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前巻はこちら追い詰められた春日と仲村、崩壊寸前の夏『惡の華』6巻【ネタバレ注意】
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6巻のラストで「全てを捨てよう」と決意した春日と仲村。
7巻では、あの夏から時が経ち、新しい土地で高校生活を送る春日の姿が描かれます。
過去の傷を抱えながらも、一人の女子高生との出会いが春日の心に小さな光をともし始めます。
今回は第7巻の内容と見どころをネタバレありで紹介します。
計画の思わぬ着地
夏祭り会場のやぐらに登った春日と仲村は、頭から灯油を浴び、一緒に考えた最後の言葉でこの世の中への罵倒を叫びます。
そして意を決して春日が「行こう」と仲村に呼びかけてライターに火を着けようとした時、仲村は春日からライターを奪い取り、春日をやぐらから突き落としました。
「私はひとりで行く」と告げて1人で火を付けようとした仲村も、やぐらに駆け付けた父親によって取り押さえられてしまいます。
結局、2人とも周囲を騒がせたもののこの世に別れを告げることができず、計画は失敗に終わりました。
新しい土地での高校生活
あの夏祭りの事件から時が経ち、春日は家族とともに地元を離れ、埼玉県の団地で暮らしています。
埼玉県立高校の2年生となった春日は、友人からカラオケに誘われます。
最初は気が進まなかったものの、春日は誘いに応じます。
しかし男女4人ずつで行ったカラオケでは何も歌えず、完全に浮いた存在となってしまいます。
一人寂しく帰宅する途中、一人で歩く女子高生とすれ違った春日は、仲村の面影を感じて思わず駆け寄ります。
しかしその人は仲村ではありませんでした。
過去の記憶に縛られたまま新しい日常を生きる春日の姿が、静かに、しかし確かな重さで描かれています。
古本屋での偶然の出会い
数日後、春日は帰り道に不良と揉め、顔に傷を負ってしまいます。
失意のまま歩いていると、偶然古本屋を見つけます。
店の中を覗くと、先日カラオケで一緒だった別のクラスの女子・常盤が、ボードレールの『惡の華』を手に取って眺めていました。
春日はこれまで常盤と話したことがなかったにもかかわらず、思わず興奮して話しかけます。
常盤に「本が好きか」と尋ねられた春日は、中学生の頃にたくさん読んでいたが今は読んでいないと答えます。
すると常盤は、本を貸してあげると約束してくれます。
『惡の華』という一冊の本が二人を結びつけるこの場面は、1巻の春日を思い起こさせる、象徴的なシーンです。
本の貸し借りから始まる交流
翌日、常盤は小説を2冊持参して春日に手渡します。
そして「自分にも面白い本を貸してほしい」と頼みます。
本は全部捨ててしまったと答える春日に、常盤は「明日までにタイトルだけでも教えて」と言い残して去ります。
その夜、春日は借りた本を読み終え、面白いと思った本のタイトルをメモに書き出します。
翌日それを常盤に渡すと、常盤は「にゃははは」と笑いました。
その笑い方が、春日の中で仲村の面影と重なります。
仲村の記憶が常盤に投影される瞬間は、春日がいまだ過去に囚われていることを静かに示すと同時に、新しい関係の芽生えを予感させる、この巻の大きな転換点でもあります。
常盤の部屋、そして彼氏の存在
本の貸し借りを重ねるうちに、二人の距離は少しずつ縮まっていきます。
ある日、春日に貸す本を家に忘れてきた常盤と一緒に、春日は常盤の自宅へ向かいます。
常盤が男子を自分の部屋に招くのは初めてで、交際中の彼氏でさえまだ呼んだことがないと話します。
部屋に入った春日が目を奪われたのは、壁一面に並ぶ大量の本棚でした。
本棚を眺めていた春日は、そこに一冊のノートを見つけます。
それは常盤が書いている小説のプロットでした。
「見せてほしい」と頼む春日に、常盤は恥ずかしそうにノートを手渡そうとします。
しかしその瞬間、常盤の携帯が鳴ります。
彼氏からの着信でした。
常盤の彼氏が家の前まで来ており、常盤はそれを春日に告げます。
甘い雰囲気が突然遮断されるこのラストは、常盤をめぐる関係の複雑さを予感させます。
【7巻のまとめ】
7巻は、激動の中学時代から一転して、穏やかでありながらも心の傷を抱えた春日の高校生活が丁寧に描かれています。
常盤という新キャラクターの登場により、物語は新たなフェーズへと入ります。
本という共通の趣味を通じて少しずつ近づいていく二人の関係は、1巻の頃の春日と佐伯の関係性を思い起こさせながらも、全く異なる質感を持っています。

次巻へ続きます。
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