赤場帝一は、将来総理大臣を目指すべく、名門海帝高校へと進学し、生徒会長を目指すことに。
まず、ルーム長に選ばれ、相棒の榊原光明を副ルーム長に任命し、活動することにしたのだった。
厄介者の東郷菊馬とその右腕の根津二四三、そして6組の大鷹弾が強力なライバルとなる。
特に大鷹は外部生で、成績は超優秀、人望も厚いということで家は貧しかったが、ルーム長に選ばれたのだった。
今後の出世争いのために、まずは次の生徒会長選で勝ち馬に乗ることが必須。
大本命の氷室ローランドの忠実な犬になるべく、熱い視線を送りアピールする帝一は、同じく氷室につきたい菊馬と手柄を争いながら奔走する。
生徒会長選の候補者は氷室、森園、本田の3名に絞られ、会長選が開幕。
公約で氷室は多数派を占める運動部の票を固めるべく、運動部の予算を大幅に増やすと宣言した一方、森園は文化部も切り捨てない考えを明かす。
そして海帝祭が幕を開け、帝一らはその実行委員を担う一方で票集めに奔走。
美美子も帝一から止められていたが、海帝祭を訪れて弾や森園と文化部を見て回り、それに嫉妬した帝一が弾と決別する。
森園のために戦う覚悟を固めた弾は、皆の見ている前で氷室に宣戦布告し、氷室の優勢を覆すべく、森園・本田の「億章同盟」を結成させるのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
帝一の臭覚
1・2年のルーム長の票を着実に固めつつある氷室は、委員会の委員長と副委員長の票固めを帝一、菊馬たちに命じつつ、生徒会長にしか許されない校内見回りを始める。
そこで現生徒会長の堂山と鉢合わせするが、氷室は堂々と「僕は負けません、もうすぐ会長の任期は終わります。お茶でもすすっていてください」と言い放ち、掌を返した。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
氷室の恐ろしさを目の当たりにし、自分も粗相があればいつ切り捨てられてもおかしくないと気を引き締める帝一。
その頃、氷室邸では帝一にとって青天の霹靂ともいえる大事件が起きていた。
翌日、帝一に対して「おはよう」と優しく挨拶する氷室。
氷室が自分に優しく挨拶するなどあり得ない―。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
そのほんのわずかな異変を嗅ぎ取った帝一がすぐさま氷室の機嫌を取るべく謝りに行くと、氷室は「お前のことは一番に思っているぞ」とまた優しく帝一を抱きしめてきた。
なぜかは全く身に覚えがないが、間違いなく氷室は帝一に激しく怒っていると、帝一は般若の顔になって感じ取るのだった。
父同士の確執
般若の顔になって自宅に帰ってきた帝一は、父・譲介から氷室の父であるスティーブ・レッドフォードとの確執について聞かされ、ようやく氷室の態度の変化の理由を知る。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
野々宮首相が通産大臣の時、アメリカは自動車貿易の関税撤廃と、日本の自動車メーカーへの優遇の廃止を求めてきた。
当時、譲介は野々宮大臣きっての頼みでアメリカ車に負けない日本車を作るべく、日本車優遇措置法を進めるために奔走。
そんな中、アメリカの自動車メーカーである“H・M”が日本進出を狙い、日本支社社長のスティーブ・レッドフォードが譲介に接触してきた。
譲介は上司である東郷がアメリカ車に肩入れしていたにも関わらず、レッドフォードによる買収や贈賄には屈さず、様々な圧力や反対を押しのけて日本車優遇措置を進めて行った。
その結果、レッドフォードは本来は日本への赴任は1~2年だけで次期本社社長との声が高かったが、譲介のおかげで出世レースから外れ、島流しの状態に。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
つまりレッドフォードは譲介に恨みを持っており、その息子であるローランドが父親の仇を取るべく帝一を敵視しているのではないかというのだった。
事情を知り、発狂する帝一。
氷室もまた、自分の言うことを何でも聞く忠犬だと思っていた帝一が実は親の仇だと知り、帝一を愛せるかどうか悩んでいるのだった。
愛と憎悪が混在
翌日、光明にも事情を打ち明け、氷室本人に直接気持ちを確かめに行くことにした帝一。
氷室はその話を笑い飛ばしたうえで帝一を愛する証として帝一の上履きまで舐め、帝一はいったん納得して去っていく。
しかし氷室は本心ではまだ帝一への愛と憎悪が混在し、帝一をどうするか決めかねている様子。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
帝一もまた、上履きを舐められるという、氷室らしからぬ行動に益々、氷室の本心が分からなくなってしまうのだった。
氷室の本心が決まる
氷室の本心を知るため、光明は「見つかっても安全な方法」で氷室を盗聴することを思いつく。
それは、あえて菊馬と根津に氷室・帝一の父同士の確執を打ち明け、菊馬たちが情報収集に動いたところを盗聴するというもの。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
菊馬はまんまと根津を使って氷室邸に侵入させ、光明と帝一は根津の靴につけた盗聴器で氷室邸を張る。
何も知らない氷室は父との会話で、父の恨みを晴らすために帝一をボロ雑巾の様に捨てるつもりであることを宣言。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
それを聞いていた帝一はその場で、白装束になり切腹しようとして、光明に殴られ止められるのだった。
美美子との距離が遠くなる予感
氷室に捨てられることが確定し、絶望感に打ちひしがれながら美美子のもとを訪れた帝一。
美美子は「これからは高校生らしく楽しんだらいい」と励ますが、戦って権力を勝ち取ることが喜びだった帝一は美美子に八つ当たりしてしまう。
ショックを受け、「こんな時は明るい弾君と話したい」と思う美美子。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
一方、弾も美美子のことを想いながら夜の工事のバイトに励んでいるのだった。
謀反を起こす帝一!
父・譲介の背中を流しながら弱音を吐く帝一。
しかし父は帝一を奮い立たせ、生き残る唯一の道を示す。
翌日、登校した帝一は光明を呼び出し、戦い方を変えて氷室に謀反を起こすことを宣言。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
つまり、帝一が森園に寝返ることを意味しているのだった。
帝一が森園派に
話を聞いた光明はすぐさま、どのような流れで話を持っていけば寝返りを受け入れられるかの作戦を立てる。
そして帝一は光明の作戦を信じ、弾と森園たちを呼び出し、森園派に寝返ることを申し出た。
以前、評議会で帝一に足を引っかけられたのを根に持っている森園は断ろうとするが、弾と本田は賛成。
森園の部下として派閥に入ることを示すため、帝一は足をかけたことについて完璧な土下座で謝罪。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
光明の作戦どおり、最初は断られるのを見越したうえで最後は土下座に着地し、帝一は森園派に入ることができた。
帝一と氷室の間に何かあったことを察した弾にも助けられ、帝一は弾と友人として和解し、手を組むのだった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
美美子のことが好きな弾
美美子に森園派についたことを話しに行った帝一。
その帰りがけ、弾が美美子の家の近所で座っているところに遭遇する。
弾は変装した帝一のことを美美子の祖父と思いこんでおり、美美子に対する想いを打ち明けた。
話すうちに自分の気持ちにも整理をつけていく弾。
友人である帝一のために美美子との距離を縮めずに我慢しているが、やはり弾は美美子のことが好きなのだった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
決別と目に宿る炎
氷室と菊馬たちには秘密で裏切り、森園への票固めを始めた帝一たち。
光明が発明した“ニャンニャンスピーク”で味方につけていたルーム長らも、帝一と光明に従い寝返った。
何も知らない氷室は委員会票の票固めをするよう帝一と菊馬に命じるが、菊馬は帝一の動きが鈍いことに疑念を持ち始める。
そして根津の靴底に不審な盗聴器が付けられていることに気付くと、菊馬はすぐさま帝一の造反を確信し、氷室に報告。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
菊馬はやむなく氷室邸をスパイしたことを明かし、帝一もそのことを知っていると伝えると、氷室は激怒した。
そこへ帝一が姿を見せ、氷室に対して正面から離反を切り出し、森園につくことを宣言。
帝一が氷室のために流す涙はこれが最後。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
氷室は帝一を敵として撃ち殺すことを胸に誓い、帝一もまた、目の中に小さな炎が燃えているのだった。
氷室の嘘を暴く
帝一たちが森園派に入ったことで、氷室派との差は5票にまで縮まった。
委員会票は氷室たちに流れている様子であり、弾たちはそこを切り崩しにかかる。
どうやら氷室は各委員に対して予算の3~4割アップを約束しているらしく、特に図書は書籍の購入に直結するため全面支持のようだ。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
情報を掴んだ弾が直接氷室に対し、公開質問を辞さない構えで予算の出所を聞くと、氷室は「埋蔵金」と回答。
だが埋蔵金は生徒会長しか存在を知らないもの。
弾たちから話を聞いた堂山が氷室を問いただすと氷室は今度は代案として生徒会費の増額を口にした。
選挙の公約を守るための生徒会費の増額などもってのほか。
氷室への怒りと失望を露にする堂山は、予め帝一たちに頼まれていたとおり、氷室とのやり取りの録音を帝一たちに提供。
数日後、学内の新聞では「埋蔵金存在せず!生徒会費増額!」の文字が大々的に並び、これによって票の潮目が大きく変化した。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
放送・美化・新聞委員の6票が森園に流れ、森園派は氷室派まであと1票差にまで迫ってきたのだった。
意識し合う弾と美美子
冬休みに入り、クリスマスの街を歩く美美子の前にサンタクロース姿の弾が姿を見せる。
一方、帝一はクリスマスなのに、美美子とは一緒ではなく、票集めに奔走していた。
弾と美美子は「会えて嬉しかった!」と言い合い、頬を赤らめながら美美子も弾に微笑むのであった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
森園派、形勢逆転!
年が明け、両陣営ともに熱心な選挙活動に勤しむ。
しかし票差は変わらないまま3学期に突入。
と、ここで弾は膠着状態を打開する一手を思いついた。
それは、菊馬と根津を取り込むことだった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
森園も自分が勝てば菊馬を次期生徒会長にすることを約束し、菊馬たちも森園派に寝返ることに。
菊馬に従う形で森兄弟たちの2票も森園に入り、森園33対氷室26と、ついに形勢逆転するのだった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
鷹匠少年と総理大臣との出会い
4年前、弾は父が借金を残して他界したため、新聞配達や引越しの手伝いをして家計の助けをしていた。
中学生の弾は勉強が優秀ながらも、高校へは行かないつもりだった。
父が遺していた鷹の藤吉と一緒に近所の林へ散歩に出かけると、そこで野々宮という男と出会う。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
実は、その林は野々宮の家の庭だったのである。
弾と鷹のことを気に入った野々宮は自宅へと弾を招き入れ、そこから2人の不思議な縁が始まった。
海帝高校の授業についていけないと嘆く野々宮の息子、正の宿題を見事に解説してみせた中学生の弾がは、家庭教師として雇われることとなる。
野々宮の信頼を着実に築いていった弾は、次第に野々宮の仕事に対する助言までこなすようになり、野々宮もそのおかげで次々と難しい仕事を成功させていった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
そしてその見返りとして、野々宮は弾が海帝高校に入学してから卒業するまでの学費の面倒を見ることを約束し、将来その気になったら仕事を手伝って欲しいと依頼する。
進学を諦めていた弾は涙ながらにその提案を喜んだ。
この野々宮こそ、今や内閣総理大臣になった男・野々宮幸四郎だった。
「帝一の國」5巻©集英社/古屋兎丸
帝一もまた、いつだって信念で行動し、多数派に立ち向かう勇気を持った政治家として野々宮のことを尊敬しているのであった。
【5巻のまとめ】
氷室は票固めが着々とうまく行き始め、調子に乗って堂山のことを邪険に扱い始める。
そんななかで、帝一の父・譲介と氷室の父・レッドフォードが犬猿の仲であることが判明。
氷室が父の仇である帝一を切り捨てる覚悟を固めたことを知ると、帝一は生き残るために涙を飲んで森園派に造反した。
弾とも和解し、森園派が一気に盛り返していく。
一方、弾は美美子のことが好きだという自分の気持ちに気付き、美美子と惹かれ合っていく。
恋の火種が生まれるなか、会長選の票集めの争いは進み、次期会長選候補者の座の確約を条件に菊馬たちも森園派に寝返ったことで、ついに森園派が氷室派を逆転するのだった。
次巻へ続きます。
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