売れない漫画家・藤沼悟は、「再上映（リバイバル）」と呼んでいる特殊能力を持っていた。
リバイバルは自分の意思とは関係なく発動し、直後に起きる「悪いこと（事件・事故など）」の原因が取り除かれるまで、その直前の場面に何度もタイムリープしてしまうというものだった。
能力が発動しても周囲で起きるトラブルが回避されるだけで、大半は悟にとってプラスにならない結果となるため、能力に不満を持ちながら、ピザ屋のアルバイトをこなす日々を過ごしていた。
ある日、ピザの配達中に起きたリバイバルの結果、児童が交通事故に遭うことを未然に防いだ悟は、代わりに自身が車にはねられ二日間入院することになる。
これを機会に、見舞いに来たピザ屋の同僚・愛梨と親しくなり、また事故の知らせを受け上京した母親・佐知子がアパートで共に暮らし始めることになる。
後日、佐知子との買い物中にリバイバルが発生、このとき子連れの男と目を合わせたことで佐知子は誘拐が未然に防がれたことを確信する。
佐知子はその翌日、1988年に北海道で起きた連続誘拐殺人事件の真犯人と同一人物であることにも気付くが、悟に伝える前に何者かに殺害される。
悟はアパートで遺体を発見後、リバイバルで佐知子の殺害を阻止しようと強く念じたところ、それまで経験したことがない長期間のタイムリープにより1988年に戻ることになる。
果たして悟は過去を変えることができるのかー。
それでは１巻のあらすじを振り返ってみましょう。
リバイバル
漫画家の藤沼悟はヒット作に恵まれず、宅配ピザのアルバイトをして生計を立てている。
悟には再上映（リバイバル）と呼んでいる不思議な力があった。
いつも「悪いこと」が起きる直前に、その「悪いこと」の原因を突き止め回避するまで、数分間を何度もタイムリープして繰り返すのだ。
その日はトラックの運転手が気を失い危うく子供を轢くところだったが、防ぐことに成功した。
しかしその代わりに悟がトラックと衝突してしまい、病院に運ばれる。
片桐愛梨
悟が病院で目を覚ますと、事故現場に居合わせた同じアルバイト先の女子高生、片桐愛梨がいた。
人付き合いが苦手な悟は今まで愛梨とも親しくなかったが、愛梨は気さくに話し掛けてくれた。
悟と愛梨は今までより少し距離が縮まった。
ユウキさん
悟が退院して自宅に戻ると、母の佐知子が食事を作りながら待っていた。
佐知子はしばらく悟の部屋に住むと言う。
テレビで誘拐のニュースを見て、佐知子は悟が小学生の頃に起きた連続誘拐事件を思い出した。
誘拐事件の最初の被害者は、クラスメイトの雛月加代だった。
小学生ばかりを狙ったその事件の犯人として逮捕されたのは、悟がユウキさんと呼び親しくしていた男性だった。
愛梨とのリバイバル
悟と愛梨がアルバイトからの帰り道を歩いていると、リバイバルが起きた。
悟は原因を探るため、解体工事中の怪しげなビルに入った。
上の階から小学生が落下してくるのが見え、悟は焦る。
愛梨と悟は間一髪で子供を抱きとめ、救うことに成功した。
蓋をした思い出
悟は小学校時代のことを思い出していた。
悟はユウキさんから教わった通りの人気者を演じることで、友達が出来るようになった。
いつも一緒にいたケンヤ、オサム、カズ、そして誘拐事件で亡くなったヒロミ。
当時佐知子や他の大人は悟を守ってくれたが、悟はヒロミを救えなかったことを後悔していた。
悟はユウキさんが逮捕されてからも、辛い記憶を思い出さないようにしていた。
誘拐未遂
悟が佐知子とショッピングセンターの駐車場を歩いていると、またリバイバルが起こった。
３度目のリバイバルで佐知子は子供を誘拐しようとしている男に気が付いた。
男も佐知子に見られていることに気が付き、誘拐は未遂となりリバイバルは終わった。
佐知子はその男を過去に見たことがあった。
記憶を整理するうち、過去の連続誘拐殺人事件で一度容疑者から外したある男の記憶が蘇る。
佐知子はユウキさんが真犯人ではなかった可能性に気付くが、相手も佐知子のことを認識し、既に凶行を画策しているのだった。
佐知子殺害
悟がアルバイトから帰ると自宅で佐知子が殺害されていた。
悟は犯人を追いかけるが取り逃がしてしまう。
悟は佐知子に姿を見られた誘拐犯が殺害したのだと確信する。
警察は怪しげな様子の悟を疑っていた。
犯人を見つけるためには逮捕されるわけにはいかない、悟はリバイバルが起きることを強く願った。
目を開くと１９８８年の冬、悟は小学生となって美琴小学校の前にいるのだった。
【１巻のまとめ】
藤沼悟にはリバイバルというタイムリープ出来る不思議な能力がある。
悟の母・佐知子は過去に起きた連続誘拐殺人事件の真犯人と思わしき男が子供を誘拐しようとしているところに気が付き阻止するが、佐知子がその男に殺害されてしまう。
犯人を取り逃がしてしまった悟は逆に警察から容疑をかけられ追われるが、犯人を探るためリバイバルすることを決める。
目を開けるとそこは１９８８年、悟は小学生に戻っていた。
次巻へ続きます。
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