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泣き虫の新米医療ソーシャルワーカーが懸命に患者に寄り添いサポートし始める『ビターエンドロール』1巻【ネタバレ注意】

病気が傷つけるのは「肉体」だけじゃない。だから、「医療ソーシャルワーカー」が必要だ。社会福祉×医療――今の時代を切り取る新医療ドラマ、開幕!主人公・犬飼賢児は新人「医療ソーシャルワーカー」。医療ソーシャルワーカー(通称MSW)は、医師や看護師とは異なる社会福祉の観点から患者を支援する仕事だ。病気やケガを負った時には、様々な問題(お金、仕事、家族…)が浮き彫りになる。MSWは患者が抱える痛みに寄り添い、となりで支える。患者が望んでいることは何か? そのために自分は、病院は、社会は、何ができるのだろう。一緒に答えを探していこう。

(U-NEXT作品紹介より引用)

さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。

泣き虫のMSW

清菖医療大学竜巳病院に就職した医療ソーシャルワーカー(MSW)・22歳、犬飼。

先輩で教育係の馬頭と上司の八木と共に、病気やケガ、その後遺症などから起きる問題や不安に寄り添い、その後の治療や日常生活を送ることができるようにサポートするのが彼らの役目だ。

つまり、社会福祉の立場から患者を支えるということが彼らの仕事。

犬飼は涙脆いというか泣き虫。

患者の話を聞いてすぐに共感してしまい、泣いてしまうところがアダ。

それに対して、馬頭はハキハキと仕事を進めていき、姉御肌な気質。

初対面でいきなり絶対に仕事の邪魔をしないよう釘を刺され、犬飼は緊張するのだった。

脳卒中と働くということ

着任早々、犬飼が担当したのは斉賀という男性。

斉賀は大手IT企業の営業をしているが、脳卒中で倒れてしまい、左半身片麻痺になってしまった。

リハビリをすれば会社に復帰もできそうだが、斉賀は仕事は辞める気でいる様子。

だがそれは本心ではなく、どこか「どうでもいい」というような諦めにも近い口調だった。

MSWの仕事は、患者が望んでいることを引き出し、そのために病院や社会に何ができるかを一緒に考え、サポートすること。

斉賀の病室には会社の後輩が見舞いに何度か訪れていたが、斉賀は普段から病室にはおらず、今日もそれを避けるようにして屋上庭園にいた。

そこで休憩していた看護師に見つかって病室に連れ戻されたところを犬飼が見つける。

犬飼は斉賀に「本当は仕事を続けたいのでは」と思い切って聞くと、斉賀は「続けたくても、続けられないんです」と答えるだけだった。

脳卒中で今までできていたことができなくなった無力感が募り、さらに仕事を引き継いだ後輩が成果をあげても素直に喜ぶこともできない状況の斉賀。

犬飼は馬頭に相談して斉賀の会社を訪問してみることにする。

斉賀の会社では人事担当と産業医が応対し、「解雇はせず、新しいポストを用意する」という会社の考えが示された。

犬飼は「本人の意思を確かめるべきだ」と反発し険悪な空気になるが、馬頭が「病気は真の意味でフェアであり、従業員が病気になった時に個人を尊重した柔軟な対応をすることこそが全ての人の利益に繋がる」とフォロー。

そして、企業の不誠実さをSNSで告発するケースもある、とお灸を据える馬頭。

すると人事担当も斉賀の異動を保留にすることを決めた。

去り際には産業医が追ってきて「あなたの席はちゃんとある。安心して療養してください」と斉賀への伝言を託すのであった。

ハンデを負いながら前を向いて歩き出す

病院に戻った犬飼は斉賀の元へ向かう。

犬飼は斉賀に何か気づけていないことがあるという確信を得たのだ。

すると斉賀は、人の顔が分からなくなっていることを告白。

これは脳卒中による、高次脳機能障がいと呼ばれるもので、斉賀のケースは人の顔が判別できない「相貌失認」だと思われる。

誰にも言えなかった「相貌失認」を打ち明けた斉賀は、ほっとした様子だった。

そして、2人は好きな趣味の話へ。

斉賀は体を動かすことが好きであり、仕事も足を動かして顔を出した分評価されることが何よりの喜びだったことを明かす。

だがもう自分の好きなことができなくなってしまった、自分に裏切られるとは思ってもいなかったと心境を吐露。

犬飼は、涙を流しながら「終わってなんかいない」と斉賀を励ます。

そして、犬飼の紹介で回復期病院に転院し、本格的なリハビリと共に仕事復帰に向けて歩み始めたのだった。

アルコール依存症のママ

犬飼の元へ、急性アルコール中毒の患者の相談が持ちかけられた。

患者は棚橋詩織、一児のママ。

気弱そうだが、急性アルコール中毒で運ばれたのは4回目であり、腕にも全治1週間程度の切り傷を負っている。

だが馬頭は彼女をやけにあっさりと帰すことに。

彼女は立派なアルコール依存症であり、またしかるべきタイミングが来ることがわかっていたのだ。

家ではお酒の缶が山ほど入った袋を押し入れに隠し、ネットでお酒を買うという悪循環に陥っていた詩織。

1週間後に腕の傷の抜糸のため病院に訪れた詩織は、犬飼に酒は飲まないと告げ、犬飼もそれには安心したが、うわべの言葉ではなく「自分で治療する意思を持ってもらうこと」が依存症の治療には大切なのだった。

同じ過ちを繰り返す

詩織は再び酒の誘惑に負け、急性膵炎で再び搬送されてきた。

馬頭は家族面談をすることにし、詩織の夫にアルコール依存症の可能性があることを告げるが、夫は妻の病気をあまり受け入れたくなさそうだった。

詩織もまた、依存症患者の特徴どおり、自分が依存症であることを認められない様子。

依存症は重症化するまで治療を受けないパターンが多い。

詩織も退院をして断酒を決意していたにも関わらず、犬飼の元へ訪れた時にはお酒を飲んでおり、酒を身体に入れないと動けなくなっていた。

夫のいる間は飲まずにいられることを自覚するが、治療ではなくあくまで自分の力で酒を止めようと宣言、以降も犬飼の元へ相談にくるときには酒を飲んだ状態で現れる。

困った犬飼が馬頭にどうしたら治療を受けさせられるかアドバイスを求めると、「自惚れんな」と一蹴されてしまうのだった。

自分では止められないお酒

子供が寝静まったあと、冷蔵庫を漁って酒を飲む詩織。

酒を飲まないと動けない。

だがその姿を夫に見られてしまい、「子供への裏切りだ」と問い詰められる。

「飲みたくて飲んでいるんじゃない。本当にやめたいと思ってる」と弁明する詩織。

子供も目を覚ますなか、夫は「信じられるわけないだろ」と突き放してしまうのだった。

治したい!

夫と言い合いになってしまったと犬飼の元へと訪れた詩織は、「これが病気なら、治したい」とついに治療に踏み切る決意を固めた。

馬頭は、アルコール依存症の治療は、自分が病気だと認めることが大切であることを説明。

そして、断酒会の参加を促した。

詩織は犬飼の紹介で子供をショートステイに預けて参加するが、夫はそれを支える家族会には姿を見せなかった。

断酒会はアルコール依存症本人や家族が集まり、自らの酒の体験を語る場。

ルールは喋りっぱなしの聞きっぱなし。

誰も人の話を否定せず、邪魔もしないのが基本なのだ。

詩織は、周りの体験者たちの話が上手いことに緊張していたが、自分のことを話していくうちに、自分の気持ちを客観的に見れるようになっていく。

その頃、詩織の夫は断酒会の会場前に来ていたが、妻がアル中であることを自分が責められるのではないか、と踏みとどまっていた。

そこに金歯のアルコール依存症の男性が現れ、「断酒会に遅刻した人?俺とプチ断酒会しない?」と声を掛けられた。

夫は男性の体験談を聞いてアルコール依存症の怖さを痛感し、今度は詩織と断酒会に一緒に行くことを決意。

詩織も本当は話したいことがたくさんあり、夫に聞いてもらいたかったという本音を打ち明けた。

その後、詩織はママ友もでき、精神科の薬も効いている模様。

夫も病院に付き添って支えており、順調に治療に取り組んでいるのだった。

生活保護と無保険者

犬飼の元へ新しい相談者が現れた。

仲吉吾郎、68歳。

仲吉は無保険・無年金で入院してきた。

娘と息子は仲吉の治療費を払うことができない、と犬飼と馬頭の元へと泣きついてきた。

仲吉の病気は多発性骨髄腫、血液のガン。

馬頭と犬飼は仲吉に生活保護の申請をすることを提案。

資産を整理して借金を返済し、生活保護を受けて治療する方向で進めようとしたが、仲吉が拒否したため話が流れてしまった。

そのため当面の間は無料低額診療で対応して医療費をゼロにすることにせざるを得なくなった。

息子から明かされる父の姿

仲吉が生活保護を受けたくない理由を探るため、息子・大悟から話を聞く犬飼。

仲吉はタクシー運転手で、家にいてもずっと腰が痛いと寝ていて不機嫌だったようだ。

大悟からするといい思い出がなく、大悟は真面目に働くのが馬鹿馬鹿しいと詐欺に手を染め、2年半実刑を喰らってしまった。

仲吉からは勘当されてしまった大悟は、それから一度も話していないという。

大切なハンカチ

犬飼は大悟の話を聞き終わったあと、仲吉の元へと向かった。

いつも話すことといえば、天気予報の話くらいだが、この時は違った。

犬飼は直接、仲吉の口から話を聞こうと決意したのだ。

そして、仲吉がいつも右手に持っているハンカチに気がつく犬飼。

何か大切なハンカチであることが伺われた。

相手のことが知りたい!

「その人のことを知らなきゃ何もわからない」と考えた犬飼は、仲吉の自宅へと向かい、掃除を手伝うという口実で娘に自宅の様子を見せてもらうことに。

自宅は確かにボロいが、部屋の中は大変綺麗にしていた。

仲吉の妻も8年前にガンで亡くなっていた。

犬飼は、部屋の中に編み物の毛糸があることに気がつく。

どうやら亡くなった妻の趣味で、仲吉がずっと右手に握っていたハンカチも妻が作ったものだった。

犬飼は「生活保護を拒否したのは、夫婦が一生懸命に生きてきた証である家を手放したくないから」だと気づくと、仕事中の大悟を病院へ呼び、「子供の気持ちも大切だ」と親子の会話を促す。

そして大悟は仲吉の元を訪れ、ようやく本音を打ち明け合った親子は和解。

仲吉も無事、生活保護を申請する気になったのだった。

【1巻のまとめ】

泣き虫なMSW・犬飼と先輩の馬頭。

MSWの仕事は、患者が望んでいることを引き出し、そのために病院や社会に何ができるかを一緒に考え、サポートすること。

脳卒中で人の顔がわからない相貌失認となった患者に対しては、仕事を続けたいという本音を引き出し、会社訪問を行って復職をサポート。

アルコール依存症の患者に対しては、自分が依存症であることを認めることが第一歩であることを説明し、家族も巻き込みながら断酒会での治療を支援。

無年金で無保険ながら入院となった患者に対しては、家族とのわだかまりを解きながら生活保護を受けて治療を継続する決意を固めるのを見届けた。

次巻へ続きます。

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