国内有数の家電メーカーであるENOKIグループの令嬢・榎加世子を拉致監禁していた男が逮捕されてから7年、榎は高校教師の尾藤と出会い、「朝食会」という遺族の復讐支援団体に新たな入会者としてスカウトされる。
自分の家に一家乗っ取りを企む犯罪集団である榊一家から2人の刺客の魔の手が迫っていることを知った榎は、尾藤が朝食会としてその2人を始末したことを機に朝食会への入会を決意した。
そんなある日、榎の友人の沙映が交際相手に弄ばれ、集団暴行事件にも巻き込まれて自ら命を絶ってしまった。
復讐依頼はないが、個人的にその無念を晴らすために動き出した尾藤。
だが2人の刺客を消されたことで榊一家が朝食会に目を付け、尾藤は復讐を完遂する前に榊一家に拉致されてしまう。
尾藤は榊一家によって集団リンチを受け、命は取り留めたものの無惨な姿で意識不明の重体となってしまい、榎がその意思を引き継いで沙映の無念を晴らした。
榎一家とも付き合いのある間宮パールのお家騒動で家の乗っ取りを生業とする榊一家と不破一家が潰し合った一方、意識を回復した尾藤はかつて妻とお腹の子を殺されたことがきっかけで朝食会に入ったことを明かし、その犯人である溝口への復讐が悲願であることを明かす。
その溝口は出所を迎え、鈴江と行動を共にしながら朝食会への復讐を狙う悪徳弁護士の阿久津が溝口に接触。
反省の色なく新たな罪を犯していく溝口を利用し、阿久津は朝食会に次々と攻撃を仕掛けてくるのであった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
阿久津の工作で榎が朝食会内部で孤立していく
目の動きでパソコンを動かせるような特殊なコンタクトレンズを使い情報収集に精を出す尾藤。
だが朝食会の動きはどこから漏れてしまったのか、阿久津の事務所に踏み込んでも既にもぬけの殻だった。
一方、朝食会では阿久津と溝口の工作によって会員である三上の名前と顔がSNSで晒され、他の会員に対しても次々と嫌がらせや襲撃が相次ぐ。
阿久津は「恨むなら榎を恨め」などと言いふらして朝食会の中での怒りの矛先が全て榎に向くように仕掛けており、榎はまんまと孤立していく。
そんななか、新たな会員として入会した峰が実は榎を尾行していたことを明かし、榎の潔白を証明。
だがそんな折、阿久津の事務所の住所が判明する。
そしてそこの写真にはなぜか峰の姿が映りこんでいるのだった。
新たな入会者・峰の過去
峰は妹がピアノの家庭教師から性的虐待を受け、妊娠と中絶を経て引きこもりとなった過去を持つ。
峰は妹の話し相手としてケアしていたが、自分に交際相手ができると妹のケアがおろそかになってしまい、妹は母親によって自殺に追い込まれてしまった。
峰は妹を守ることができなかった贖罪のために朝食会に入会したのだと榎に打ち明ける。
だが言葉巧みに榎に近づいていく峰の正体は、阿久津によって送り込まれた内通者。
峰は亡き母親への倒錯した愛を抱える阿久津と肉体関係にあり、妹の死に関連して弱みを握られていたのである。
阿久津は峰を通じて、尾藤の居場所を特定しようとしているのであった。
峰の内通、溝口を確保
内通者が榎をターゲットにしていることに気付いた東京支部長は、わざと尾藤の居場所を餌にし、峰が内通していることを確信する。
焦る峰は尾藤の居場所を強引にでも聞き出すため、榎を妹との思い出の地でもあるドリームランドへ誘い、遊び疲れたところでホテルへ連れ込んだ。
朝食会側は三上が事前にそのホテルへ通ってマスターキーを入手しており、あとは峰と榎のいる部屋に踏み込めば峰を確保することができる。
だがそこには先に溝口が待ち伏せしており、ドアの内側に家具がおかれてドアノブが回せないようにされてしまう。
三上が踏み込むことができないまま、溝口が力ずくで尾藤の居場所を吐かせようとするが、榎はなかなか口を割らない。
そして溝口がいよいよ榎を殺してもおかしくないほどにエスカレートし始めたとき、榎のことを大切な妹とダブらせた峰が溝口を止めに入る。
峰は太ももをナイフで切られ窮地に陥るがそこで力ずくで部屋に押し入った三上が加勢、最後は榎がスタンガンで溝口を気絶させ、溝口を確保した。
峰は内通していたものの、榎は峰を見逃す。
しかし峰は逃げる前に阿久津によって見つかってしまうのだった。
【6巻のまとめ】
阿久津は自分が弱みを握る峰という若い女を朝食会に潜入させ、母の仇である尾藤の居場所を探ろうと画策する。
榎は峰の内通によって溝口の潜むホテルに軟禁されてしまうが、朝食会の援護や榎と絆が生まれ始めていた峰の心変わりによって溝口を確保することに成功。
榎は助けられた礼を込めて峰を逃がすが、峰は逃げる前に阿久津によって見つかってしまうのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
参考犯罪被害者の家族に寄り添い復讐を支援する組織の会長・榎加世子の過去に迫るスピンオフ『朝食会』全7巻【ネタバレ注意】
続きを見る