一人を好む高校生の森文太郎は、内向的な性格から同じクラスの宮本に絡まれ、転校初日に校舎の壁をよじ登ることになった。
一歩間違えば命も危ない状況の中で達成し、ロッククライミングの魅力に目覚める。そして、やがてより高い場所を求めて登山にのめりこんでいく。
本作は、登山家の「加藤文太郎」の生涯を題材とした小説作品を「原案」とし、物語をアレンジした漫画です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
殻にこもる転校生の文太郎
横須賀北高校に転校してきた森 文太郎は体格は良いものの、根暗で周囲を拒絶していた。
後ろの席に座った山岳部の宮本が早速絡むも、文太郎は次の授業から早速サボり、1人で屋上へ。
すると宮本は授業を抜け出し、命綱をつけながら校舎を屋上までよじ登って文太郎を驚かせる。
文太郎も下から上まで校舎をよじ登ることができれば、二度と絡まないー。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
宮本の挑発を受け、文太郎が本気になるのであった。
命綱なしで校舎を屋上までよじ登ることに成功
文太郎は命綱もなしに校舎を登っていく。
落下すれば大怪我どころか死の危険まである状況、そして登るよりも降りる方が遥かに難しく、生きるためには登りきるしかない。
文太郎は腕の限界を感じながらも、無我夢中で両脚を広げて突っ張り、腕を休ませる。
そして屋上までは校舎がせりだしていたが、文太郎は渾身の力でその先端に飛び付き、片腕1本でしがみついた状態から身体を引き上げて登りきった。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
その瞬間、文太郎は生きていることを強く実感し、それが登山にハマっていくきっかけとなる。
そしてその様子を見ていた登山部顧問の大西先生は危険なチャレンジをした文太郎を本気で叱りながらも、裏にある高取山の断崖を指して次の目指すべき壁を教える。
一方、文太郎のルートで校舎を登りき宮本は、文太郎を強く意識するようになっていくのだった。
1人での登頂にハマっていく
大西先生は日本でも有数のクライマーであり、宮本も尊敬する人物。
大西先生と宮本から誘われる文太郎だが、それを拒絶し、自らの力だけで高取山の崖に挑戦し始める。
テクニックも装備も命綱も、何もなくただ闇雲に登る文太郎はすぐに落下し、気絶していたところを宮本に助けられた。
「これに懲りたら、もう二度とここには来んなよ」
だがその宮本の忠告に耳を貸すことなく、文太郎は何度も1人で挑んでは落下を繰り返していくのだった。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
文太郎を導く顧問の大西先生
文太郎の手の指は血まみれになっていき、近所の人の通報で駆けつけた大西先生は文太郎をあるところへ連れていく。
そこはボルダリングもできる登山グッズのショップ。
そこでクライミングシューズの大切さを知った文太郎は、大西先生からシューズをもらう代わりにインドアクライミングのコンペに出るよう勧められることとなる。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
そして大会のある次の日曜まで、高取山には近づくなと言い渡されるが、文太郎はすでに山に惚れ込んでしまっているのであった。
インドアクライミングの大会に出場
文太郎はテスト中も高取山の崖をいかにして登るか、そのルートを頭のなかでシミュレーションを繰り返していく。
それはすでに正確なルートを記憶していることを意味しており、天性のクライマーが持つ才能であった。
他方、コンペには気合い十分の宮本のほか、文太郎を気にかける同級生の夕美も応援に訪れる。
会場でまずルールを教わる文太郎。
選手は初めて見るルートに挑戦する「オンサイト」が求められ、壁の下見に与えられる時間は平等に6分だけ。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
そして下見の時間を迎えるが、与えられた壁は想像以上にハイレベルなものなのであった。
驚異的な活躍を見せた文太郎だが…
選手たちが一斉に壁のシミュレーションに取りかかる。
シミュレーションするだけで筋肉が刺激を受け、文太郎も初心者ながら脳内にルートを刻み込んだ。
そして選手たちはまた控室に戻り、順番に競技開始。
1つ間違えば完璧に登ることはできないのがクライミングの面白さであり難しさ。
文太郎は難解なルートが高取山の崖を模していることを見抜き、するすると登っていく。
頂上を目前にして腕が酸欠になり動きが止まりかけるが、自力で回復して再び上を目指す文太郎。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
だが登るのに夢中になるあまり、コンペのルールでもある「カラピナに命綱となるロープを通す」という手順を無視したことで文太郎は失格に。
まるでソロクライマーのような振る舞いを見せた文太郎に会場や大西先生らが驚きを隠せない一方、窓の外にぶら下がりながら観戦していたある若者も文太郎に興味を持つのであった。
「孤高の人」1巻©集英社/ 坂本眞一・鍋田吉郎・新田次郎
【1巻のまとめ】
横須賀北高校に転校してきた森 文太郎は根暗で周囲を拒絶していたが、山岳部の宮本に絡まれたことをきっかけに命綱なしで校舎をよじ登り、それ以来登山にハマっていくこととなる。
顧問であり自身も日本有数のクライマーでもある大西先生は単独で命を投げ出すような危険な登り方をしたがる文太郎を気にかけ、登山の基礎や技術を教えながらインドアクライミングの大会に文太郎を出場させた。
そこで文太郎は初心者ながらも見事なクライミングを見せる。
しかし登るのに夢中になるあまり、コンペのルールでもある「カラピナに命綱となるロープを通す」という手順を無視したことで文太郎は失格に。
まるでソロクライマーのような振る舞いを見せた文太郎に会場や大西先生らが驚きを隠せない一方、窓の外にぶら下がりながら観戦していたある若者も文太郎に興味を持つのであった。
次巻へ続きます。
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