薬害事件を起こし、新社長のもと結束を高めるために登山レクリエーションに来ていた藤谷製薬の社員たち40名。
しかし初日の夜、新入社員の早乙女はナタを持った大猿を目撃し、社員4人が殺害された。
その後も続く猿の襲撃によりさらに18人が犠牲となる。
山の険しさと共に増していく疲労と、追い詰められる精神。
一方で自分が助かることだけを考えている飯塚は藤柴を言いなりにして同盟を結ぶ。
日没が迫り野宿を決行した岩山では今度は辻が撲殺されているのが見つかるが、その死体は社内の人間の仕業ではないかという疑念が広がる。
何とか山頂から山小屋にたどり着いた早乙女たちだが、先回りしていた魔猿によってさらに数名が犠牲になった。
山小屋にあった食糧にも毒が仕込まれており、社長も死亡。
早乙女たちは魔猿の協力者を炙り出すための罠を仕掛け、その罠にかかった氷室を安斎が拷問にかける。
しかし氷室が早乙女の名前を口にしたことで拷問の矛先は早乙女にも向いてしまう。
暴走し始めた安斎による拷問がヒートアップしていくところに、今度は再び魔猿が姿を現すのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
早乙女の追放
小屋の外に魔猿が出たとあり、安斎が入り口を固める。
その隙に宮田をはじめ安斎の凶行に反対する者らは早乙女を逃がすために拘束を解いた。
表立って早乙女を助けることができないため、宮田たちが選んだのは「早乙女を追放すること」。
また外に出た魔猿は林がフードを被って偽装していただけのフェイクであった。
早乙女は同じく居場所のない氷室を連れ出そうとするが、氷室が騒ぎ出したために已む無く早乙女は1人山小屋を出た。
〈早乙女を逃がす [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
拷問されたときの裸足の格好のまま放り出された早乙女は、寒さに耐えながら身を隠す。
山小屋の中では宮田が早乙女の過去について語り、悪人ではないことを強調し、いったんは落ち着きを取り戻す。
しかし本物の魔猿が山小屋に忍び寄っていた。
魔猿に気付いた早乙女は身を挺して挑みかかり、宮田たちの目の前で魔猿と共に崖から転落していくのだった。
〈魔猿を道連れに転落 [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
生存者と合流する早乙女
夜が明け、目が覚めた早乙女。
高い崖から落ちたが、奇跡的に無事かつ、矢ノ口落としで行方不明になっていた田中と合流することができた。
〈田中と合流 [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
魔猿の姿はすでに無く、早乙女と田中は水や食料の確保のために再び上を目指す。
八木兄妹との出会い
山小屋で救助を待つ一行の前に一般登山者の八木 満・薫の兄妹が現れる。
〈八木兄妹との出会い [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
2人の姿を見て救助隊が来たと喜ぶ一行だったが、警察への通報を恐れた氷室が取り乱して満の持っていた衛星電話を崖下に落としてしまう。
振り出しに戻ってしまったところで八木兄妹にこれまでの状況を説明すると、社員一行の捜索願がまだ出ていない、つまり社内にいる猿の仲間が情報を攪乱している可能性が浮上する。
〈助けは来ない [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
一行が絶望する一方、何度もこの山を訪れている八木兄妹は淡々と死体を分析し、救助を呼ぶために協力することとなった。
宮田らが安斎派と決別
山に慣れている兄妹の足でも下山できるのは翌日の夕方であり、助が来るのは早くて2日後。
兄妹の車や装備がある石ノ平中峰駅を目的地として、明朝の出発に備えることになった。
しかし、裏切り者がいるかもしれない中でじっと助けを待つのを嫌った宮田は1人で山小屋を出ようとする。
林や長谷川、岡島も宮田に続き、4人は宮田派として安斎たちと決別。
〈宮田らが安斎と決別 [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
八木兄妹のアドバイスをふまえて装備を整え、下山ルートの途中にある三ツ倉小屋を目指すこととなった。
その日中に出立した宮田らは順調に歩みを進めるが、難所である岩砕山が行く手を阻むようにそびえたつ。
下山ルートを目指すために急な崖を慎重に下る4人。
その頃、早乙女と田中は宮田たちとすれ違うように崖を登り切り、山頂の稜線にまで到達した。
宮田の履いている川口の足跡とそれを追うように続く猿のものと思わしき血痕を見て、早乙女は田中と別れ山小屋ではなく宮田たちの後を追うことに決めるのだった。
〈宮田を追う早乙女 [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
宮田らの背後に迫る魔猿
急な崖を設置された鎖に捕まりながら進む宮田たち。
と、いつの間にか最後尾にいた長谷川がはぐれ、魔猿が3人の後ろから迫る。
〈背後から魔猿が迫る [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
慌てた岡島が転落しかけてしまったところに魔猿が投石で岡島に追い打ちをかける。
この絶体絶命のピンチに早乙女が追いつき、再び魔猿と対峙するのだった。
〈早乙女が追いついた [モンキーピーク 3巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
【3巻のまとめ】
早乙女の無実を信じる宮田らによって早乙女は山小屋から身一つで脱出。
早乙女は山小屋に迫っていた魔猿に一矢報いて崖の下に転落するが、奇跡的に一命をとりとめ、さらに行方不明になっていた田中と合流して再び尾根を目指す。
他方、山小屋には一般登山者の八木兄妹が訪れ、救助隊が出動していないことと社内に内通者がいることが浮き彫りになる。
絶望する生存者たちは分裂し、宮田ら4人が安斎と決別して別の小屋を目指すことに。
しかし道中の難所で背後から魔猿に襲われてしまうのだった。
次巻へ続きます。
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