ここで飼われている人間たちは「天人」と崇められる異形の巨大生物たちの食糧だった。
衝撃的な真実が明かされた前編、天人は絶滅したはずだったが、物語はまだ続いていた。
巨大生物が人間を喰うシーンはグロい描写のオンパレードなので注意が必要です。
登場人物紹介
天沢 大輝(あまざわ ひろき)
主人公。「真の平和時代」に違和感を抱くようになった「覚醒者」。蓮沼に好意を抱いている。
ある日、天人を崇拝し喰われて死ぬことを何とも思わない世間に違和感を抱き、そのことを教師に相談したことで覚醒者と感づかれてしまう。
また「出荷」が決まった蓮沼を助けたい一心で天人と宮廷庁相手に奔走する。
蓮沼 柚(はすぬま ゆず)
ヒロイン。序盤にて「出荷」に選ばれた女子。天沢の幼馴染でもあり、彼のことを「ヒロ」と呼ぶ。
当初は世間と同じく天人を崇拝し自身が出荷されることに一切の疑問を持っていなかったが、天沢から「好きな人が死ぬのは嫌だ」という不意の言葉を受け自身の状況を客観視したことで死への恐怖を抱き始める。
帆秋 二三麿(ほあき ふみまろ)
キーマンの1人。心身ともに不気味な雰囲気を漂わせており、破天荒な言動を見せる。
また、顔に深い傷跡を負っており、それを隠すために包帯を巻いている。「真の平和時代」の真実を知っている「覚醒者」。
万智音とは利害の一致で手を組んでいるが、彼との意見の食い違いにより一触即発になることもある。
その正体は増殖種。
榊 万智音(さかき まちね)
キーマンの1人。帆秋同様、「真の平和時代」の真実を知っている「覚醒者」。乙種と呼ばれる特殊能力を持った人間で宮廷庁の管理者家系の出身。
格闘術に加え、腕に突き刺した針金を発射させたり、指先からワイヤー状の繊維を出すことができる。
辻の元弟子であり、かつては宮延庁の管理者を務めていたが、辻の策略に嵌められ宮延庁から追放されて以来、自身の復讐を兼ねて「真の平和時代」の破壊を目論んでいる。
帆秋とは利害の一致で手を組んでいるが、彼との意見の食い違いにより一触即発になることもある。
辻(つじ)
宮延庁の管理者を務める壮年の男性。万智音の元師匠兼宿敵にあたる人物。他人を意のままに操る、遠隔で腕を切断する等、強力な超能力を持つ乙種。
「覚醒者」となった万智音を宮廷庁へ告発し追放した張本人。普段は無気力を装っているが、いざとなれば部下をいとも簡単に見捨て、自身の手を使わずに部下を操って戦わせるなど冷酷な人物。
桜 みく(さくら みく)
宮延庁の生産管理課に所属する管理者の女性。既婚だが、夫は天人たちによる制裁で喰われてしまう。
桐山(きりやま)
宮延庁の生産管理課に所属する管理者の男性。先輩である桜を慕う。
辻 博史(つじ ひろふみ)
辻の息子。辻に隠れて反天人思想に傾倒した結果、捕まって人体実験の末に醜い化け物にされてしまった。
榊 千翔世(さかき ちとせ)
現役宮廷庁総監であり、万智音の実の父親。 辻が総監の頃は一課に努めていたが、辻の失脚後に総監に就任している。ちなみに万智音が反社会的思想を持つことで宮廷庁を追われた時期は辻失脚より以前であると考えられる。万智音の事件の際に親子の縁を切っている。また天沢の出生に天人が関わっていることを知っており、それを伝えつつ、辻同様に「この社会が狂っている」ことも十分に理解した上で公務にあたっていることを吐露していた。天人の統治により人類が飼われていることに疑問を持っているという点では割と反社会的思想を持っている人物である。
藤原(ふじわら)
千翔世の部下。指先がよく斬れるワイヤーのように伸びる。