2074年、宇宙開発により人類は宇宙での生活を可能としていた。
その代償として地球圏には多くのスペースデブリ(宇宙ゴミ)が漂うこととなる。
小さなデブリであっても、宇宙船と衝突すると大きな被害となる。
ハチマキこと星野八郎太は宇宙船購入という夢のために、デブリ回収の仕事をしていた。
ハチマキは宇宙で様々な経験して、もがきながらも夢と仕事に向き合っていく。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。
ロックスミスと星野ゴロー
星野八郎太(ハチマキ)は、デブリ回収作業に従事しながら、
フォン・ブラウン号への搭乗員試験に向けてトレーニングに励んでいた。
突如、フォン・ブラウン号の主任設計者ロックスミスが彼の父、星野五郎を探しに訪れるが、
ハチマキも5年ほど、父と会っていなかった。
その後、ロックスミスから逃げ回っていた五郎が現れ思わぬ再会を果たすが、五郎はロックスミスのスカウトには応じず、地球へもどるつもりだと語る。
一方、フォン・ブラウン号のエンジン実験場での事故が発生し、大勢の研究者が犠牲となってしまう。
だがロックスミスは記者会見で遺族への追悼の意を表しながらも自身の責任を回避し、任務継続を宣言する。
人間性はともかく、ただひたすらに宇宙船に向き合おうとする姿を気に入り、五郎は木星行きを決意するのだった。
新人タナベ
フォン・ブラウン号の搭乗試験を受けることになったハチマキの代員として、 新人のタナベがデブリ回収船クルーに加わることとなった。
引継ぎもかねてハチマキがタナベの指導に当たっていたところに50年前の宇宙葬で放たれた宇宙船員の遺体を回収する任務に直面する。
満場一致で宇宙葬を望んだ宇宙船員の意思を汲み取り宇宙へ戻す流れとなったが、タナベは一人だけ愛がないと反対し、宇宙葬ポッドを奪い取り船外へ出ていく。
「彼を愛する家族がいる、彼は地球へ戻るべきだ」と主張するタナベに対し、宇宙船員なら最期まで孤独であるべきと対峙するハチマキ。
「宇宙は一人じゃ広すぎるのに」とつぶやくタナベに、ハチマキは何も言い返すことができなかった。
このやり取りを聞いていた宇宙船員の遺体の家族は、引き取りを申し出るのであった。
ハチマキとハキム
エレベーターに乗る直前、搭乗員試験に参加しているハキムに声をかけられ、ハチマキはエレベーターを見送る。
その直後、エレベーターが爆発し、乗っていたら命が危なかったことに気づく。
この爆発は、フォン・ブラウン号の木星計画に反対する宇宙防衛戦線の仕業だった。
デブリ回収のクルーが一堂に会した席でまたもや衝突するハチマキとタナベ。
信じるべきは己だけ。愛なんて必要ないと考えているハチマキは、タナベの語る愛と向き合うことができずにいた。
搭乗員試験は続き、2次選考に残った者たちは建造中のフォン・ブラウン号に招待される。同じく選考に残りフォン・ブラウン号に乗り込んだハキムは、選考者の集団から外れ、船内に爆弾を仕掛けていた。
ハキムを発見したハチマキはワイヤーアンカーの射出器を向け問い詰めるが、とうとうハキムを止められず逃がしただけでなく、ハキムの仕掛けた爆弾の爆発に巻き込まれてしまう。
口づけ
宇宙防衛戦線の攻撃が激化する中、フォン・ブラウン号に搭乗がきまっていた五郎も標的にされ、息子ハチマキの部屋に逃げ込んでいた。
そこへハチマキの荷物を届けにきたタナベとハチマキ本人が合流する。
三人は警察を名乗る者たち(宇宙防衛戦線)の攻撃を受け逃走するが、再び見つかり攻撃されてしまう。
五郎の手榴弾により気密が破れて一帯が急激に減圧され、宇宙飛行士の訓練を受けていない宇宙防衛戦線の無力化に成功するが、 一人残っていたハキムが五郎に襲いかかる。
不意打ちによりハチマキは彼を無力化し、前回と同じく銃口を向けて対峙する形となった。もう殺すことに躊躇はなかった。
引き金を引こうとした瞬間、タナベの咄嗟の口づけにより我に返り、戦意を削がれる。
ハキムも抵抗せずに去っていき、この日を境に宇宙解放戦線は活動をパッタリと停止。
そしてハチマキは搭乗員合格通知を受けとるのだった。
絶望の中で
ハチマキと同僚のレオーノフは、木星往還船搭載機で月の周回軌道を航行中に予期せぬフレアに見舞われ、動かなくなった搭載機がデブリと衝突し、月面の未知の場所に墜落する。ハチマキは無事だが、レオーノフは重傷を負っていた。
遺言は?と聞くと、俺がくたばるわけないと一蹴するレオーノフ。
有人通信施設まで40kmの距離を、酸素ボンベの残量を考慮しながら、重傷のレオーノフを担いで歩くしかない。
考えるな。いま必要なのは、自分を突き動かす怒りだけだ。
そう信じていたのに、思い出すのは大切な人たち、そしてタナベの存在だった。
レオーノフは意識が薄れる中で母親に謝っていた。
弱音を吐くレオーノフにハチマキは怒り、走り出していた。
次第にレオーノフは沈黙していき、もうダメかと思ったところで、デブリ回収船が救助に現れ、ユーリとタナベによって救助された。
ハチマキの中で、タナベの存在が大きくなっていた。
宇宙の一部
ハチマキは先日の事故を受けて実家に戻り、一家4人が久しぶりに集まっていた。
レオーノフは事故から一命を取り留め、故郷の病院に入院していたが、レオーノフは木星行きの審査で不合格の烙印を押されていた。
ハチマキはたまたま助かったことを考え、晴れない気持ちだった。
母親に相談すると、「いい宇宙船員の条件は、必ず生きて帰ってくること」と語った。
悪夢にうなされたハチマキは、夜中に目を覚まし、ビールを求めて外出するが、車を避けようとして海に落ちてしまう。
真っ暗な海の中で、先ほどの悪夢の中で言われた言葉を思い出していた。
独りで、生命を謳歌する?本当にそれば俺が望んでいることなのか?
暗闇の中に光が差し込んだ。
孤独な自分を救ったのは、いつもタナベだった。
「タナベ?」
つぶやいた瞬間、体が崩れていき銀河が形成される感覚を覚え、自分が思っていたよりも宇宙はずっと広く、この世の全てのものが宇宙を構成していることを悟る。
【2巻のまとめ】
2075年、自分の宇宙船を持つという夢の足掛かりとして、2078年に完成予定の木星往還船フォン・ブラウン号のクルーを目指すハチマキ。
ハチマキの代員としてやって来た新人タナベ。
目標のため、周りを顧みず突き進むハチマキにタナベは危うさを感じ、考え方の異なる2人は度々衝突することとなる。
だがやがてハチマキにとってタナベは大きな存在になろうとしていた。
次巻へ続きます。
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