兵庫県に住むキー坊は古武術・灘神影流の継承者で地元の不良や暴走族も敵わない高校生。
ある日キー坊は父・静虎に鍛えられながら様々な格闘家たちとの戦いを通じて奥義を会得していく。
灘神影流と過去に因縁のあるアイアン木場に惜しくも敗れたキー坊だが、その木場もキー坊と年齢の近い格闘家ガルシアとの2度にわたる試合に敗れ、命を落とした。
キー坊は決闘を経て戦友となったキックボクサーのギャルアッドもガルシアに壊され、キー坊はガルシアに激しい敵意を燃やすようになるなか、木場の遺言で開催された「地上最強のホモ・サピエンス」を決めるトーナメント・TDKに出場することが決まる。
ガルシアを始め有名格闘家が一堂に会する大会となり、ガルシアとキー坊が決勝へ進出。
ガルシアの実の父は"怪物を超えた怪物”の異名を持つ男にして静虎の双子の兄である鬼龍、決勝は同じ灘神影流の血を引く者同士の死闘となる。
最後は死力を振り絞ったガルシアのパンチでキー坊が失神、ガルシアが優勝を手にしたが、戦いの中でキー坊が放った奥義・蠢蟹掌が原因で、試合後にガルシアは帰らぬ人となってしまう。
ガルシアを殺めてしまったトラウマを抱えたキー坊の再起を促すため、静虎は灘神影流の里へ戻り長兄・尊鷹が残した伝説を語る。
30年前、ダム建設を巡って激しい対立に決着をつけるべく10年に1度の奇祭・男魂祭りで戦った、灘神影流の継承者にして静虎と鬼龍の兄・尊鷹。
尊鷹は見事に大役をこなし、祭りの乱闘に巻き込まれ重傷を負った鬼龍の命も助けて見せた。
しかしこの弟への愛によって鬼龍は尊鷹に頭が上がらない屈辱を胸に抱え続けることとなり、劣等感を払拭するために尊鷹を殺すことを決意。
つり橋の上での決闘、鬼龍は情けを見せる尊鷹のスキを突いて突き落とし、それ以来尊鷹は行方不明となった。
目的を果たした鬼龍は更なる強さを求めて家を出る一方、尊鷹に起きた悲劇を知った静虎が尊鷹の意志を継ぐのだった。
40巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
鬼龍への復讐を狙う男
ガルシアの死のトラウマからスランプに陥ったキー坊。
そのキー坊の前にある男が姿を現した。
男の名は高阪剛眼。
10年以上の鍛錬で悪魔の右手・魔羅手を手に入れた男である。
高阪はキー坊の顔に死相が出ていることを見抜き、さらに憎き鬼龍の息子と勘違いして道場破りを仕掛けてきた。
すぐに高阪の誤解は解けたが、鬼龍は高阪の師匠に当たる安桐流体術宗家・安桐院 虚毘郎との他流試合で塊蒐拳を食らわせ、師は5年後に死亡。
それ以来高阪は師匠の仇を討つために鍛錬に励み、師匠と同じ魔羅手を手に入れたのだった。
〈鬼龍に復讐したい高阪 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
鬼龍の隠れ道場を襲撃
高阪の話を聞いた静虎は、キー坊を連れて鬼龍にかかわりのある屋敷を訪れる。
〈鬼龍の屋敷を襲撃 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
かつて鬼龍も戦った亡霊をキー坊と戦わせ、自分自身と向き合わせることで再起を促すのが目的だった。
鉄仮面をかぶった「亡霊」の正体は秘術で相手の思考と運動能力を低下させるカバラ拳法の第一人者・アルフレッド・蟇空(バクー)。
〈”亡霊”バクーとの戦い [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
暗闇の中で五感を惑わせながら仕掛けるバクーは催眠術にも長け、決闘の中でキー坊はガルシアのトラウマと向き合うこととなるのだった。
自身のトラウマと向き合うキー坊
催眠状態に入ったキー坊はまるでガルシアと戦っているような錯覚に陥る。
〈ガルシアと戦っているような錯覚に [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
心の中の罪悪感を映し出すようにガルシアの幻影は恨みを口にしながらキー坊を攻めたてる。
動揺しやられる一方のキー坊。
このバクーはかつて鬼龍の圧倒的強さの前に敗れてから鬼龍の下僕となり、鬼龍の隠れ道場と化したこの屋敷を守っていた。
〈心が折れかけるキー坊 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
静虎と高阪がバクー以外の門下生をなぎ倒す一方、バクーに敗北寸前のキー坊。
ところがいよいよ意識が遠のいていくとき、本物のガルシアの霊がキー坊に語り掛ける。
ガルシアの霊が口にしたのはキー坊と戦えたことを誇りに思う純粋な気持ち。
〈ガルシアの霊が語り掛ける [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
目が覚めたキー坊は目の前の相手がガルシアの偽物であることにようやく気付き、一気に反撃。
キー坊はガルシアの”呪縛”ともとれるようなトラウマから完全復活を遂げるのだった。
〈キー坊、完全復活 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
鬼龍の狙いは究極奥義”呪怨”
バクーと手下たちを倒し、奥の間へ足を踏み入れた静虎たち。
そこには全てを読んでいた鬼龍がビデオメッセージを残していた。
鬼龍は静虎の憎しみを煽り、「”呪怨”をものにしたら俺は絶大な力を得ることになる」と告げてメッセージを終える。
〈桐生の狙いは”呪怨” [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
”呪怨”とは灘神影流に伝わる禁断の究極奥義で、あまりにも残虐なため秘伝書からも削除された技。
静虎ですら知らないその技のヒントを得るため、静虎たちは南京町に住み古くから灘神影流とも交流のある陳老師のもとを訪れるのだった。
〈陳老師のもとを訪れる [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
宮沢一族を包む”呪怨”の悲劇
100歳を超えながらボケる素振りもなく、様々な情報に精通する陳老師。
老師は鬼龍が呪怨を狙っていることも掴んでおり、呪怨は「生きたまま地獄の苦しみを味わわせ、子孫にまで影響を及ぼす技」と表現する。
〈陳老師が語る呪怨の真相 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
呪怨は今から60年ほど前、灘神影流史上最強と言われた宮沢鬼一郎が編み出した技で、当時継承権を争っていた実弟の虎二郎にその技を食らわせたのが悲劇の始まり。
鬼一郎は罪悪感から継承権を捨てて中国に渡り、虎二郎が灘神影流を継ぐも子孫は次々と悲惨な死を遂げた。
唯一生き残った虎二郎の息子が金時であり、金時も後継者を育てるために尊鷹・鬼龍・静虎を、そして今はキー坊がいる。
ところがいま、鬼一郎にそっくりな鬼龍が再び呪怨に手を染めようとしていた。
2つに分かれた”呪怨”の秘伝書
鬼龍は新興宗教団体の教祖・天獄を脅迫して大金を用意させ、その金を元手に香港にいる李 牡丹という女性を訪れる。
李一族は鬼一郎の子孫の家系で、呪怨の秘伝書を持っていた。
〈鬼龍が手に入れた秘伝書は半分だけ [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
鬼龍は牡丹を脅迫して力ずくで秘伝書を奪うが、秘伝書は真っ二つに引き裂かれた状態で保管されていた。
鬼一郎と虎二郎が技を封印するために呪怨の秘伝書を2つに分けていたのである。
鬼一郎の方の秘伝書は鬼龍の手に落ちたが、虎二郎の方は虎二郎自身と共に行方不明―。
静虎とキー坊は陳老師から聞いた情報をもとに、虎二郎の遺体を探して修行場だった丹波の山中を捜索するのだった。
〈虎二郎の拠点を探す [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
虎二郎の秘伝書を守れ
山中で偶然深い洞穴を見つけた静虎とキー坊。
奥へ足を進めていくと、そこには即身仏と化した虎二郎の骨と呪怨の秘伝書があった。
〈虎二郎の遺体と秘伝書を発見 [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
一足先に虎二郎のもとにたどり着いた静虎とキー坊。
しかしその頃、鬼龍も陳老師のもとを訪れ、もう片方の秘伝書の在りかを吐かせようとするのだった。
〈鬼龍が陳老師に詰め寄る [高校鉄拳伝タフ 40巻](c)集英社/猿渡哲也〉
【40巻のまとめ】
自身のトラウマと向き合い、ガルシアを殺めてしまった呪いから完全復活したキー坊。
一方、鬼龍の狙いが宮沢一族を悲劇の渦に陥れた究極奥義・呪怨の習得にあることが判明した。
呪怨の秘伝書は封印のために2つに分かれて保管されており、香港の分家にあった半分を鬼龍が奪い取る。
もう半分はその技を身に受けた祖先・虎二郎が持ったまま行方をくらませていたが、静虎とキー坊が古くから交流のある陳老師から情報を得て先に確保した。
しかし鬼龍も陳老師のもとを訪れ、残りの秘伝書を狙うのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
参考これぞリアル系長寿格闘漫画の原点!『高校鉄拳伝タフ』全42巻【ネタバレ注意】
続きを見る