青年漫画

数々の死を乗り越えて紡がれた地動説の歴史がついに日の目を見る『チ。-地球の運動について-』8巻(完)【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

15世紀前半のヨーロッパのP王国では、C教という宗教が中心のもと地球が宇宙の中心と広く信じられていた。

その教義に反く考え方は研究するだけでも拷問を受けたり、火あぶりに処せられたりしていたが、12歳の神童ラファウはある日、フベルトという男と出会い、異端である地動説という研究と出会う。

その仮説から導き出される宇宙の姿の合理性と美しさに心を奪われたラファウは、その感動を貫くために異端の研究を続け、そして異端審問官のノヴァクによって処刑されてしまった。

しかし地動説はここで潰えず、ラファウがフベルトから受け継いだ研究資料は山の中に隠された。

ラファウの死から10年後、生きることに希望を見いだせていない代闘士のオグジーは同僚のグラスと共に異端者輸送の警備の任務に当たった際、異端者の男から唆されて異端の研究に手を貸すこととなる。

2人に託されたのは山で見つけたという地動説の研究資料だったが、グラスは命を落としてしまい、文字がろくに読めないオグジーは真理の追究のために全てを捧げる変わり者の修道士バデーニのもとを訪れ、世界を動かすべく2人で地動説の研究が秘密裏に進んでいった。

2人は女性と言う理由だけで表社会に名を残すことができずにいた天才少女のヨレンタと出会い、その協力のもとで地動説の証明が完成、あとはそれぞれ身を潜めて公表の機会を待つだけとなったが、ヨレンタの父が異端審問官のノヴァクであることが判明し、目をつけられた2人は異端と見抜かれ処刑されてしまった。

ノヴァクの娘のヨレンタも関与を疑われて助任司教のアントニによって処刑対象となり、寸でのところで逃亡に成功したものの、ヨレンタが死んだと思い込んだノヴァクは絶望の淵に立つこととなる。

そしてバデーニも万が一の場合の保険として貧民たちの頭に刺青として資料を残しており、バデーニとオグジーの死から25年後、異端解放戦線と名乗るグループが各地でC教正統派に対し過激な活動を行いながら地動説の本を回収する。

その際に居合わせた天才少女のドゥラカは、自分が生き残りかつその本を利用して金を稼ぐため、地動説の本を暗記したうえで燃やしてしまった。

地動説の本を活版印刷で量産することを画策する異端解放戦線にドゥラカも協力することとなり、そのボスとして活動しているヨレンタと出会った。

一方、ヨレンタを失ってから酒浸りで落ちぶれていたノヴァクだが、異端解放戦線が地動説の本を回収したという話を聞いて再び異端者への復讐心に火がつき、本の印刷準備をしているところを突き止める。

ここでヨレンタが自爆して仲間の逃げる時間を稼ぎ、ドゥラカたちは秘密の印刷工房で出版活動を開始した。

ところがここでも裏切り者の密告により、本の流通を目前にして騎士団たちが迫ってきてしまう。

本の出版という目的のため、全員で戦いながらドゥラカを逃がす決死の作戦が始まるのだった。

 

最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

シュミットが時間を稼ぐ

ドゥラカを逃がすため、自ら追手を引き付けるシュミット。

追手2人を仕留めたものの、ノヴァクの手によって殺されてしまう。

しかしシュミットの表情に後悔はなく、戦闘で頭に傷を負ったノヴァクは一時的に気を失い、時間を稼ぐことに成功するのだった。

アントニ司教と取引するドゥラカ

逃げおおせたドゥラカは警備兵に賄賂を渡して街へと侵入し、協会のアントニ司教を訪ねた。

出版を利用した儲け話を切り出すと、思惑通りアントニは興味を示しドゥラカを招き入れる。

その本の内容が地動説という異端的なものであっても、よく考えれば地動説が弾圧されているのはアントニの父が司教を務めていたこの教区だけ。

地動説という学説自体は必ずしも禁止されるべきものではなく、弾圧するかどうかは権力者の裁量次第なのである。

出版の利益の8割をアントニがもらう条件で取引が成立し、ドゥラカはおまけとして手紙を出すための伝書鳩を借りることに。

そこに目を覚ましたノヴァクが足跡を辿って追いつき、教会に乗り込んでくるのだった。

ノヴァクが暴走

ドゥラカが異端者と知りながらもと手を取り合っているアントニを見て愕然とするノヴァク。

それでもアントニは地動説を弾圧していたのは父がかつて天文学で挫折したことによる憧憬と劣等感の表れだとし、その父が作った勝手な物語を信じて傭兵上がりのノヴァクが異端な宇宙論を掲げる者の始末という汚れ仕事を任されてきたと指摘。

その排斥の記録は全て非公開であり、アントニがその記録の処分を命じた今、言うなれば、ノヴァクが人生を捧げてきた地動説の弾圧は勘違いによるものということで片付けてしまったのである。

自分のしてきたことは一体なんだったのか、娘は何のために処刑されたのか。

アントニの言葉が受け入れられないノヴァクは、あろうことか強硬手段に出る。

ノヴァクは教会に火を放ち、自らの手でアントニを殺害したうえでその罪を逃走中の地動説主義者になすりつけようと考えたのであった。

ノヴァクの最期

教会に火の手があがるなか、ノヴァクはドゥラカをナイフで刺すが、ドゥラカもそれを引き抜いてノヴァクの胸に突き立て、教会から脱出。

致命傷を負ったノヴァクは、かつて処刑したラファウの幻覚を見ながら、回収した異端解放戦線のボスの右腕と娘の形見である手袋を重ね、そのボスが娘のヨレンタだったことを悟る。

娘が命をかけてまで異端の研究に自らを捧げたことを知り、ノヴァクはこれまで自分のしてきたことを神に悔いると共に、地動説が迫害されるべきものでないならせめて娘は天国へ行かせてほしいと神に祈りながら息絶えるのであった。

ドゥラカも息を引き取る

街から脱したドゥラカだったが、負った傷は深く、伝書鳩に手紙を託した後に動けなくなってしまう。

死ねば金を儲けるもなにもなくなってしまう、自分の人生はいったい何だったのか…。

そう絶望するドゥラカだが、日の出と共にまばゆい朝日が差し込むと、その美しさに思わず目から涙がこぼれた。

これこそシュミットらが崇拝していた神の作った自然。

その思想に共感を得たドゥラカは、満足げな表情で息を引き取るのであった。

エピローグ

1468年、ポーランド王国。

パン屋で働くアルベルトという青年は、その賢さを認められ店主から大学への入学を勧められる。

かつては天文学への憧憬を胸に抱き、「何かを知りたいと感じたときは、それが人の役に立つのかゆっくり疑え。」と父から教えられ、好奇心旺盛だったアルベルト。

しかし家庭教師のラファウ(1巻で処刑されたラファウが生まれ変わり成長したくらいそっくりの青年)との出会いがアルベルトの運命を変えた。

ラファウはアルベルトに天文の知識を授けつつ、知的探求の根本にある好奇心を刺激し、「人や社会の役に立つかどうかは関係なく、真理の探求で最も重要なのは信じること」と父とは真逆のことを教える。

博識なラファウに惹かれていったアルベルトは、数ヶ月後には「真理の自由な探求」を行う秘密の集会に招待されることに。

そこでは将来有望な若き仲間として歓迎され、興味を引かれる活発な意見交換がなされていたが、アルベルトは日課の天体観測のために会を抜け出して一時帰宅した際、ラファウが父を惨殺しているところを目撃してしまう。

アルベルトの父が地動説の資料を持っているという情報を掴んだラファウだったが、父が誘いを断った挙げ句に弾圧されかねないその資料を闇に葬ろうとしたため、真理を追究するために父を力ずくで落ち着かせたというのである。

ラファウは異変を察知した村人たちに捕らえられ、それ以来アルベルトと会うことはなかったが、疑いを重んじた父は資料が社会の役に立たないと判断し共有しなかっちめに殺され、信じることを重んじたラファウは信念を優先しすぎた結果殺人という罪も厭わなくなった。

アルベルトは知に関わるとろくなことにならないという結論を得たために大学への進学に気乗りしていなかったが、教会の告解室で神父を相手にその胸のうちを告白すると、神父は自分たちが自身を乗り越えて神に向き合うことができれば神も自分たちを認めてくれること、そしてそのためには永遠に考え続けることが重要だと説く。

アルベルトがこの世で再び活力を持って生きるためには「この世の全てを知りたい」という幼い頃に抱いた欲求に向き合うこと、そしてそのためには大学へ行くというのも1つの道。

吹っ切れたアルベルトは疑うことと信じることの矛盾に折り合いをつけながら探究のために大学へ進むことを決意し、天文学を専攻する。

ちょうど時を同じくして「地球の運動について」という本が発刊され、その利益の一部がポトツキという男の住んでいた場所に届けられた。

その本のタイトルに早速好奇心を刺激されたアルベルト。

彼はクラクフ大学で数学と自然哲学を教え、その際に天動説一般に対しても疑念を示すような講義も行う。

その後アルベルトは天文学の教科書への注釈書を書くまでの権威となり、その注釈書で天文学を学んだのがコペルニクス。

弾圧を受けながらも歴史と希望を繋いだ地動説は、このコペルニクスによって広く普及することになるのであった。

【8巻(完)のまとめ】

1人逃げおおせたドゥラカは教会へと乗り込み、儲け話を餌にしてアントニ司教と取引をする。

アントニ司教は金を優先し地動説の本の内容それ自体は教義に反していないと判断したが、自分の人生を捧げた使命を否定されたノヴァクが暴走し、アントニ司教を殺めてしまった。

ノヴァクとドゥラカは相討ちとなり共に命を落としてしまうが、それでも後に地動説の本は無事に出版され、日の目を見ることとなる。

そしてその時代、その本に好奇心を刺激されたアルベルトという青年がいた。

大学で天文学を専攻した彼は後に天文学の教科書の注釈書を書くまでの権威となり、その注釈書でかの有名なコペルニクスが学ぶことになるのであった。

この漫画をもう一度読みたい方はこちら

\作品数100万冊以上!初回ログインで70%OFF×6回クーポンゲット!paypayも使える!お得に漫画を読むならこちら/

【電子書籍/コミックの品揃え世界最大級】ebookjapan(イーブックジャパン)

全巻まとめに戻る

参考禁じられた地動説を命がけで研究した中世の人たちの生き様と信念『チ。-地球の運動について-』全8巻【ネタバレ注意】

続きを見る

オススメの電子書籍サイトランキング

No.1【ebookjapan】電子書籍、コミックの品揃え最大級!クーポンもポイントも超お得!

もう、漫画を電子書籍で読むならここ一択といっても過言ではありません

創業は2000年の老舗で、大企業のYahoo!と共同運営しておりYahoo!のIDと連携すると特典も。

paypayが使えてポイントが貯まるうえ、初回ログインで70%OFF×6回クーポンがもらえる太っ腹ぶり!

頻繁にセールも開催しているので、必見です。

No.2【U-NEXT】映画・ドラマも付いてくるエンタメ業界の帝王

動画配信が主要サービスとして推されており、邦画、洋画、アニメにアダルトなど、どのジャンルを取っても質量ともに高水準なうえに漫画や雑誌の取り扱いも豊富です。

漫画だけに絞っても毎月1,200ポイントが付与されるので、実質負担は月に\780!?

漫画だけではなく映画やアニメも併せてお得にチェックしたい方にオススメです。

No.3【Kindle】Amazonに無いものなど無いってほんと?

スマホだけでなく専用端末もあり、認知度や利用率は他ストアの追随を許さないほど。

漫画だけではなく、書籍・雑誌、実用書、エッセイ本、洋書などもバランスよく取りそろえた王道の読み放題サービス「Kindle unlimited」も要チェック!

Prime会員なら「Amazon Prime Video」で映画やアニメも見られますので、ぜひこの機会にPrime会員になることをオススメします!

-青年漫画

error: Content is protected !!

© 2024 もう一度読みたいオススメ漫画まとめ