テルバイド化学のプロジェクトを発端として、昆虫が巨大化。この事態は防衛省副大臣の粟津を筆頭として仕組まれたものでしたが、当初の予測を超えて深刻な事態に発展しました。
自衛隊が懸命に対処するものの状況は劣勢で、多くの市民が犠牲になります。
一連の事態が政府の陰謀である証拠を掴んだ辰彦は、外から侵入した近藤と小田嶋の協力のもと逃亡を続け、自宅で再会した弟の順に証拠のデータを託すのでした。
しかし、順の避難先である文化体育館が進化の最終段階で怪獣レベルの大きさまでに巨大化した昆虫に襲われ、逃げ場を失ってしまいます。
順は生き延びて兄の無実を晴らせるのでしょうか。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
以下ネタバレ注意です。
緊急避難
自衛隊員の桐谷の先導で、順・沙奈・英和たちは建物の倉庫に一時避難します。
親が目の前で死んだ英和は悲しみに暮れるなか、兄の会社が事の一端に関与していることに責任を感じた順は、兄から聞いた話をもとに、すべて政府の陰謀であったことを打ち明けます。
これまでの上からの指示に疑問を抱いていた桐谷も、順に協力し、無事生き延びることができたら現場の人間として証言することを決意します。
〈桐谷の決意 [インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
混乱に乗じた逃走
怪獣レベルの虫の出現を受け、崎村ら本部はイージス艦によるミサイル攻撃を決め、自衛隊の地上部隊に足止めを指示します。
一方、辰彦・近藤・小田嶋の3人は怪獣レベルの虫が現れた混乱に乗じて隔離区域からの脱出を図りますが、車で移動をしているところを自衛隊の久野と馬越に発見され、追跡を受けてしまいます。
特に久野はテルバイド化学に敵意を燃やしており、指名手配中の辰彦を殺そうとしています。
そして、イージス艦のミサイル攻撃により、怪獣レベルの虫はあっさり倒されてしまい、期待していた混乱も大きくはなりません。
久野の発砲を受けて車がパンクし、辰彦らは路地に逃げ込みます。久野は馬越の制止を振り切って1人で追跡を始めます。
辰彦らが逃げ込んだ路地は瓦礫で行き止まりになっており、3人は瓦礫に身を潜めていましたが、あえなく久野に見つかってしまいます。
久野「わりーが俺にはお前を許せるだけの度量はないんでな。死んで世間に詫びろ」
久野は辰彦に向けて発砲しますが、辰彦をかばった近藤に弾が命中し、近藤は命を落としてしまいます。
〈辰彦をかばい久野の凶弾に倒れる近藤 [インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
久野がもう一度辰彦に狙いを定めたとき、背後から現れた中型サイズの羽虫によって久野は喰われ、辰彦は悲しみに暮れる小田嶋を連れて再び逃走します。
ラスボス:超巨大クモの出現
怪獣レベルの虫も倒し、街はだいぶ落ち着きを取り戻しました。崎村たち、順たち、辰彦たち、それぞれが事態の収束に胸をなでおろしますが、まだ終わっていませんでした。
大きな地震とともに、街中の地下から湧き上がる虫。そして地下からはさきほどの怪獣レベルの虫を超える、特大サイズのクモが。
〈ラスボスの特大クモ [インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
特大クモが這うようにして街を襲い、完全に収拾不能となったことを受けて粟津の抵抗むなしく米軍の介入が始まります。崎村やケミフォースも現場から撤退を開始しました。
順たちは陸上自衛隊のジープを使って脱出を図りますが、中型サイズの羽虫に襲われ、英和が車から振り落とされてしまいます。
運転していた桐谷は、全員の命を危険にさらすことはできないと判断し、英和を見捨てて走り去っていきます。
同級生の死を目の当たりにする順と沙奈。それでも桐谷に従わなければ生き延びることはできません。
一方、辰彦と小田嶋は徒歩で脱出を目指していましたが、ケミフォースに捕まってしまい、崎村のところへ連行されます。崎村に捕まった辰彦と小田嶋は降伏し、崎村にICレコーダーを差し出します。
崎村「データはこれだけか?」
辰彦「……ああ」(※大嘘)
〈崎村に捕まり、録音データは没収 [インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
ICレコーダーはその場で処分されましたが、辰彦と小田嶋は命までは取られませんでした。
米軍の爆撃
そして、特大クモに対し米軍による爆撃が始まりました。核に次ぐ威力を持つ爆弾が何発も命中し、爆風でビルや市民も吹き飛んでいきます。
特大クモも胴から下がちぎれ、上半身だけになったクモはすごい速さで移動を始めます。
〈米軍の爆撃により下半身だけとなった特大クモ[インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
米軍はさらにクモに集中攻撃を行い、崎村と辰彦たちも爆風に巻き込まれて車ごと横転し、気絶してしまいます。
爆撃の結果、クモは倒れましたが、街は焼け野原と化していました。
いち早く気絶から目覚めた辰彦と小田嶋は、順に託した証拠のデータに望みをかけ、再び逃走します。
〈辰彦から順に渡されていたICレコーダー[インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
崎村も気絶から目覚め、辰彦らの逃走に気づきます。が、米軍が最後の追い打ちとしてクモに爆撃を行い、崎村は再び爆風に巻き込まれました。
〈特大クモにトドメの爆撃[インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
収束
昆虫はすべて死滅し、事態は収束。隔離も解除され、桐谷・順・沙奈の3人は無事に生き延びることができました。
順は公衆電話から父に連絡を取り、データを渡すために合流します。また辰彦も父に連絡を取り、順の無事を知りました。
政府の陰謀を暴くため、父は知り合いのテレビプロデューサーである辻原にスクープとしてデータを提供します。
辻原はすぐさまこれを報道し、自衛隊員の桐谷も現場から証言しました。
報道を受けて粟津は拘束されます。
〈ついに黒幕の粟津副大臣が逮捕[インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
3日後。救出活動が本格化し、順はショッピングモールの地下に避難していた母と再会を果たします。沙奈の両親も無事でした。
そしてテルバイド化学の無実も証明され、辰彦は釈放されたメンバー達と再会します。無事を喜ぶ大橋でしたが、協力を依頼していた近藤の死を知り顔が曇ります。
小田嶋は近藤の死を受けて退職を決意していました。
そして、拘置所に入っていた粟津は首を吊って自殺。
すべてが終わり、あとは復興を待つのみ。
沙奈「もう二度とこんな事起こらないよね?」
順「……当たり前だろ。英和や……他の人たちもどれだけ死んだんだよ。あってたまるか」
しかし2人の願いも虚しく、秘密施設でウイルスの研究は続いていました。顔の半分を焼かれながらも、崎村は生きていたのです。
〈生き延びていた崎村…[インセクツ4巻]©幻冬舎/杉山敏〉
【最終巻のまとめ】
米軍の爆撃によって街は焼け野原と化しましたが、順・辰彦とも無事に生き延び、政府の陰謀を暴くことができました。
英和、近藤をはじめ、善良な人々も数多く犠牲になりましたが、無事に事態は収束し、あとは復興を待つのみ。
しかし、生き延びていた崎村が粟津の遺志を継いでひっそりと研究を再開…。
続編『インセクツR』に続きます。
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