存在をひた隠しにされた集落、猴神村では、死者が蘇る謎の奇病が蔓延していた。
その恐れと畏怖から村は屈強な第三防御壁によって囲まれ、村は禁忌とされた。
村の中では一度死んだ者やそれに一度でも噛まれた者が名前も記憶もなく本能のままに動く「屍遊者」(いわゆるゾンビ)となってしまう。
ある日、村では生きたまま人間を屍遊者に食べさせると、元の人間に戻るという噂を信じた村人がその禁忌を犯した結果、屍遊者が化け物へと進化してしまう。
青年団のトキオたちはなんとかして化け物を討伐することに成功したものの、班長が命を落とす結果に。
村の外では謎の組織が陰謀を張り巡らすなか、トキオは班長から託された謎のモノ(通信機)を手に、班長の示唆した壁の外のことを知りたいと考えるようになるのであった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
神隠し事件が発生
村では村人が神隠しにあったかのように失踪する事件が相次ぎ、トキオは女性の班員である椎名、そして相方の小森に巡回の強化を指示する。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
だがその日、小森は写真機修理屋の店主である柊に現像の仕方を教わる約束があり、柊の店へ。
そしてこの柊こそが神隠し事件の犯人であり、小森は首を絞められて窒息死させられてしまう。
椎名が小森を発見したとき、小森は外傷のない綺麗な姿のまま屍遊者と化していた。
そこを通りがかったトキオと相棒の牧が小森を始末。
絞殺の痕跡があったことから、小森を殺した犯人を探すこととなるのであった。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
神隠しの犯人
柊は同じように絞殺し屍遊者と化した若い女性たちを地下で飼っていた。
美しい姿を保存したいという考えを持っているようだが、遺体の身体は徐々に腐っていくため、新たな女性を探し始める。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
そして今度は店を訪れた椎名に目をつけた。
後日、椎名を言葉巧みに店の奥へと案内した柊は椎名を気絶させ、地下に監禁する。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
地下で目を覚ました椎名は、両手を縛られながらもランタンのガラスを蹴って割り、その欠片で拘束されていたロープを解いた。
椎名はさらに縛り付けられていた屍遊者たちを解放し、様子を見に来た柊に仕向ける。
突然の逆襲に反応できなかった柊は屍遊者に次々と噛まれ、ランタンの火が燃え移り、屍遊者も含めて炎に包まれたのだった。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
再び化け物が誕生してしまう
いったん脱出した椎名が再び地下に戻り延焼がないことを確認する。
しかし屍遊者は死んでおらず、柊を生きたまま食べたことによって再びあの化け物が生まれてしまう。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
複数の屍遊者が癒着したことで動きの統率が取れていないうちに椎名は脱出し、トキオたちに状況を報告。
トキオは青年団全体への情報共有とともに、地下の穴蔵という狭い空間で化け物を倒すべく班を率いて店の中へ突入する。
ところが化け物は班員2人を次々と取り込んでいき、地下から這い出てきたところでそのおぞましい姿が露わとなる。
トキオは1人をしながら化け物を引き付けて外へと退避。
すると、化け物が日の光に弱いという弱点を発見した。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
トキオたちは家に火を放って化け物を丸焼きにしようとするが、火では化け物は死なない。
そうこうしているうちに日が沈んでしまい、トキオたちは団長の指揮のもとで広い場所へ退避、そこで囲んで戦おうとする。
だがここで化け物は予想外の行動に出るのであった。
壁の外へ
化け物はトキオたちに向かうのではなく、防御壁をよじ登り始めた。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
あの化け物が壁の外へ出ればこの村の中が敵視され、物資の配給も無くなる可能性があるー。
トキオは真っ先にナイフを手に壁を登り、化け物を追う。
そしてトキオが化け物に追いつき、壁から引きはがそうとしたとき。
トキオの持つ通信機から「壁から離れろ」という音声が聞こえた。
そして上空から飛行機が飛来し、化け物に強力な液体窒素が浴びせられる。
トキオや壁際にいた団員たちにも液体窒素がかかるなか、化け物とそれにしがみついていたトキオは実験対象としてそのまま捕獲され、壁の外へと収容されるのであった。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
爆撃で村が殲滅…
壁の外では博士の指揮によって屍遊者の研究と実験が進んでいたが、そこで某国が排除に動き、猴神村の爆撃による殲滅が決定される。
博士たちは別の国へと移る手はずを整え、研究データの保存と撤収を開始。
と、ここで無事に息を吹き返したトキオは、通信機ごしに自分たちを助けようとしていた謎の協力者から状況を教わり、猴神村の村人たちを避難させることを決意する。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
トキオは協力者の助けを得て壁をロープで下り、椎名たちと再会。
しかし喜ぶのも束の間、空からミサイルの雨が降り注いでくる。
トキオは何とか生存者たちを青年団の地下房へと避難させて凌いだ。
だが爆発を凌いだ後に残ったのは、焼け野原となった村と大量の屍遊者と化け物の群れ。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
壁の外からは戦闘ヘリや防衛隊の援護が到着し、ミサイルの第二波が来るまでに実験サンプルとして村人たちを回収していく。
逃げ遅れていた椎名も何とかトキオの手を掴み、そのままヘリが飛び立った。
が、血で滑ったために椎名は森の中へと落下してしまう。
「オフヴィレッジ 第三防御壁」2巻©日本文芸社/ボイド
椎名は生きていたものの、たった一人荒廃した村に残されてしまったのであった。
【2巻(完)のまとめ】
村の中で若い女性を拉致・殺害していた村人が青年団の女性団員である椎名を狙ったが、返り討ちにあった。
だがそれがきっかけとなって屍遊者から再び化け物が誕生、その化け物が壁をよじ登って村の外へ出ようとし、それを追ったトキオとともに壁の外の防衛隊に捕獲・収容されてしまう。
そうしているうちに某国がミサイルで村を殲滅することが決まり、トキオは村に戻って村人たちを必死に避難させた。
日本を操る謎の組織も研究続行のためにサンプルである村人たちを回収、ヘリで移送する。
だが逃げ遅れた椎名だけがヘリから落下し、たった一人荒廃した村に残されてしまうのであった。
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