れいこ)
太一の母。勝利至上主義をモットーにしており、千早からは「ミセス・プレッシャー」と呼ばれる。太一が小学3年生の時から「だって」と「でも」を禁止するなど息子の教育にはとことん厳しく、彼女の存在が太一の人格形成に与えた影響は計り知れない。太一が土壇場で底力を発揮するのもこの母あってのことである。
真島 梨香(ましま りか)
太一の妹。太一とは7歳差。我が儘な性格で、母からは兄ほどの厳しい育てられ方をしていない模様。
大江 利恵子(おおえ りえこ)
奏の母。顔立ちは娘とそっくり。「呉服の大江」の専務でやり手の女将。瑞沢高校競技かるた部父兄応援団代表。娘の応援と実益(着物で大会出場させて呉服屋の広告塔にする)を兼ねている。
ジャニーズファンであり、太一のファン。瑞沢高校競技かるた部が大会時に着用する着物をレンタルし、着付けてくれたり、自家用車での送迎などサポートをする。
綿谷 麻里(わたや まり)
新の母親。小学生時代に初めて会った時は千早を新の彼女と誤解していた。新の東京の大学進学には内心反対であったが、息子が好きなことで輝くのを応援しないわけにはいかないと、考えを改めた。
綿谷 彰(わたや あきら)
新の父親。かるたをしなかったため、始とは仲が悪かった。始と喧嘩をして、妻や子の新とともに東京に引っ越したが、始が倒れたことにより、家族で福井に戻った。
若宮 詩穂(わかみや しほ)
詩暢の母。詩暢の教育には厳しい。夫とは詩暢が幼いころに離婚し祖母の屋敷に引き取られるが、肩身の狭い思いから娘の詩暢にあたることもあった。詩暢が興味を持っていたかるたを「役に立たない遊び」と投げ捨てたこともある。
詩暢の祖母
京都府議会議員。離婚した詩穂を自宅に引き取るが、その条件の1つが詩暢の習い事であった。詩穂には厳しいが、孫の詩暢には優しい。詩暢にかるたを勧めた人物でもある。
西田 優華璃(にしだ ゆかり)
優征の姉。容姿は姉弟そっくりで、いわゆる「ぽっちゃり女子」。シルク印刷(Tシャツのプリント)が趣味。優征の応援で訪れた東京予選の会場で木梨(ヒョロ)に一目惚れして以来、順調に交際中。
瑞沢高校関係者
堀川 みちる(ほりかわ みちる)
千早のクラスメイト。競技かるたにのめり込む千早に色々と気を使ってくれる。イベントの幹事が得意で、クラスメイトからの信任も厚い。
山川(やまかわ)
瑞沢高校テニス部の部員。優征がテニス部だったころの友人。
松田(まつだ)
瑞沢高校茶道部の部員。部員のほとんどは女性で、松田は唯一の男性部員。千早や駒野と1年次のクラスメイト。
真野 陽菜子(まの ひなの)
瑞沢高校の新入生。菫の親友。
宮崎 詩織(みやざき しおり)
瑞沢高校の新入生。菫の親友。
深作 時次(ふかさく ときじ)
瑞沢高校の古典教師。国立文系。老齢の男性で「ご隠居」と呼ばれており、教師陣の中で宮内が唯一強く出られない存在。クラスの進級後は千早と優征の担任になる。お茶を好む。
柴田(しばた)
瑞沢高校の若手教師。同僚の宮内先生から頼まれ事をされることがある。
的場(まとば)
瑞沢高校の教師で、吹奏楽部顧問。
その他の登場人物
芦野 由宇(あしの ゆう)
新の隣家の少女。同い年の幼馴染。同じ高校に通っており、クラスも一緒。新の福井帰省後はなにかと世話を焼いている。藤岡東高校競技かるた部の創設にも協力したが部員にはならず、応援に徹する。
あくまで幼馴染みの延長線上とはいえ、新にとっては正に「世話女房」で全く頭が上がらず尻に敷かれている。
勝義(かつぎ)書店店長
新のバイト先店長。エロ本での新いじりを楽しみにしている。
小倉 香澄(おぐら かすみ)
高校生になった当時の太一の彼女。太一に告白をしてから暫く付き合っていたが、太一がかるた部を優先したことで、彼女から別れを告げた。