大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えた亜人。
物理学を専攻している助教の相馬や文化人類学の教授・紙村あきらの協力も得ながら様々なオカルト騒動解決の手助けをすることとなる。
隙間女、メリーさん、ぬりかべの騒動を解決し、メリーさんの正体である「やまびこ」も同居することに。
そして小学生の知り合いであるメグミという少女やざしこが「トイレの花子さん」に拉致されかけているところに出くわした陽子は、トイレの花子さんたちのボスであるビッグママと話し合いの場を持ち、彼女たちが人間社会に上手く馴染めない亜人の子たちを異空間で保護していたことから、共に亜人を助ける同盟を組むこととなった。
その他、人間と結ばれた狐火の亜人、口裂け女と間違われ悩みを抱えていたサラマンダーの亜人・花凛、仏神 広目天の亜人であり千里眼を持つスズメ、汗で周りの人間を気絶させてしまうという川女郎の亜人や、普段は人に見えず自覚もないものの周囲の人間を親切にさせてしまうクリストキントの亜人、亜人の能力を継承しながら時間をも操る歳神の亜人、人に悪夢を見せるエンプーサの亜人が登場済である。
さらに紙村の忘れられない過去としてとある神社で幽霊の調査に先輩・五久島と出向き、姦姦蛇螺という巫女のタルパに襲われて五久島が行方知れずとなったエピソードも描かれた。。
そんなある日、ビッグママの孫であるヒデハルが家出してしまい、陽子はビッグママに協力することに。
しかし自在に異空間を行き来できる能力を悪用するヒデハルは陽子に興味を持った末、その家に勝手に侵入してざしこを強制的に連れ出そうとするのであった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ヒデハルを説得するが、ざしこがどこかに消えてしまう
亜人として強力な力を持つヒデハルは、その気になれば金や好きなものを思いのままに得ることができる。
今回のヒデハルの家出は、ビッグママがまだ精神的に未熟なヒデハルにその力の使い方について諫めたことがきっかけだった。
ヒデハルの能力は「色々な空間を自由に行き来できる」というもので、それを目の当たりにした人間には目の前で突如消えたように見え、さらに異空間の認識に対して無意識にフタをした結果、一連の記憶を失うという副作用がある。
もしヒデハルが大勢の目の前でその力を使ったら、この世界にどんな歪が生まれるか予想もつかない―。
陽子が闇雲にヒデハルを探しても見つけることはできず、さらに帰宅すると、やまびこからざしこがヒデハルに攫われたことを知らされる。
やまびこの協力でようやくヒデハルとざしこを見つけた陽子。
しかしヒデハルがざしこの手を放した瞬間にざしこは消えてしまった。
おそらくざしこが部屋から出られたのはずっとヒデハルに手を引かれていたことによるもので、自動的かつ瞬時に部屋に転移させられただけだろう。
ひとまず安堵した陽子はヒデハルを問い詰め、陽子に興味を持ったヒデハルもあえて陽子の家に一緒についていくことに。
ところが家に帰ってもざしこの姿はなく、陽子はざしこを探すためにヒデハルに協力させることにするのであった。
ヒデハルが再び家出
紙村や相馬にも相談しながら、ヒデハルの性質やざしこの行方について紐解いていく陽子。
ヒデハルによると、陽子とざしこのいた部屋はふつうの異空間とは独立した特殊な空間であり、その空間で暮らしながら無数の人と普通にコミュニケーションできている陽子は、「複数の空間に同時にまたがって存在している」ということになる。
ざしこの行方については、相馬が「自動で引き戻される途中で複雑に絡み合う異空間のどこかに引っかかってしまったのではないか」と推理。
ヒデハルは素直に「あの子(ざしこ)にも外の世界を見せてやろうと思ったんだ」と反省し、自らざしこを探すのに協力することを宣言する。
陽子は心配しているビッグママにも謝るように促してヒデハルを帰したが、ちょうどビッグママが「ヒデハルは、いない方がいいかね」と子供たちに言っているところにヒデハルが出くわしてしまった。
ショックを受けたヒデハルは怒って「ならお望み通り、消えてやるよ」と再び家出してしまうのであった。
ヒデハルの正体はビッグフット?そしてざしこを発見するが…
やまびこや相馬、紙村たちにも協力してもらいながら必死にざしこを捜索する陽子は、ふとマンションから見える上空に一瞬だけざしこが姿を現したのを目撃する。
すぐに消えてしまったが、おそらくあちこちに引っかかりながら移動しているために極端な高低差もついてこの高さまであがってきたのであろう。
一方、ヒデハルについては紙村がアメリカのUMAである「ビッグフット」の噂が最も近いと指摘。
ビッグフットは異空間を自由に移動しているという噂があるらしい。
と、ちょうどそのとき「ヒデハルが見つかった」との連絡が入った。
ヒデハルは多くの人が行き交う渋谷スクランブル交差点に面したビルの屋上におり、そこから交差点を見下ろしていた。
もしや飛び降りて公衆の面前で能力を使うつもりでは―。
止めなければならないが、どう止めたらいいのかわからないビッグママの背中を押す陽子。
紙村と相馬も加え、4人でビルの屋上へと急ぎ、ヒデハルの説得を試みるのであった。
公衆の面前で異次元ワープする大事件へ
ビルの屋上に到着すると、屋上から身を乗り出すヒデハルの視線の先にはざしこが宙に浮いていた。
紙村・相馬・ビッグママには見えてはいないが、陽子とヒデハルには確かにざしこの姿が見えている。
2人は危険を顧みずにビルの屋上から飛び出してざしこを捕まえ、ヒデハルが能力を使用。
ヒデハルが異空間を行き来する能力でざしこに接触したため、ざしこが部屋にスムーズにワープすることができるようになり、無事に部屋へと帰ってくることができた。
落ち着きを取り戻した陽子はヒデハルとビッグママの喧嘩を仲裁。
ビッグママもヒデハルのことを「いない方がいい」と言ったのは、サラマンダーの亜人である花凛を迎えるにあたって、ヒデハルが自分の境遇を比べてしまわないように配慮したゆえの発言だった。
生まれたときから空間移動ができたヒデハルはその能力の使用の度に両親から忘れられていたが、今は両親ともヒデハルのことを認識し、一緒に暮らす準備ができたことも明かされる。
無事にヒデハルも心を改め、一件落着。
陽子・ヒデハル・ビッグママの近くにいたことで奇跡的にも紙村と相馬もビルからの飛び降りについて記憶を保持したまま、さらに世界の滅亡も免れる結果となるのであった。
ムラサキババアから変な流行が生まれる
陽子とヒデハルが公衆の面前でビルから飛び降りて消えた事件はテレビでも報道されたが、亜人の特性がメンタルに左右されるように、当時相当焦っていた陽子の能力が周囲にも伝播したことで世界の崩壊は免れたのかもしれない。
その影響からかメグミがざしこの存在に気付きそうになるなどするが、そうした異常は時間と共に落ち着いていくものと思われる。
物事を見渡す千里眼の持ち主で広目天の亜人であるスズメも岡山から電磁波の異常を察知して上京してきたが、到着した頃には事態は収束に向かっているようだ。
しかし今度はメグミが学校から別の幽霊を引き連れて帰ってきた。
憑かれたもののそれ以上何かをする様子はなく、触っても無害なその霊は、メグミの予想では「ムラサキババア」という存在。
怪談では3回「ムラサキ」と唱えれば消えるらしいが全く効果はなく、陽子は相馬や紙村にも相談してみることに。
相馬も紙村も学者として視認できるムラサキババアに興味津々の様子であり、相馬は「ムラサキ」という単語の言い方や周波数を変えれば効果があるのではないかと仮説を立てる。
一方、紙村はムラサキババアの起源の1つとして中国の「紫姑神」の存在を挙げ、中国語の発音で紫を意味する「ヅイー」の発声を試してみる。
紙村が言っても効果は無かったが、異空間に干渉できる陽子が発音すると効果があったようで、ムラサキババアは消滅した。
この1件も解決し帰路につく陽子。
しかしその前に亜人課の刑事である須摩 依澄が現れ、突如として「本日からあなたを監視します」と告げられるのであった。
【6巻のまとめ】
ヒデハルの正体は異空間を自在に移動できるビッグフットの亜人だった。
家出したヒデハルを説得し、ヒデハルに連れ出された結果異空間の狭間のどこかに挟まってしまったざしこを助けるためにヒデハルと陽子が公衆の面前で異空間を移動し、あわや世界の崩壊という大事件になるところだったが、奇跡的にも世界の滅亡は免れ、一件落着を迎えた。
そして平穏な日常が戻り、この巻ではムラサキババアにまつわるエピソードも収録。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考亜人ではなくオカルトを科学してみよう!考察とホラー色を加え青春要素を薄めたスピンオフ作品『オカルトちゃんは語れない』全9巻【ネタバレ注意】
続きを見る