生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。
主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。
そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。
死ねなければ生きるしかないサバイバルが始まり、グループで協力して生活のサイクルができるなか、冬に備えてセイは自分の力で生きるため、1人で山に入り鹿を追うことに。
弓を作り、思考錯誤で挑戦した狩りで鹿を仕留めたセイは、命への感謝の気持ちが内側から湧き上がり、数多の命の上に立ってこの島で生き抜く強い意志を固めた。
さらにこの島に先住している男に出会ったセイは、鹿の肉と引き換えに肉の保存の仕方など生活の知恵と共に1匹の子犬を譲り受け、その子犬「イキル」を猟犬として共に狩りを続け、さらに新たな「リヴ」という名前で前向きに生きることを決意した彼女とも急接近。
そして結束を深めだしたセイだが、サワダという暴君が支配する別のグループから逃げてきたという売春婦のナオを迎え入れたことでサワダに目をつけられることとなり、争いの火種が生まれ、次第に衝突することとなる。
さらに皆を引っ張ってきたカイが裏では弱った者に寄り添いながら死へと誘惑していることが明らかとなり、カイを追放することで一時的に平和な生活が戻ったものの、カイはセイたちのグループの内情をネタにサワダに取り入ろうとする。
そのカイが追放されて数日後、島には新たな未遂者たちが連れてこられた。
そしてサワダ派との争いが激化し、ついに武力衝突が迫る。
生きるために相手の命を奪うしかないのか、悩みを抱えながら戦いが始まるのだった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リョウがリーダーの座を譲る
サワダたちと初めての戦い、守りを固めていたリョウたちは盾と長槍でサワダたちを撃退する。
勝利の余韻に浸るものの、人を殺めたケンには罪悪感がのしかかった。
そんななか、どうしても戦いたくないという思いを曲げられなかったリョウは、率先して戦いの指揮を執ったリュウジ(リュウ)にリーダーの座を譲ることにする。
戦争状態においては自ら戦う強いリーダーが必要―。
皆から異論は出なかったが、強硬派のリュウによって戦いはさらに激化していくのであった。
サワダ派への追い打ちは失敗
翌日、リュウは装備の差で分がある今のうちに相手を叩くべきだと主張し、有志を集めてサワダの集落を襲撃しに行くことを決める。
しかしサワダのグループもカイが防御用の火炎瓶を作り、再戦の準備を着々と進めていた。
そうとは知らずに集落へと襲撃に向かったリュウたちに対し、サワダたちはまず裸の女性を並べて肉の壁にしながら火炎瓶を投げつける。
盾もろとも燃やされ、炎に包まれた若者が命を落とし、さらに奪われた長槍でまた1人が刺殺された。
怖気づいたケンらが逃げだし、リュウもやむなく退却。
命からがら自分の集落へと戻り、援護に来ていたセイたちのおかげで何とか逃げ切ることに成功する。
今度は仲間が殺され、死の恐怖に怯えながらも本格的な戦いに向けて突き進んでいくのであった。
ナオの妊娠が発覚
廃校の守りを固め、いざという時に立てこもって戦える準備を整えながら、リヴを始めとする女性陣も戦力を補えるように弓の練習を始める。
そんななか、戦いに怖気づいたケンはナオを説得して2人で逃げようとするが、ナオはその提案を断った。
このときナオは自分が妊娠していることが発覚し、ケンは自分の子としてナオともども面倒を見るつもりで張り切りはじめる。
しかし当のナオは崖から海へと身を投げ、自殺を図ってしまった。
リョウやミキのおかげで一命を取り留めたナオは、自分のために尽くしてくれる男たちの優しさに触れ考えを改め始める。
だがサワダのグループの男たち3人が偵察でナオのいる病院に近づき、偶然居合わせたレイコも狙われることになるのであった。
サワダ派の斥候を捕虜にする
追手をかわすことができず、屋上に追い詰められてしまうナオとレイコ。
ナオはサワダに捕まるくらいなら飛び降り自殺する覚悟を固めるが、レイコがここで屋上から狼煙をあげ、セイたちに助けを求める。
真っ先に駆け付けたケンとセイが男たちを制圧し、捕虜にすることに成功。
誘拐や略奪を目的として攻めてきた男3人の処遇について話し合うこととなるが、人の命を裁くことが許されるのか、セイたちはまた悩むこととなるのであった。
【9巻のまとめ】
サワダたちとの最初の戦いは退けることに成功するが、殺し合いに否定的なリョウは強硬派のリュウにリーダーの座を譲ることとなる。
リュウはすぐにでもサワダの集落に奇襲をかけるがここは失敗し、いよいよ本格的な戦いの幕が上がった。
ナオの妊娠が発覚するなか、サワダ派の斥候がナオのいる病院に接近。
助けに来たケンとセイが斥候3人を捕虜にするが、彼らの処遇をどうするかという新たな問題に行き当たるのであった。
次巻へ続きます。
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