ある日「小さな巨人」と呼ばれ躍動する地元・宮城県立烏野高校のエースに心奪われバレーボールを始めた小柄な少年・日向翔陽。
中学時代は環境に恵まれず、3年最後の大会にようやくメンバーを集めて出場するも、「コート上の王様」と呼ばれる天才セッター・影山飛雄擁する強豪・北川第一中に惨敗してしまう。
影山へのリベンジを果たすべく憧れの烏野高校バレーボール部に入部した日向だが、奇しくも影山もチームメイトとなり、他の1年生である月島・山口や主将の澤村、副主将の菅原、2年でムードメーカーの田中、エースの東峰、リベロの西谷らと共に新チームとして始動する。
インターハイ予選では烏野は影山の先輩セッターである及川率いる強豪・青葉城西に敗れ3回戦で姿を消したが、長年のライバル校である音駒ら複数校による東京での合同練習に招待され、音駒に新たに加入した長身の灰羽リエーフや梟谷学園を率いる大エース木兎らライバルたちから貪欲に技術を吸収。
チームとしても新たな攻撃パターンに挑戦し始めた烏野は春高の予選で青葉城西へのリベンジを果たし、王者・白鳥沢との激闘を制して念願の全国大会出場を決める。
烏野がいち早く出場権を獲得した一方、東京都でも強豪が集う予選が開幕し、全国トップ3に入るスパイカー・佐久早率いる井闥山、梟谷、そして音駒の3校が全国への切符を掴んだ。
全日本ユース合宿で影山が、県内の有望な1年生を集めた疑似ユース合宿で月島と日向が経験を積み、春高バレー本戦が開幕。
烏野は2年連続出場の椿原学園を、2回戦ではユース合宿に選ばれたセッター宮侑らを擁する優勝候補・稲荷崎との激闘を制して3回戦へ。
音駒も順調に勝ち進み、3回戦で烏野と音駒、往年のライバルによる「ゴミ捨て場の決戦」が全国の舞台で実現する。
互いに1セットずつ取り合う激闘はファイナルセットにもつれこみ、両チームとも疲れを忘れるほど集中力を研ぎ澄まして怒涛のラリーを繰り広げる。
セットの後半にして烏野が若干のリードする展開。
祭の終わりが確実に近づいているのだった。
37巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ゴミ捨て場の決戦、決着
試合終盤、烏野の攻めが加速する。
〈烏野の猛攻 [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
そして迎えた烏野のマッチポイント。(烏24-21音)
烏野の猛攻に粘り続ける音駒だが、最後は長いラリーでついた汗で孤爪の指が滑り、ボールがコートに落ちる。
〈ラストは汗でボールが滑った [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
真剣勝負をしていたこともいつの間にか忘れるような、集中力を研ぎ澄ませた祭は、あっけない形で幕を下ろす。(烏25-21音)
両チーム健闘を讃えあい、烏野が再戦を誓いながら次戦へ駒を進めるのだった。
〈健闘を讃えあう [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
1日2試合の過酷な行程
一方、他のコートでは梟谷が3回戦を突破。
大会3日目のこの日は1日2試合の厳しい行程であり、烏野と梟谷はその日のうちに準々決勝の試合を戦うこととなる。
〈魔の3日目 [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
梟谷の相手は全国3本の指に入るエース・桐生率いる貉坂高校。
そして烏野の相手は「小さな巨人」星海擁する鴎台高校。
大エース同士の戦いと、小さな巨人同士の戦いが実現するのだった。
〈小さな巨人同士の戦いに [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
準々決勝:梟谷vs貉坂
先に始まったのは梟谷vs貉坂。
いつになく好調な木兎に対し、桐生もどんなボールでも驚異的なパワーでぶっ放す「悪球打ち」で得点を稼ぐ。(梟10-14貉)
〈3大エースの1人、桐生 [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
さらに貉坂はブロックの配置を巧に操って木兎をマークし、点差をじわじわと広げていく。
梟谷のセッター・赤葦は焦りからいつものプレーがズレていくが、この日はそれ以上に木兎が集中力を研ぎ澄ませていく。
味方に支えられるエースから、チームを引っ張るエースに進化しようとしているのだった。
〈木兎がチームを引っ張る [ハイキュー!! 37巻](c)集英社/古舘春一〉
【37巻のまとめ】
音駒の粘りを振り切り、猛攻を見せた烏野がゴミ捨て場の決戦を制した。
烏野は同じ日に行われる準々決勝で「小さな巨人」星海擁する鴎台高校と激突することが決まる。
他方、同じく3回戦を突破した梟谷は全国3本の指に入るエース・桐生率いる貉坂高校と準々決勝で対決する。
どんなボールでも驚異的なパワーでぶっ放す桐生を相手に、いつになく好調な木兎がチームを引っ張るのだった。
次巻へ続きます。
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