学園生活部として活動するゆき、くるみ、りーさん、そして顧問のめぐねえ。
彼女たちが生活する何気ない学校の情景はすべてゆきの見るまぼろし。
現実はゾンビに侵略された荒廃した学校だった。
彼女たちは部活動と称し、ゆきの心の平穏を守りつつ生きるために活動する。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。
まいにち
自分を鼓舞して目を覚ます少女。部屋には彼女ひとり。朝の身支度を始める。
制服を着て、栄養補給食を口に運び、壁に貼り付けた時間割通りに、1時間目、体育の授業を始める。
ラジオ体操をしながら少女は思い出す。
建物内を逃げ惑う人々、その中で少女は同じ制服に身を包んだ友と手をとり、上へ向かうエレベーターへと乗り込む…。
回想は終わり、彼女は2時間目、3時間目と取り組む。ソファに寝そべり洋書を開く。その本を本屋で物色している最中に日常の崩壊は始まった。
叫び声が響く駐車場を窓から見下ろし、そこに広がる惨劇を彼女は思い出す。
時間割は進み昼休み。再び友との食事の回想。今は一人のその部屋で彼女は友と食事をする。
それは危険を顧みず安全な場所から外へ出るという友との訣別のシーンだった。
「生きてれば、それでいいの?」扉に手をかけ、そう友は言い残す。
時間割は進む。しかし、そんな違和感だらけの生活に耐えられるはずもない。
精神の限界を迎える彼女を、扉の向こうを徘徊するゾンビの唸り声がさらに追い詰める。
彼女のいる部屋の扉をゾンビが激しく叩き、うずくまる少女。そうして彼女の1日が終わる。
静けさを取り戻した暗い部屋で、ベッドに横たわり「いいわけないじゃん」と呟く彼女。
そして朝の目覚めと同じ言葉を繰り返す。「私は負けない。」
場面は変わり、学園生活部。
川の字になって就寝準備をしていたところで、ゆきが「いいこと思いついた」と起き上がる。
もったいぶるゆきにくるみがチョップを食らわせるが、「今言うより、明日もいいことがあるってほうが楽しみじゃない?」というゆきの言葉に思わず笑顔をこぼすくるみ、そんなやりとりのなかで学園生活部の3人の夜は更けていくのだった。
えんそく
「よーい、どん!」勢い良くくるみが廊下を駆けストップウォッチのタイムにショックをくるみ。
シャベルを背負ったままだからではないのかと、シャベル愛に呆れるゆきに、しどろもどろに言い訳をするくるみは、「遠足でもなんでもこい」と意気込みを見せる。
話は2日前に遡る。
温かい朝食を囲みながら、ゆきが遠足を提案する。
微妙な反応のりーさんとくるみに、ゆきは「私たちの後に道は出来るんだよ」と熱弁をふるう。
既にめぐねえへの提案用文書も作成済みであることを二人に告げ、箸を置くと勢いよくめぐねえのもとへ向かった。
さてどうしましょうかと相談する残された二人、ひとまずはめぐねえ待ちということで移動手段を相談する。
荒廃した廊下を進み、誰もいない職員室でめぐねえと言葉を交わすゆき。
「オッケーだって!」と喜んで戻ってきて、いざ遠足の準備を開始する。
移動手段である車を手に入れるためくるみとりーさんは作戦を立てる。くるみ1人の作戦に心配するりーさんだが、よーい、どん!の合図で窓からグラウンドへ降り、ゾンビを交わし、シャベルで応戦しながら目当ての車を探す。
ようやく目当ての車を見つけ鍵が開いたその瞬間、背後にゾンビの影が...。ゆきとりーさんは、くるみの単独作戦の成功を信じ下駄箱で様子を伺っていた。
大丈夫よとりーさんは手を握り、ゆきを安心させる。
そのとき荒々しいエンジン音を響かせ車が到着する。
中にはくるみ!迫り来るゾンビを車で跳ね飛ばし3人はいよいよ遠足へ出発するのだった。
よりみち
昔見た映画のエンディングを思い出しながら、ひとときの平和なドライブが進行する。
しかし学校の中と同様に外の世界もまた荒れ果てている。破壊された車が3人の進行方向を塞ぐ。
そのためUターンを何度も強いられるが、ゆきの目にはその惨状はやはり映らない。
慣れない運転に疲労を見せるくるみと交代し、今度はりーさんがハンドルを握る。
地図を読むのが苦手らしいくるみがあたふたとするなか、ゆきが的確に現在地を指し示す。
りーさんからナビゲーターに任命されたゆきは嬉しそうに返事をするのだった。
りーさんが運転し、ゆきがナビをする。その車内の後部座席で、ぼんやりと外の風景を眺めるくるみ。
突然、何かを見つけ「ストップ!」と声を出すが、「なんでもない…」と言葉を引っ込める。
ゆきがくるみの視線の先に目をやるとそこには「恵飛須沢」と書かれた表札があった。
そこはくるみの自宅。「顔出してきたら?ずいぶん帰ってないんじゃない」と声をかけるゆきに、一瞬ためらいつつも家へと向かうことにする。
心配し同行しようかというりーさんの申し出を断り、くるみはひとり懐かしい我が家に向かう。
緊張のまま玄関のドアを開け、「ただいま、誰かいる?」と声をかけるが応答はない。
懐中電灯をつけリビングを覗くがそこにはやはり家族の姿はない。埃の積もったテーブルに手を置き、家族がもはやこの空間にいないことを悟る。
荒れ果てた寝室、そしてくるみが日常を過ごしていたであろう自室、くるみは何も言わずベッドに横たわると、湧き出てくる絶望を心の奥に押し込めるように枕をぎゅっと抱きしめるのだった。
玄関のドアを開けふたりのもとに戻ってきたくるみ。
「おかえりー」と声をかけるゆきに笑顔で「ただいま」と答えるのだった。
時間は進み三人はガソリンスタンドで夜を迎える。車の傍でひとり見張りをするくるみにりーさんがコーヒーを差し入れる。
車の脇で二人並んで腰掛け、くるみは語り出す。
もしかしたらやばいのは学校の中だけで、外では救助が始まっているのではないか、誰かがよく頑張ったなと助けてくれるのではないかと思っていたこと、ただ現実はそんな映画のヒーロー登場のような甘いことはなかったと。
ヒーローはきっとまだここに辿り着いていないだけで、東京で救出作戦中なんだ、きっとあと少し。早くくるといいなぁと妄想を語り合う二人。
そんな二人の背後から突然「あまーい!」とゆきが登場する。
いつから聞いていたのかと慌てるくるみだったが、ヒーローは待つものではなくなるもんだ!と熱弁を振るうゆきの姿を見て、呆れつつもくるみは心励まされるのだった。
誰もいなくなった自宅だったが、くるみは希望を完全には捨てていなかった、埃の積もったテーブルに「パパとママへ」と自分が元気で学校で暮らしていることを伝える手紙を残していた。
おかいもの
厳しい表情で窓の外を眺め、カーテンを勢いよく閉めるあのショッピングモールの少女。
そこへ他の避難者を探し三人が車で到着する。
ショッピングモールに興奮するゆきに遠足で熱を出すタイプだと呆れるくるみ。
静かなモールに疑問を持つゆきだが、イベント開催中ということにしてそーっと物音を立てないよう先へ進む。
調子にのって音楽プレーヤーを起動させてしまうゆきをたしなめつつ、りーさんとくるみは生活やゾンビ対策の道具を物色する。
「必要なものだけ」と言いつつ、久々のショッピングを楽しむ学園生活部の三人。
探索を続けていると、人為的に作られたであろうバリケードを発見する。
確認をしようとくるみが中へ侵入するが、そこは既に人は全滅しておりゾンビだらけの空間。
慌てて飛び出してくるくるみ。
バリケードの崩落とともに大量のゾンビがあふれ出し、三人は慌てて逃げ出す。
三人を追いかけるゾンビが立てる物音のなかから、少女は人の会話声、学園生活部の三人の声をかすかに聞き取り飛び起きる。
であい
ゾンビから逃れるためせまりくるゾンビを撃退しつつ階段を駆け降りる三人。
その三人の声を聞き取った少女は部屋のなかから大声で叫ぶが、反応するのはゾンビのみ。
一方の学園生活部は、逃走途中でゆきが熱を出してしまう。
ショッピングモールを一気に走りぬくために体力を回復させることにする。
眠るゆきの顔を見つつ、ここに自分たちと同じく避難生活を続けていた人たちが存在し、そしてすでにその人たちがゾンビに襲われてしまっていること、くるのが遅過ぎたことをふんわりと後悔するくるみとりーさん。
人の存在を信じ、おそるおそる安全な部屋から出て、ゾンビに警戒しつつ動きだした少女。
学園生活部がゾンビの気を逸らすため投げた蛍光ライトを発見する。
生存者の存在を確信し、少女は必死に「待って!」と叫ぶ。
ちょうどその時、学園生活部の三人はモールから脱出しようとしていたが、ゆきが「何か聞こえた」と、二人の制止をふりきって来た道を戻る。
「誰か来て!!」ピアノの上でゾンビに囲まれ絶体絶命になっている少女。
戻ってきた学園生活部と遭遇する。
本当に生存者がいたことに動揺し状況を鑑みず学園生活部のもとへ向かおうとする少女はピアノの上からゾンビの群れに落下してしまう。
今すぐ助けようととするゆきを、「手遅れだ!」と止めるくるみ。咄嗟にゆきはと何かをフラッシュバックし、くるみを振り切ってゾンビの群れへ向かう。
すぐさまくるみも加勢に向かいますが、状況は絶望的。
そのとき、りーさんはゆきがショッピングモールで手にした防犯ブザーを発見する。
すぐさま音を鳴らし、怯んだゾンビをくるみが殲滅。殲滅したゾンビの群れの中央で、倒れる少女とそれをかばうゆきように倒れるゆきを発見する。
おかえり
車に戻り気を失っているゆきと少女の怪我の治療をしつつ、噛み傷がないことを確認するりーさんとくるみ。
それでもゾンビによる感染の懸念は捨てきれないため念のためおもちゃの手錠で拘束する。
少女の携帯していた生徒手帳を発見し確認する。
少女は「美樹」という名前であり、そこには日記が記されていた。
友人である圭と連れ立ってふと寄り道したショッピングモールで事件に遭遇する。
ゾンビが人を襲い、喰い殺し、襲われた人がゾンビになってしまうその現場を目撃。
試着室で身を潜めているときに男性に見つけられ、生存者と合流する。
役割を分担しつつ行き届いた自治のなかで避難生活を続けるが、ある日リーダーの男がゾンビに噛まれてしまう。
男性は噛まれた事実を隠蔽し、そのまま夜が訪れる。皆が寝静まった頃、不穏な音で美樹と圭は目を覚ます。
突然避難所のほうから悲鳴があがり、何とか逃げだしたものの避難所は一気に炎が燃えひろがってしまった。
二人はなんとか一室へ逃げ込むが、ドアのすぐ前までゾンビが来ており、すぐさまドアに沢山物を置いて立て篭もる。
生存者が助けを求める声とゾンビの唸り声が響く中、なんとか耐え抜く二人。
しかし、この件以来すっかり笑顔を失ってしまった圭は、ついにある日「生きていればそれでいいの?」という言葉を残し、立てこもっていた部屋を後にする。
美樹は圭を止められなかった後悔をその日記に綴っていた。
日記に目を通し、パタンと閉じるくるみ、内容はその胸に留めておくことにし、自分たちが運が良かったんだなとリーさんと言葉を交わす。
懐かしの学校が見えてくると「ただいま」「おかえり」と言葉をかけあうのだった。
【2巻のまとめ】
学園生活部の活動の一環として遠足へと出た三人。
紆余曲折の末たどり着いた先は、廃墟と化したショッピングモールだった。
すでにゾンビに侵食されたモール内には、孤独に生活する少女がいた。
生存者の気配を感じ少女は立て籠っていた部屋から危険を省みず飛び出す。
ゆきのファインプレーにより少女と学園生活部は合流を果たす。
少女の日記にはモールで孤独に生活するまでの過去と後悔が綴られていた。
くるみは日記をそっと閉じその少女の悲しい記憶を胸にしまうのだった。
次巻へ続きます。
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