赤場帝一は、将来総理大臣を目指すべく、名門海帝高校へと進学し、生徒会長を目指すことに。
まず、ルーム長に選ばれ、相棒の榊原光明を副ルーム長に任命し、活動することにしたのだった。
厄介者の東郷菊馬とその右腕の根津二四三、そして6組の大鷹弾が強力なライバルとなる。
特に大鷹は外部生で、成績は超優秀、人望も厚いということで家は貧しかったが、ルーム長に選ばれたのだった。
今後の出世争いのために、まずは次の生徒会長選で勝ち馬に乗ることが必須。
帝一・菊馬・弾は紆余曲折を経て森園の勝利に貢献し、大本命の氷室ローランドを破って生徒会長に当選した。
一方、弾は美美子のことが好きだという自分の気持ちに気付いて美美子と惹かれ合っていき、2人共と友達でいたいという美美子の意向により帝一は恋人から友達へ降格となってしまった。
帝一たちは2年生になり、本格的な会長選に臨むことになるが、個性的な1年生が入ってきた。
弾とはかねてから親交のあるカリスマの野々宮、光明推しの成田、帝一に初接吻をする女性的な夢島、菊馬についた海帝愚連隊の久我、新興宗教の教祖の息子・蒜山、森園の将棋の相手を昔からしていた羽入などが登場。
そして森園が会長選にメスを入れ、来年度からは1年、2年生全校生徒で会長を決めることを提案。
帝一や菊馬にとっては都合の悪い話であり、反対票集めに奔走して運命の生徒総会を迎えるのだった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
220票の反対票を取れ!
生徒総会の日、体育館は異様な雰囲気に包まれていた。
生徒会長選挙における、全校生徒投票法案の可決という、海帝高校の歴史を大きく変えるものであったからだ。
帝一は一睡もできなかった。
1・2年生660人、3分のの220票以上の反対があれば、否決となるが…。
朝、帝一と菊馬は作戦会議を開いて生徒総会に挑むのであった。
運命の投票
体育館の後方へ生徒たちを集まらせ、賛成の人は「Y」と書かれた方へ、反対の人は「N」と書かれた方へと移動するという投票の方法。
制限時間は30分。
本部役員が人数を数え、リアルタイムで表示する、というものだった。
そこに各界からの圧力を受け改正を阻止したい校長や教師が体育館に乗り込み、選挙の中止をよびかける。
だが礼子先生が生徒会のもつ独立した自治権を主張し、氷室と駒が教師たちを体育館から力づくで追い出した。
そして投票が始まり、弾や野々宮に続いて賛成派の「Y」に一斉に生徒たちがなだれ込む。
野々宮に裏切られた、と愕然とする帝一。
一方、反対派も光明が先陣を切り、それに反応した成田たちが「N」へ。
菊馬を慕う久我たち海帝愚連隊も「N」に入った。
帝一をたぶらかす夢島は、ファンたちを大量に連れて「Y」へ。
蒜山は多くの信者を連れて「N」へ動いたが、蒜山に首を垂れている姿に帝一は驚くこととなる。
そして羽入は「Y」に入り、賛成派優位のまま制限時間は残り5分に。
自ら反対に動きたいが、動けば堂々と森園に弓を引くこととなるため、動けずにいる帝一と菊馬。
だが先に菊馬が心理的な圧力に屈し、「Y」に身を投じたのだった。
目指す反対票220票まで、あとわずか18票、残る投票権者は38名。
帝一はまだ動けずにいる。
帝一は最後に投票する決意を固めると、それを察したイシモが皆に自分で判断して投票するように呼びかけた。
そして、票が動き、帝一が最後の投票者に。
票数は「Y」440票対「N」219票、帝一の一票で全てが決まるという究極の選択を強いられるのであった。
究極の選択を迫られた帝一
帝一が「N」に入れれば規則改正は阻止できるが、森園の一世一代の改革を潰してしまうことになる。
自分が反対に入れても、義理堅い森園なら「自分を次期会長候補に選ぶ」という約束は果たしてくれるかも…と淡い期待を抱くが、森園は鬼のような形相で帝一を見ている。
考え抜いた結果、帝一は生徒会長に弓を引くことは絶対に許されないと判断し、すべてを犠牲にして「Y」に足を踏み入れた。
こうして法案はこうして可決となるのだった。
世論調査開始!
選挙の衝撃は学校の内外へと伝わり、新聞委員会でも「2年ルーム長の中から誰が生徒会長にふさわしいと思うか」について、月2回世論調査を行うこととなった。
翌日、その第一弾の結果が配布されると、1位:大鷹弾、2位:東郷菊馬、3位:赤場帝一という結果に。
弾に負けるのはまだしも、帝一は菊馬より下だったことに大きなショックを受け、血の涙を流すのだった。
全否定の始まり
世論調査の結果に不満を持った帝一は、1年のルーム長たちと話をしに行く。
夢島は「弱い男は嫌い」と答え、帝一のことを氷室を裏切った張本人と思っている久我も帝一の話には全く耳を貸そうともしない。
自分を支持してくれると思っていた野々宮からも「あなたを支持しない。今後、僕に近づかないでください!」と明確に突き放され、羽入からも「この先、大鷹先輩が100%勝つ」と断言されてしまった。
唯一、自分を支持していると思っていた成田たちも、支持しているのは帝一ではなく光明であると告げられ、自分の存在意義を全否定された帝一はどん底に突き落とされる。
メンタルが弱ったところで蒜山が帝一につけいろうとしてきたが、帝一は光明の忠告を思い出し、なんとか洗脳されずに済むのだった。
弾の元へ集結する1年生
1年のルーム長たちは、野々宮や羽入をはじめほとんどが弾を支持。
弾が生徒会長になる道筋が出来上がっていたが、弾本人は複雑な胸中だった。
礼子によれば、かつて海帝高校の生徒会長を務めた東都大学学長の強い意向により森園の推薦入学が取り消され、森園は生徒会長の激務の合間を縫って一般入試を目指すしかなくなったというのである。
それも覚悟のうえで、森園がこの法案を通したのだ、と弾は感じるのだった。
父の言葉も届かない帝一
その頃、家で絶望した帝一は部屋に引きこもってしまう。
その様子を見ていた父・譲介が、励ます手紙をドアの隙間から差し入れるが、ボロボロの帝一にはその言葉も届かない。
そして帝一は街に出て行方をくらませ、学校にも来なくなってしまうのだった。
菊馬に不信感を抱く久我
光明や弾たちが心配する中、菊馬たちは帝一が登校拒否になっていることをバカ笑いして喜んでいた。
久我も菊馬たちと一緒に、氷室の敵が討てたと喜んでいた。
そこに姿を現した弾が菊馬に「本当にこれでいいのか?森園派として一緒に闘った仲間じゃないか」と伝えると、慌ててその言葉を否定する菊馬。
久我はそんな菊馬を不審に思いはじめるのだった。
菊馬の嘘に気付く
久我は菊馬の話がどこか腑に落ちないまま、いつものように仲間を連れて街の清掃をしていると、ボロボロの帝一がフラフラ歩いてきた。
その場に倒れ込んだ帝一を介抱しようとするが、「僕なんか餓死してしまえば…」と弱弱しい声で拒絶される。
譲介も駆けつけ、久我たちと共に高熱を出している帝一を赤場邸まで運ぶ。
そこで久我は氷室のことについての真相を譲介から聞き、自分が菊馬に騙されていたことを知るのだった。
友達に恵まれた帝一
帝一がこのまま退学するのではと菊馬が高笑いする一方、帝一を心配していた弾は、ルーム長を辞任することを決意して辞表を礼子に提出する。
翌日、弾と光明と美美子は帝一宅を訪れ、その決意を口にしながら呼びかけると、それを聞いた帝一は窓を開けた。
正式に弾の辞任が決定し、このまま帝一が学校に来なければ、菊馬が生徒会長になる。
「お前がもう一度、闘ってくれるなら俺は辞任を取り下げる!俺も会長選を闘う!」と宣言する弾。
そこへ、世論調査をしたせいで帝一が登校拒否になったと責任を感じていた新聞委員の長内も姿を見せ、明日配布予定の海帝新聞を持ってきた。
そこに載っていた最新の世論調査結果では、帝一が菊馬を逆転し2位に上がっていたのだ。
また久我も現れ、大嫌いな蒜山の信者になり下がった嘘つきの菊馬ではなく帝一を支持することにしたと宣言する。
光明も美美子も、帝一のことを泣くほど心配しており、ようやく帝一が復活。
翌日から再び学校に登校するのだった。
過ちから知る本当のこと
野々宮は海帝中学時代、成績もトップで、役者としても有名で何一つ文句のつけようがない若草色の少年だった。
そして、兄の正の家庭教師としてやってきた弾と出会いが野々宮を変えることとなる。
弾のことが慕う一方で、同時に使用人の娘・絹恵に初めて恋心を抱いていた野々宮。
だが絹恵は弾のことを頬を赤らめて見ており、激しい嫉妬に駆られた野々宮は思わず絹恵を押し倒してしまう。
数日後、絹恵は母と共に使用人を辞め、何も言わずに去って行った。
辞めた理由は、野々宮しか知らない。
野々宮は知ってしまった。
欲しいものは力づくでも手に入れたいという衝動を。
それが本能だということを…。
【9巻のまとめ】
生徒総会の結果、帝一の最後の一票で、生徒会長決定方法変更案が可決されてしまった。
帝一は校内新聞の世論調査で3位に終わっていたことをショックに思い、1年生のルーム長全てに話をするが、皆から全否定され、街を漂いボロボロになる。
帝一は2週間学校を休み、心配した弾や光明、美美子が帝一の元へと訪れ、弾がルーム長を辞める!お前が闘ってくれるなら取り下げて会長選を一緒に闘う!と宣言したことによって、帝一は生き返るのだった。
美美子と光明の声援も、帝一にとっては心強いものだった。
次巻へ続きます。
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