岩砕山での7日間の死闘から1年後、平和を取り戻した早乙女達。
しかし行方不明になった友・宮田を救う為、早乙女は猿の探索隊に加入することになり、総勢20人からなる捜索隊第二班にアドバイザーとして同伴する。
第二班は先行していた第一班の後を追うが、洞窟の中に入った所で何者かが洞窟を崩落させ、生き埋めとなってしまった。
洞窟内では猿に襲われ死者も発生、しかし捜索隊のアドバイザーとして同行している一部の一般人が猿の殺害に強固に反対し、部隊内で衝突が発生。
第一班の生き残りと奇跡的に合流することができたものの、生き残っていたのは宮田、高橋の部下である内閣調査室の叶、三浦モンキーランドの職員である女性アドバイザーの葉山、そして数年前に起きたリョウちゃんねる事件の生き残りで猿への復讐心を燃やすシマという若者の4人のみ。
探索を進める一行は地底湖でライトを持つ敵側の人間や魔猿、そして新種の猿と子猿の大群に襲われ、東隊長を含む数名が犠牲となってしまう。
残りの生存者は11名、ライトや武器などの物資は残り少なく、新隊長となった千葉は素行が悪く冷静さに欠ける様子。
隊の統制が綻びはじめるなか、千葉は高橋や赤崎の反対を押し切るように、仲間の敵討ちのために猿たちとの戦争開始を宣言する。
千葉の横暴で部隊内の衝突が決定的なものとなり、ついに隊員たちと民間人たちが決別。
猿の保護を優先し妨害工作で足を引っ張ろうとする赤崎や、正体を偽っていた高橋と要注意人物と共に行動することとなった早乙女たち民間人組。
しかし偽高橋が離脱する際に大声を出して子猿の群れを呼び寄せ、絶体絶命のピンチとなるのであった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
優しい隊員が援護に駆け付け難を逃れる
次々と襲い掛かってくるサルの群れに必死に対抗する早乙女たち。
死んだ猿の身体に他の猿が群がって共食いを始めた隙に脱出を試みるも逃げられない。
しかしその窮地に下柳が救助に駆け付けた。
東隊長からの「早乙女たちを守れ」という命令を忠実に守るため、そして自分の中に潜む恐怖に打ち勝つため、たった1人で駆け付けた下柳。
そのおかげで猿の群れを撃退し、早乙女たちは難を逃れるのであった。
新種の猿と対峙
その先にどこからか風が吹いており、地上に通じている可能性があることを下柳から告げられ、脱出に希望の光が差す。
ところがその矢先、猿たちの怯えるような鳴き声と共にダブルマッスルが姿を現した。
山刀の刃を跳ね返し、さらに怪力でシマを吹き飛ばしたダブルマッスル。
下柳は幼いころから体格に恵まれて空手や格闘技を習い喧嘩無敗だったが、薬物中毒者との喧嘩の際に正気を失った相手の眼に恐怖を覚えて初めて負け、それがトラウマとなっていたが、ダブルマッスルの眼がそれと重なる。
威嚇されて足を滑らせた宮田が猿の群れの近くに滑落し早乙女が救護に向かうなか、下柳は恐怖を克服するためにダブルマッスルに立ち向かうのであった。
新種の猿との戦いに勝つが、隊員も死亡…
ダブルマッスルにパワーで圧倒され、耳をちぎられた下柳。
ナイフも刃を折られピンチに陥るが、シマが近くに落とした山刀を武器に恐怖を振り払い、暗闇での総合格闘技の技術で対抗する。
そして重傷を負いながらも死に物狂いの寝技でダブルマッスルを締め落とし、戦いに勝利。
しかし勝利の余韻に浸っていたところで背後から山刀を持った赤崎に刺されてしまう。
猿の被害を最小限に抑えるため、脅威となる下柳を排除することを決意した赤崎により、下柳も殺されてしまうのであった。
崩落で子猿の群れから逃げおおせる
一方、多数の猿に囲まれ絶体絶命の状況となった早乙女と宮田。
宮田が死を覚悟するが、最後まで諦めない早乙女は宮田と2人がかりで脆い岩を蹴り飛ばし、洞窟の崩落を引き起こした。
地鳴りと共に崩落が発生。
運よく早乙女と宮田は押しつぶされることなく生還し、猿の群れから逃れることに成功した。
赤崎はそのまま倒れているシマも猿の敵として殺そうとしていたが、2人が戻ってきたことで思いとどまり、ダブルマッスルと下柳が差し違えて相打ちになったと説明する。
生き延びるために下柳の遺体から服やブーツ、装備を拝借し、脱出口を探して先へ進むこととなるが、シマは下柳の遺体にあった刺し傷から赤崎に刺されて殺された可能性に勘づくのであった。
自衛隊員というのも嘘?アウトロー軍団の噂
先へ進むと確かに洞窟の中に風が吹いているのを感じる。
さらに分岐には先に通ったと思われる千葉たちが石で残した矢印のマーキングも発見。
千葉たちのことを手放しで信頼できず罠の可能性も考慮してどちらに進むか判断を迫られることとなる。
シマは下柳の遺体に認識票が無かったことから、千葉たちが正規の自衛官ではなく、元自衛官で構成される傭兵軍団ではないかと推理。
自身が刑務所に服役している頃に聞いた「Aチーム」というアウトローな部隊の噂とも合致する。
となれば、内閣調査室の高橋たちも身分を偽っており、この探索も調査ではなく猿を生け捕りにして高額で売り飛ばすことが目的である可能性が高い。
騙されたことを悟り怒りや絶望が沸き上がるなか、いよいよ所持していたライトが消え、残りは腕時計のLEDだけが頼りに。
進むべき道はどちらか、決断のとき。
葉山は現在時刻が早朝であることを考慮すると外気温の方が低く、洞窟から外へと風が流れると分析した。
風下となる方角は、千葉たちが残した矢印の方向とも一致する。
早乙女は葉山を信じ、後戻りの効かない決断を下して先を急ぐことにするのであった。
光の差す鍾乳洞に到達
進んだ先には千葉たちが殺したと思われる猿の遺体もあった。
しかしここでシマがあることに気づく。
それは、魔猿と比較すると目の見えない猿が異様に弱いこと、そしてなぜそもそも盲目なのかということ。
病気か、はたまた何者かがあえて猿の眼を潰しているのか―。
新たな謎が浮かび上がるなか先を急ぐが、腕時計のLEDも残りわずかとなり、さらに朝を迎えたことで外気温との差も解消され、風が止んでしまった。
絶望の淵に立った早乙女たち。
ところが目を凝らすとどこからかわずかに明かりが差し込んでいることに気づく。
早乙女は上から陽の光が差す開けた場所に辿り着くことができたが、そこは鍾乳洞になっていたのであった。
【5巻のまとめ】
一般人を見捨てられなかった隊員の下柳が援護に駆け付け、そのおかげで難を逃れた早乙女たち。
下柳は新種の猿との激闘の末に退治するも、赤崎に背後から刺されて命を落としてしまった。
赤崎に疑いの目が向くも証拠はなく、また下柳たちも認識票が無かったことから本物の自衛隊ではなくアウトローの傭兵軍団である疑惑、ひいてはこの捜索の依頼主である高橋たちの身分も怪しい。
信じられるのは誰かもわからないまま、洞窟の先へと進むしかない。
そして腕時計のLEDも尽きかけようとしたとき、早乙女たちは陽の光が差す鍾乳洞に辿り着くのであった。
次巻へ続きます。
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