創設2年目の誠凛高校バスケットボール部は全国制覇を目標に掲げていた。
この部は去年、主将の日向順平、司令塔の伊月俊ら選手はもちろん、スポーツトレーナーを父に持つ監督の相田リコも含め全員が1年生だったが、IH(インターハイ)都予選決勝リーグにまで出場していた。
そこに超強豪校の帝光中学校で最強の伝説を作った「キセキの世代」の「幻の6人目」黒子テツヤとアメリカ帰りの大型新人火神大我が入部する。
実力が一目瞭然の火神とは対照的に、身体能力で劣る黒子は普段から存在に気付かないほど影の薄い選手だが、視線誘導の能力を存分に発揮し、存在感のなさを逆手に取った見えないパス回しが武器。
やがて2人は黒子を影、火神を光とするプレイスタイルを確立していく。そして共にキセキの世代を倒し、日本一になることを約束する。
海常との練習試合ではキセキの世代の1人である黄瀬を相手に激しい点の取り合いを制し、間もなくしてインターハイの東京都予選が開幕。
誠凛はキセキの世代の1人で異常なまでの正確さと射程を持つ緑間のいる秀徳を破って決勝リーグに進出するも、天性の敏捷性と変幻自在のプレーで孤高の道を歩む青峰と、帝光中学時代のマネージャーで恐るべき諜報能力で的確な作戦を立てる桃井擁する桐皇に大敗し、そのまま敗退してしまった。
インターハイ後チームには誠凛には部の創設者にして大黒柱の木吉が合流し、秀徳との合同合宿でそれぞれがレベルアップし、ウィンターカップの予選では緑間擁する秀徳と引き分け、霧崎第一との因縁の試合を制して全国大会出場を勝ち取った。
同じく秀徳も全国大会出場を決め、これでウィンターカップには黒子を含むキセキの世代6人全員が出揃う全面戦争となるのであった。
リコの父のもとで合宿を敢行し、それぞれが特訓でレベルアップした誠凛はウィンターカップの初戦から桐皇と激突。
極限の集中状態である「ゾーン」の扉を青峰が開き、もはや誰にも止められない域に達するが、火神も覚醒してゾーンに突入し、誠凛が大逆転勝利で桐皇との死闘を制した。
試合後には火神のアメリカ時代の師匠である元女子プロ選手・アレックスが登場し、火神は特訓する一方、黒子は自ら青峰に弟子入りしてシュートを教わることとなる。
その後桐皇との激戦の反動で誠凛はリズムを崩しかけたものの準々決勝へ進出し、紫原と氷室擁する陽泉と激突。
陽線の圧倒的なフィジカルと鉄壁の守備に大苦戦する誠凛は、体力の限界を迎えた大黒柱の木吉が途中交代し、黒子と火神で粘る展開に。
最終第4Q、ジワジワと点差が開く苦しい状況のなか火神の覚醒に期待がかかるが、ゾーンに頼ろうとするほど雑念となって集中できない。
果たして火神は逆転勝利を呼び込むことができるのか―。
19巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ついに火神がゾーンに突入
誠凛はタイムアウトの間に作戦を変更し、火神の守備エリアを縮小、氷室になるべくボールを渡さないように3人がかりでマークすることに。
インサイドが手薄になったことである程度点は取られるものの、集中を研ぎ澄ました火神の動きにキレが増していく。
そしてついに火神がゾーンに入った。
紫原のダンクも氷室のミラージュシュートすらも止め、攻守に奮闘するのだった。
紫原も本気モード、誠凛はラスト1分で木吉を投入
神がかった活躍で誠凛が4点差に追い上げ、流れを一気に引き寄せる。
対する陽泉は紫原がやる気をなくしかけるが、氷室が火神や紫原の才能に嫉妬や怒りを爆発させたのを見て、紫原も負けず嫌いから本気モードに。
試合再開後は紫原と氷室がなりふり構わずパスでの連携を見せ、両チームとも点の取り合いとなる。
どちらも譲らぬまま試合終了まで残り1分、6点のビハインドの場面で誠凛はマッサージを終えた木吉を再び投入するのだった。
火神の新シュート、誠凛が逆転勝利
火神のゴールで4点差とし、さらに読みあいを制した木吉と日向が2人がかりだ氷室のミラージュシュートをブロック。
そこから日向の3Pで1点差にまで追い付いた。
試合時間は残り20秒、しかし火神のゾーンはタイムリミットが近づく一方で、紫原がゾーンに入る。
紫原の全力のダンクを火神と木吉の2人で止め、終了間際にボールを託された火神は一か八かで新たなシュートを解禁。
飛距離より高く跳ぶことを優先し、そこから叩きつけるようにボールを投げ下ろす「メテオジャム」が決まり、誠凛が逆転した。
残り数秒のカウンターで紫原がゴールに迫るが、ここまでの試合で巨体による全力の跳躍を支えてきた膝が動かず、跳べなくなったところで黒子がシュートをブロック。
このまま誠凛が逃げ切り、準決勝へ駒を進めるのだった。
黄瀬はキセキの世代の元メンバー・灰崎と因縁の対決へ
誠凛の準決勝の相手は黄瀬擁する海常と福田総合の試合の勝者。
しかし福田総合には中学時代に黄瀬が入部する前にキセキの世代のスタメンに数えられていた灰崎がいた。
素行不良で暴力沙汰が耐えなかったことから赤司に強制退部させられたとはいえ、実力は折り紙つき。
黄瀬と灰崎、新旧キセキの世代が準々決勝で激突するのであった。
相手の技を「奪う」灰崎
灰崎の得意なプレースタイルは、黄瀬と似て相手の技を奪うというもの。
しかし厄介なことに、一度見た技のリズムやテンポを自己流にアレンジして真似るため、相手は無意識にリズムを崩してその技を使えなくなってしまうという。
文字通り技を「奪う」灰崎を相手に、黄瀬はどう戦うのか…。
【19巻のまとめ】
火神がゾーンに突入、終盤には木吉の再投入もあり、誠凛が本気モードに入った陽泉との激しい点の取り合いを制して準決勝へ進出した。
準決勝の相手は黄瀬擁する海常と、キセキの世代の元メンバーである灰崎擁する福田総合の試合の勝者。
相手の技を「真似る」黄瀬と、相手の技を「奪う」灰崎の因縁の対決が始まるのだった。
次巻へ続きます。
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