ここで飼われている人間たちは「天人」と崇められる異形の巨大生物たちの食糧だった。
衝撃的な真実が明かされた前編、天人は絶滅したはずだったが、物語はまだ続いていた。
巨大生物が人間を喰うシーンはグロい描写のオンパレードなので注意が必要です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
死ぬのが怖いのは異常?
高校生の天沢大輝は、ある日「死ぬのが怖い」と担任に相談する。
それを聞いた担任の表情が強ばったのを見て天沢はすぐに取り消そうとするが、担任は天沢のことを外部に報告。
天沢は幼馴染みの蓮沼柚に想いを寄せる普通の高校生だが、これが彼の運命を変えてしまうこととなる。
彼は普通、しかし世界の方がおかしくなっていたのだった。
洗脳から解けていた天沢
同じ日、校長の高橋から全校放送で生徒たちに名誉なお知らせが告げられた。
全国一斉身体検査の結果、柚が食味スコアとしてトップクラスの点を出し、天人の食用に出荷されることになったというのである。
これを聞いた先生やクラスメイトらは祝福するが、天沢だけが柚が死ぬということに恐怖し、周囲の反応に強い違和感を覚える。
食物連鎖の一環で人間も天人に食べられるのが使命であり、天人の完璧な統治のおかげで人類は真の平和を手に入れた…
みなそう教えられ、洗脳されているのだった。
クラスメイトは柚へのサプライズプレゼントを企画し、自分の身体の一部を切り取って柚に食べてもらおうと言い出す。
みな賛成し、カッターなどで指や耳を切り落としていくなか、天沢の番が来た。
しかし天沢は強いストレスのあまり、みなが身体の一部を入れたバケツに嘔吐。
これがきっかけでクラスから孤立することに。
孤立した天沢が洗脳から覚醒しつつあることに、クラスメイトで孤立している帆秋と万智音の2人が気付き、天沢への接触を試みるのだった。
天人に支配されていた世界、気づいているのは3人だけ
家に帰った天沢だが、家族との日常生活も違和感だらけ。
いつも食べていたご飯は謎の白いドロドロ、これまで出荷されていった家族たちの数の多さ、そして年老いた母が排卵誘発剤で四つ子を妊娠…。
電車のなかの広告も子を多く産み出荷することや良い肉になることが憧れの対象とされ、逆に子を生めなかった者らは生産性ゼロのクズとして、街中で市民から罵声を浴びせられる。
この日も街中ではクズたちに対して市民から正義の鉄槌として石が投げつけられ、容赦なく痛めつけていく。
その場に出くわした天沢は周囲の同調圧力に意識を向けながらも、石を投げることができない。
ところが同じ場に居合わせた父とその部下が天沢の手を取り、わざわざ周囲にアピールするように天沢に最期のダメ押しとして特大の石を渡してきた。
早く殺せという周囲のヤジに怒った天沢は群衆に石を投げようとするが、その寸前に帆秋と万智音に止められる。
万智音は天沢の代役としてクズにトドメを刺すことを宣言し、手に仕込んでいた針で苦しみを与えずに殺害、そのうえで石で派手に正義の鉄槌を執行。
殺されたクズたちはそのまま粉砕、感想肥料として公園の樹木の栄養にされる。
この世界がおかしいことに気づいているのは天沢と帆秋、万智音だけなのだった。
幼馴染の柚の出荷と天人の視察が決まる
柚の出荷が半年後に決まったが、当の柚は自分が死ぬことを名誉だと洗脳されている。
そんな柚を心配する天沢だが、逆に担任に呼び出され、早期出荷制度に応募するよう強く薦められることに。
自らの意思で早く出荷される制度であり、これも受理されれば名誉なこと。
先生たちがよってたかって応募を薦めてくるのに恐怖した天沢はトイレに逃げ込み、万智音と帆秋に助けを求めた。
トイレの壁のタイルを1枚剥がせば、そこには出荷目前にして死の恐怖を自覚した生徒たちの耐えきれない心情が落書きとしてビッシリ残っており、万智音と帆秋はこの世界がどうなっているかの一端を見せる。
と、その時再び校長から全校放送があり、天人が自ら食肉の視察に訪れることになったことが告げられる。
生徒会長の柊を中心として全校挙げての歓迎式典の準備が始まるのだった。
帆秋と万智音の狙い
その頃、学校を抜け出した天沢たち。
帆秋は捕らえていた天人の幼体を天沢に見せ、天人が聖なる存在ではなくただの化け物であることを見せる。
かつて人類を捕獲、繁殖させながら共存しようとしていた天人は反乱によって絶滅寸前にまでなったが、その後長い時間をかけて人類が進んで肉を差し出すように洗脳する方針に切り替え、今に至ったという。
天人を拉致監禁しているとなれば政府の役人たちが血眼になって探しているはずであり、万智音は帆秋の勝手な行動に憤慨。
一方、天沢はその天人の正体を柚に見せることで洗脳を解くことを閃く。
その頃柚は身を清めるために武道館で籠って修行しながら、自分が食べられるかもしれないという事実に向き合いはじめていた。
柊はそんな柚に、自分が食べられる名誉な姿を見ることができるよう、人工心肺装置で延命しながら食べられる様子を自分で見るプランを提案。
柚にも次第に死の恐怖が沸き上がっていくなか、歓迎式典の準備が着々と進んでいく。
軟禁されている柚を助けに来た天沢、しかし万智音は「この世の中をぶっ壊すつもりだ。だが物事には順序というものがある。今は騒ぎを起こすな」と釘を刺す。
そして柚を助け出すことができないまま、天人たちが学校に到着するのであった。
【1巻のまとめ】
食物連鎖の一環で人間も天人に食べられるのが使命であり、天人の完璧な統治のおかげで人類は真の平和を手に入れた。
天人による洗脳によって人類の誰しもがそれを当たり前の常識として考える世界で、高校生の天沢は世界の異常さに気づいた。
そしてクラスメイトで孤立している帆秋と万智音もそれに気づき、天沢に接触。
幼馴染の柚も天人への生贄として名誉の死を与えられることが決まってしまい、天沢は柚を助けて洗脳を解くことを決意する。
帆秋と万智音もこの天人に支配された世界を壊そうとしているなか、天人が高校の視察に来るのであった。
次巻へ続きます。
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