長年に渡ってプロ野球チーム「埼京彩珠リカオンズ」に所属する天才打者・児島弘道は、悲願の優勝を果たすために自主トレを敢行し、速球も変化球もないが並外れた洞察力と読心術を駆使して賭野球「ワンナウト」で無敗を誇るピッチャー、天才勝負師の渡久地東亜と出会う。
「普通の野球とは違う勝負の方法」で勝利を重ねる渡久地を球団に引き入れリカオンズの優勝を託すも、チームに根付いた負け犬根性や勝敗よりも球団売却の損益を優先するオーナーなど、課題は山積み。
渡久地は「1アウトで+500万円、1失点で-5000万円」というギャンブル要素を孕んだ完全出来高制の年俸契約「ワンナウツ契約」をオーナーを秘密裏に結び、様々なブラフやマジックを仕掛けながら球団改革、そしてリカオンズ優勝を目指して球界に彗星の如く姿を現し鮮烈なデビューを飾るのだった―。
アニメ版も併せてどうぞ。
登場人物紹介
<埼京彩珠リカオンズ>
渡久地 東亜(とくち とうあ)
本作の主人公。常にクールでふてぶてしく、他人を見下したような言動が多い。洞察力・ギャンブルの才能と非常に精密な制球力などを武器に、身体能力に頼らずに打者を翻弄する。
児島 弘道(こじま ひろみち)
リカオンズ不動の4番で、長きに渡って球界を牽引してきた国民的な大打者。優勝経験だけがなく、優勝するために必要な何かを求めて渡久地と出会う。
出口 智志(いでぐち さとし)
リカオンズの正捕手であり、選手会長も務めている。チーム内で児島と並ぶ常識的な人物で、渡久地のよき女房役となる。
倉井 一(くらい はじめ)
気の弱い性格でいじめられっ子だったが、スカウトが素質に気づきドラフト外で入団。トルネード投法によるMAX165km/hの世界最速の豪速球を放つまでに成長する。
ジョン・ムルワカ
ドミニカ出身で、アメリカ3Aでのプレー経験を持つ強打者。
菅平 源三(すがだいら げんぞう)
かつては入団2年目にして一軍レギュラーの座を獲得し上位打線を打っていたが、練習中のケガが原因で燻ってしまい、その後酒やギャンブルに溺れ、家族にも逃げられている。
彩川 恒雄(さいかわ つねお)
リカオンズのオーナー。チームの勝敗には全く興味がなく、球団経営を企業グループ全体での収支でしか考えていない。
及川 満夫(おいかわ みつお)
リカオンズ広報部長。オーナーの側近だが、チームの勝利を願う良識派。
三原 雄三郎(みはら ゆうざぶろう)
リカオンズ監督単純かつ弱気な性格で頼りない監督。
木野崎(きのさき)
リカオンズのトレーナー。
奈良沢 考造(ならさわ こうぞう)
元リカオンズスカウト。無名時代から児島に目をつけるなど、かつてはスカウトの鬼と呼ばれていた。
<千葉マリナーズ>
高見 樹(たかみ いつき)
三塁手。並外れたバッティングセンスと驚異的な動体視力から天才と呼ばれ「影の主砲」の異名を持つ。
ブルックリン
DH。マリナーズの4番バッター。大柄で怪力の助っ人外国人。
トマス
マリナーズの3番バッター。長打力のあるアベレージヒッターで、足も速い。
吉良 信光(きら のぶみつ)
投手。右投げ。マリナーズ投手陣で一番の長身で、フォークボールを得意とし、制球力も高い。
忌野 喜郎(いまわの よしろう)
マリナーズ監督。常勝チームを率いるベテラン。良くも悪くも平凡・常識的な思考の監督。
<大阪バガブーズ>
デニス・ジョンソン
左翼手。元陸上選手。野球経験はないが、世界最速級の足の速さだけを買われて入団した助っ人外国人。
城丘 克郎(しろおか かつろう)
バガブーズ監督。城丘高志の実兄。現役時代は輝かしい成績を残し、監督しても知将という評価を得ている。
<神戸ブルーマーズ>
ペドロ・ロドリゴ
変化球が極端に苦手だが、狙い球を絞り本塁打を量産する。
スコット・ウイリアムス
リリーフ投手。ナックルボールを武器に、途中までナックルと似た軌道のシンカー、140km/hのストレートで三振を取っていく。
城丘 高志(しろおか たかし)
ブルーマーズヘッドコーチ。バガブーズ監督・城丘克郎の1歳違いの実弟。三沢オーナー直々に招聘され、ブルーマーズ不正の総指揮を執る。
天堂 哲治(てんどう てつはる)
ブルーマーズ監督。現役通算877本塁打、本塁打王獲得17度という不滅の記録を打ち立てた、世界のホームラン王。話題作りと客寄せが目的に招聘されたため、実権はない。
三沢 純一郎(みさわ じゅんいちろう)
ブルーマーズのオーナー。親会社オリキスの2代目社長。不正手段によりブルーマーズの立て直しを図る。
<フィンガース>
河中 純一(かわなか じゅんいち)
昨年度の新人王投手。MAX160km/h前後の剛速球と落差の大きいフォークボールが武器の本格派左腕。
天海 太陽(あまみ たいよう)
フィンガースの主砲で、来たボールに柔軟にバットを合わせる高い打撃センスをもつ球界でも指折りの天才打者。
北大路 剛(きたおおじ ごう)
俊足巧打の業師ながらホームランを狙えるパワーも持ち合わせる一番打者。
仁科 祐一(にしな ゆういち)
かつてセ・リーグのスパローズで10年以上戦っていたベテラン。
谷川 進一(たにかわ しんいち)
フィンガース監督。現役時代も含め、40年プロ野球界に身を置いている。
<イーグルス>
水橋 慎二(みずはし しんじ)
縦、横、カットボールの3種類のスライダーとストレートを、全く同じフォームで投げ分ける技巧派投手。昨年の最優秀救援投手。
吉田 均(よしだ ひとし)
日本球界史上最高のサブマリン投手と称され、昨年、一昨年と二年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得したエース。
<東京読読ガラリアンズ>
田辺 常行(たなべ つねゆき)
ガラリアンズのオーナー。球界のドンとも呼ばれている球界の最高権力者。昨今のプロ野球人気低迷から、1リーグ化を画策し、そのために唯一黒字を達成しているリカオンズ潰しを狙っている。
榎本 喜六(えのもと きろく)
セ・リーグ最強打者。大リーグのスカウトが注目するほどの並外れたパワーを誇るスラッガー。
<その他>
南田(みなみだ)
倉井の中学時代の恩師。倉井の速球の才能に最初に気付いた人物。
三田村 要(みたむら かなめ)
ファイナンスリース会社・トロンポスの社長。田辺に担ぎ出されてリカオンズを買い取ろうと画策する。
青山満(あおやま みつる)
児島の中学時代の同級生。児島が投手を断念された後、児島に打者転向を薦める。





















