クラスメイトからの壮絶なイジメを受けていた春花。担任の南先生も見て見ぬふりをし、優しく接してくれる相場晄を除いてイジメはエスカレートしていく。
ついに放火までされ春花の両親が亡くなり、妹は意識不明の重体で入院、春花は祖父に引き取られることになった。
それでも気丈に学校へ顔を出した春花だが、クラスメイトのイジメは止まない。放火の首謀者である流美や吉絵、取り巻きの加藤・三島に誰も来ないゴミ捨て場まで呼び出され、「自殺しろ」などと追い詰められる春花。
流美は職員室に呼び出されてその場を離れるが、吉絵がさらに追い詰めようとしたとき、憎悪により修羅と化した春花が落ちていた釘を振りかぶった…
さあ、ついに春花の復讐が始まります。2巻で起きたことを振り返ってみましょう!以下ネタバレ注意です。
血に染まるゴミ捨て場
勢いよく起き上がった春花が、手にした釘を思いっきり吉絵の目に突き立てます。
突然の出来事に固まる加藤と三島。吉絵は隠し持っていた果物ナイフを構えますが、春花が落ちていた鉄パイプで何度も吉絵を殴り、血まみれで倒れる吉絵。
春花はジリジリと逃げようとする加藤・三島も見逃しません。「く、久賀くんなの、おか…おかあさんに火を…」と完全に恐怖で震えながら言い逃れしようとしますが、春花は無言で近づいていきます。
そして果物ナイフで躊躇いなく切り付け、指や足首を切断。3人とも動かなくなった後も、鉄パイプを何度も振り下ろします。
凄惨な現場を覆い隠すように、町には大雪が降り始めていました。
〈三人を殺害した春花[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
次の復讐
大雪の続く翌日。放課後に春花と一緒にいた吉絵、加藤、三島の3人が行方不明になっていることが早くもクラスに広まり、首謀者の流美や放火を煽っていた久賀は「か細い春花に何もできるわけない」と思いつつ内心ビビりだします。
そんな表情の曇る久賀が一人で吹雪の中帰っていると、前方に春花の姿が。声をかけるも無言で近づいてくる春花を気味悪がって突き飛ばす久賀ですが、腹をナイフで刺されます。
一瞬の出来事に何が起こったかわからない久賀。春花はさらに久賀の口から頬をナイフで切り裂きました。
悲鳴を上げながらパニックを起こして逃げ出す久賀ですが、足を滑らせて古井戸に落下してしまいます。
〈春花に追われ、古井戸に落下する久賀[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
春花はそれ以上追ってこず、落ち着きを取り戻す久賀ですが、口を切られた痛みにより大声で助けを呼ぶことも出来ず、脱出手段もありません。さらに外は大雪。誰にも見つけられず、寒さに凍えながら久賀は息絶えていくのです。
狩りの時間
その夜。大雪により翌日は休校となります。春花の様子を心配して家まで来た晄に対し、春花の祖父は「卒業したら東京へ春花たちを連れて行きたい。卒業まで春花のことを頼む。」と告げます。春花との別れを思う晄の表情は曇るのでした。
一方、久賀も続いて行方不明になったことが生徒たちに広まっていました。
ボウガン好きの真宮と改造マニアの池川は春花が復讐を始めていると確信し、電話で流美に「次はオメーかもな。首謀者。」と不安を煽りつつ、”殺られる前に殺る”ことを表明します。
〈春花を殺そうと決意する真宮[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
そして翌日。相変わらず雪が降り続くなか、妹の見舞いにでかける春花。人気の少ない林道に入ったところで、ボウガンの矢が春花の顔をかすめるように飛んできました。
春花は急いで木立の中に身を隠し、二手に分かれた真宮と池川との「狩り」が始まります。
改造モデルガンを手にする池川は、ずっと春花に想いを寄せていました。しかし可愛くて自分とは釣り合わず、いつしか「手に入らないのならいっそキミの存在を消してしまいたい」と思うようになっていたのです。
大声で春花を挑発する真宮でしたが、春花を先に見つけたのは池川でした。池川は春花を押し倒して馬乗りになり、ナイフを振りかぶる池川でしたが、先に春花が下からハサミを池川の鼻の両穴に突き立てます。そのまま春花はハサミに力を籠め、池上の鼻の穴を切って繋げ、さらにそのままハサミを奥へと突き刺します。
池川の悲鳴を聞きつけた真宮が離れた場所から春花を狙撃しますが、その矢は近くで悶絶している池川の側頭部に当たってしまいました。
錯乱した池川は真宮に詰め寄るとボウガンをはたき落とし、狂った叫びを上げます。動揺した真宮が池川を蹴り飛ばすと、はずみで池川の頭から脳がこぼれ落ちてきました。
そんな2人の隙をつき、春花はナイフを真宮の腹部に深々と突き立てると、そのまま腹を切り裂きます。真宮の腹から臓物がこぼれ落ちてきます。春花は助けを求めて突き出された手も切りつけ、逃げ出す真宮。
真宮が氷の張った池の上へ逃げたところを、春花は後ろからボウガンで撃ち抜きます。倒れこんだはずみで池の薄氷が割れ、そのまま間宮は池の中へと沈んでいきました。
異常者、南先生
生徒が何人も行方不明になったことで、警察も動き出します。警察署での事情聴取を終えた南先生のところに、「息子が帰らないんです!」と久賀の母親が動転しながら南先生に詰め寄りますが、自身もイジメられていたトラウマをもつ南先生は心が折れており、
南「久賀君は正直いってクラスの問題児でした。そんな問題児が1日や2日帰らないことがそれほど珍しいことだとは思えませんが…」
〈問題に向き合おうとしない南先生[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
と言い放ちます。ますますヒートアップする久賀の母親に対しても「あんなガキを産む。こんな人間が私の人生をおかしくさせた。異常者はアンタらよ…!」と思わず心の声が出てしまう有様。
あまりの異常っぷりに久賀の母親は絶句するのでした。
希望
既に何人も手にかけた春花の様子は、目から光が消え、以前とは全く変わってしまっていました。祖父も毎日帰りが遅く、服が汚れている春花を心配し出します。
そんな春花の傍に晄が寄り添います。人を殺めたことや、妹への思いがこみあげて泣き出す春花を抱きしめ、「俺がお前を支える…」と言いながらキスする晄。春花も声を取り戻し、ようやく一筋の希望の光が差し込んできたのでした。
〈春花に寄り添う晄[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
恐怖に怯える流美
一方、真宮と池川とも連絡が途絶え、不安が募る流美は吉絵らと最後に一緒にいたゴミ捨て場を再び訪れます。嫌な予感が的中し、吉絵ら3人の死体を見つけてしまいます。
動転した流美は警察に通報しようとしますが、自身も放火を首謀した身。助けを女番長の妙子に求めようとしますがこれも通じず、恐怖に押しつぶされそうになっていました。
漸く妙子に電話が繋がっても、妙子は「自業自得じゃん」とまともに取り合ってくれません。流美はそもそもイジメは妙子の嫉妬によるものから始まったと言おうとして
流美「野咲のことが憎かったんでしょ?…野咲に…相場晄を取られたから…」
と口をすべらせますが、妙子は
妙子「私があんなとんでもない変態愛せるわけないでしょーが。アイツの歪んだ愛情が面白くてね…」
と晄への恋慕を否定します。はしごをはずされた恰好となった流美は、今度は妙子への恨みを募らせていくのでした。
〈妙子への恨みを募らせる流美[ミスミソウ2巻]©ぶんか社/押切蓮介〉
【2巻のまとめ】
さあ、いかがでしたか。憎悪に燃える春花の復讐により、6人が殺されました。
鉄パイプでメッタ打ち、ナイフで口を切り裂く、頭から脳が漏れ出る、腹から内臓が…など、殺し方は実にバリエーション豊か。
精神壊れかけの南先生はほっといて、恐怖に怯える流美と、いまだ余裕の妙子。そして晄のおかげで感情と声を取り戻す春花。
そんな晄はといえば、現在はおばあちゃんと二人暮らし。母親は別居中で、なぜか電話越しでも晄を避けようとしています。晄の歪んだ愛情とは…?
そして春花の復讐の行方は。次巻に続きます。
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