極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、全国の中学3年生のクラスから毎年50クラスを無作為に選び出し、「プログラム」と称する殺人ゲームを実施していた。
プログラムに選ばれた生徒たちはゲームのために確保されたエリアに集団で送り込まれ、生き残りが一人になるまで殺し合いをするのがルール。
孤児院育ちだがいつも前向きで明るい主人公の七原秋也のクラスがプログラムの対象に選ばれ、クラスの42人は修学旅行のバスの中で眠らされ、ゲームの舞台となる島「沖木島」へ送り込まれてしまう。
わけもわからないまま殺し合いの幕が上がり、秋也は幼馴染が想いを寄せていた女子生徒の中川典子を助けつつ前回のプログラム優勝者である川田と協力して仲間を集めつつこのゲームからの脱出を目指すことに。
他方、並外れた頭脳と冷徹さ、身体能力を持つ不良たちのカリスマ桐山和雄が気まぐれで舎弟を殺し、さらに停戦を呼び掛けた女子2人も惨殺、さらにクラス1の悪女である相馬光子も次々とクラスメイト達を殺害していく。
生徒達につけられた首輪は盗聴されているが、秋也の親友である三村は叔父から仕込まれたハッキングの技術などを武器に、合流した親友の瀬戸と協力してプログラムそのものをぶっ壊す作戦を立てる。
しかし三村たちは叔父の形見である爆弾の雷管を切り札に嘉門らがいる分校の爆破作戦を画策するも、桐山に強襲されて命を落としてしまった。
秋也たちも一度桐山に襲われた際に秋也が囮となって川田と典子を逃がし、合流した拳法家で親友の杉村の助けもあって秋也は杉村と共に海に逃れて流れ着いた浜で女子グループと遭遇することに。
秋也と杉村が出逢ったのは灯台で籠城していた女子グループ。
まだ目を覚まさない秋也に対して杉村は再会を誓う意味を込めて投げナイフを1つ預け、片思いの相手である琴弾を探すために再び出立。
その後秋也が目を覚ますが、秋也が皆を騙そうとしている悪魔だと勘違いした女子が食事に毒を盛ろうとしたのが発端でパニックと殺し合いの連鎖が起きてしまった。
結果として女子グループは全員が死亡し、秋也は死んでいった三村や守ることができなかった女子達を弔ってもう誰も死なせないことを決意し、再び前を向いて川田・典子と無事に合流を果たした。
他方、杉村は無事に生き延びていた琴弾を奇跡的に見つけ出すことに成功するも、秋也たちとの合流を目指すところで桐山に襲われ、死闘の末に杉村と琴弾は桐山に殺されてしまった。
光子も桐山によって殺され、残るは秋也たち3人と桐山だけ。
残るは秋也・典子・川田の3人と桐山だけ。
自分たちとは根本的に違う桐山に対しても秋也はまだ、歩み寄ることを諦めないのであった。
14巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
川田の決意と秋也の覚悟
秋也と典子は脱出した後はアメリカへの亡命を希望し、川田は2人の背中を押す。
当の川田は亡命よりもこの国に復讐することを優先している様子であり、いざというときには典子を守ること、自分や典子が傷つけられそうになったときは容赦なく撃つ覚悟を持つことを秋也に念押しする。
復讐や戦争の連鎖を望まずあくまで個人的に国に反撃したいと口にする川田に対し、秋也はこれまで死んでいったクラスメイト全員の想いを背負って生きていくことを真っ直ぐな瞳で語る秋也。
桐山でさえも例外にせずみんながうまく生きられる世界の正しいやりかたを求め、秋也は覚悟を固めるのだった。
桐山とのラストバトルが始まる
定時放送で杉村と琴弾、そして光子が死んだことを知る秋也たち。
動揺する秋也をよそに、川田はいち早く残りは自分たちと桐山しかいないことを悟り移動の準備を開始する。
ところがそこに桐山が現れ、突如として銃撃戦が始まった。
体制を建て直すために逃げながら応戦する秋也たちは自然の塹壕に逃げ込むが、そこには既に桐山が仕掛けたピアノ線のトラップが。
学ランでピアノ線を防御しながら走り抜ける秋也たち。
しかしやられる一方ではない。
川田は島のあちこちに隠していた準備を解禁し、逃走と反撃へと向かうのだった。
カーチェイスしながらの銃撃戦
落ち葉の下に隠していたトタンの板で坂を滑り降り、民家に用意していた車に乗り込んで一気に桐山を引き離しにかかる川田。
しかし田園地帯を走っている間に桐山もすぐさま車で追い付いてきた。
カーチェイスしながらの銃撃戦。
川田のドライビングテクニックで後ろに回って桐山の車のタイヤを撃ち、横転させることに成功する。
すぐさま転がった車に銃撃を浴びせ、車は爆発。
これで敵はいなくなった…。
あとは脱出するだけと思った矢先、近くの民家で別の車が動き出す。
桐山との戦いはまだ終わっていないのだった。
決着が近づく
川田が車で背後を取ったとき、瞬時に桐山は車の外に脱出していた。
再び桐山に追われる展開となり、空の車への銃撃のせいで秋也たちは次第に弾が無くなっていく。
それでも川田にはまだ策がある様子。
以前川田たちが初めて桐山と遭遇した場所へと向かい、そのときに秋也が放置したショットガンを回収する。（※6巻参照）
川田のショットガンによってバランスを崩した桐山の車は激しく横転するが、桐山は車体から身を投げ出しながら撃ち返してきた。
ショットガンで桐山を空中で撃った川田だが、防弾チョッキを着ていた桐山を殺すには至らず、逆に川田は腹を撃たれてしまう。
いよいよ万策尽きたか、そう思われた矢先に再び銃声が。
秋也が放っていたもう1つの銃を拾った典子が意を決して発砲し、その弾丸が桐山の顔に命中したのだった。
杉村からの預かりものが秋也の命運を左右することに
全国的に名を知られた大企業の社長の御曹司として生れたて桐山は、両親の愛と才能に恵まれ、まるで神の子のようだった。
しかし不運な交通事故によって母を亡くし、本人も脳の一部を損傷する大怪我を負ったことで感情や倫理観だけを失い、今やただの殺戮マシーンと化していた。
典子に顔を撃たれながらもまだ撃ち返してくる桐山。
いよいよ追い詰められ、せめて典子の盾になろうと身を屈める秋也は、ポケットにあった杉村からの預りものに気づく。
意識を失いながらも灯台で看護されていた秋也に対し、再会を約束する意味を込めて杉村が委員長を通じて預けていた投げナイフ。（※7巻参照）
典子を守るため、すぐさま秋也はナイフを桐山に向かって投げつける。
杉村の想いが乗ったそのナイフは桐山に届くのか…
【14巻のまとめ】
いよいよ秋也たちと桐山のラストバトルが始まった。
事前に川田が用意していた仕掛けなどを使って戦いを有利に進めようとするも、桁外れの戦闘能力を誇る桐山に徐々に追い詰められることとなる。
銃の弾もほとんど底を尽き、万事休すかと思われたとき。
せめて典子の盾になろうと身を屈める秋也は、杉村から預かった投げナイフがポケットにあるのに気づく。
すぐさま桐山に向かって投げつける秋也、杉村の想いが乗ったそのナイフは桐山に届くのか…。
次巻へ続きます。
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参考「突然ですが皆さんには殺し合いをしてもらいます」映画化もされた衝撃の問題作『バトル・ロワイアル』全15巻【ネタバレ注意】
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