薄幸サラリーマン更科二郎が、ひょんなことからロードレースを始めることになりました。
妻が失踪し、娘のふくのも手がかかる存在ですが、自転車に乗っているときだけは何もかも忘れられます。
日本人だけでツール・ド・フランスを目指すヨーコのチームに誘われ、桜島をキャプテンとし、小菅、勇二郎、弾吉が集いました。
監督にはMAX比嘉が就任しますが、黒い過去を抱えており、さらにスポンサーやあと1人選手が足りないなど、ツール・ド・フランスへの道は険しいものとなっています。
そんななか更科は体力づくりのためシクロクロスの修行を開始。
そして正真正銘のプロの走りを目の当たりにすることとなります。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
梶俊一プロの走り
階段を始めとした目の前の障害を自転車から降りることなく突き進み、前を走る選手をすべてなぎ倒しながら走り抜けていくプロ、梶俊一。
〈なぎ倒しながら突進する梶プロ [かもめ☆チャンス11巻](c)小学館/玉井雪雄〉
更科ももれなく梶プロになぎ倒されますが、根性で梶プロにくらいつき、戦いを挑みます。
が、あえなくボコボコにされました。
更科は梶プロの強さに惹かれ、梶プロの率いるチームに参加して一緒に練習することとなります。
〈梶プロに弟子入りする更科 [かもめ☆チャンス11巻](c)小学館/玉井雪雄〉
MAX比嘉の過去
比嘉の抱える過去には語られていない部分がありました。
いち早くヨーロッパに拠点をおき、コネクションを作って実績を積んでいった比嘉。
しかしチームのスポンサーの意向で海外でのレースで勝つことよりも国内のレースに出場することのほうが優先され、比嘉のチームはツール・ド・フランス出場の夢から遠ざかっていきます。
そして3年後にスポンサーの意向で海外レースから撤退を余儀なくされ、比嘉は監督も解雇。
それでも夢を諦められない比嘉はチーム再建のための資金集めとして怪しい商売に手を伸ばし、いつしかそれが本業となってしまっていたのです。
ヨーコはそんな比嘉に当時のチームメイトからの手紙を渡し、再起を促します。
〈ヨーコから比嘉へ渡される手紙 [かもめ☆チャンス11巻](c)小学館/玉井雪雄〉
が、比嘉は自責の念から頑なに手紙を読むことを拒否。
ヨーコは桜島や勇二郎、弾吉に比嘉の過去をすべて話し、信用を回復しようとしますが、当の比嘉が監督から退こうとします。
そして、比嘉が監督を続けるか続けないかの結論を出す前に、「今のチームが実業団レースに勝ったら比嘉は手紙を読む」という賭けをすることとなりました。
梶プロのもとで練習を重ねる更科。
しかし自転車に全力を注ぐ梶プロと会社にも自転車にも全力の更科、2人の生き方が溝となり、ついに梶プロと対等の条件でシクロのレースをすることとなります。
更科が負ければ仕事か自転車のどちらかを捨てる、梶プロが負ければオフシーズンに梶プロの特訓に更科を同行させ、更なる修行をつけるという条件付きです。
〈梶プロから突きつけられる条件 [かもめ☆チャンス11巻](c)小学館/玉井雪雄〉
更科 vs 梶プロ シクロクロスレース
そして更科と梶プロの対決がスタート。
スタート前の位置取りで大きく出遅れる更科ですが、コースギリギリの溝を無理やり走ることで後れを挽回。根性で梶プロについていきます。
なかなか梶プロを抜くことができずジリジリと離されていく更科は、途中で梶プロと自分のタイヤの空気圧や漕ぎ方が違うことに気づき、機材を交換して怒涛の追い上げを見せます。
また、梶プロも対等の条件で戦うために障害を乗ったままクリアすることを許されず、じわじわと体力を削られていきます。
そしてラスト1周で追いついた更科でしたが、勝負はそのまま梶プロの勝ち。
しかし更科の実力を認めた梶プロは、自分のアシストとして更科を育てることを決意し、1か月にもわたる合宿に更科を強制参加させることを決めました。
〈梶プロに認められた更科 [かもめ☆チャンス11巻](c)小学館/玉井雪雄〉
仕事も辞められない更科でしたが、敗者に物を言う権利はなく、合宿でしごかれることとなります。
チーム「BLUE SEAGULL」発足
そして、チームにも朗報が。
半田グループがチームのスポンサーとなることが決まりました。
チーム名も比嘉が昔率いていたチームからもらい「BLUE SEAGULL」とすることになりました。
これで障害はあとは6人目の選手を探すだけとなりました。
【11巻のまとめ】
梶プロとのシクロ対決を経て実力を買われ、更科は梶プロの合宿に参加することとなります。
そしてチームにも念願のスポンサーがつき、「BLUE SEAGULL」として正式に発足しました。
次巻へ続きます。
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