裏稼業専門の組織、通称「ファブル」がしばらく休業を決め、プロの殺し屋であるアキラとヨウコは一般人として世間に溶け込むことに。
組織のボスと付き合いのある大阪の地元ヤクザ・真黒組に面倒を見てもらうこととなるが、真黒組の若頭・海老原は急に出てきた2人の存在が気にくわない様子で、構成員の高橋に命じて2人を監視させながら、正体を暴こうとする。
天才殺し屋としての正体を隠したいアキラは、高橋の後輩のキックボクシングチャンピオンに襲われわざと涙と鼻血を出しているところで、優しくハンカチを差し伸べてくれた近所の女性・ミサキと出会う。
海老原はアキラの腕試しを行った末にアキラとヨウコのことを認め、その場に立ち会った構成員のクロはアキラに強く憧れを抱くようになる。
ミサキの伝手でイラスト制作会社オクトパスでアルバイトをすることとなったアキラ。
田高田社長とミサキに温かく迎え入れられるが、同僚イラストレーターの貝沼はミサキの家に侵入して盗撮器を仕掛けるなど邪な欲求を募らせている。
他方、刑期を終え出所した海老原の弟分・小島が波風を立て、ミサキが元グラビアアイドルである過去をネタに脅迫を受けた末に風俗嬢として働かされそうになるが、その異変を察知したアキラが殺傷能力の低い銃を自作して救出へ向かう。
そして同じ真黒組の幹部・砂川がシノギを荒らされた報いとしてプロの殺し屋を雇って小島の暗殺を狙うところにアキラも乱入し、同業の殺し屋2人を手玉に取りつつミサキを救出。
アキラは死人を出すことなくその場を切り抜け、小島はトラブルの落とし前をつけるために海老原によって射殺された。
一方、都市伝説「ファブル」の存在を目の当たりにした砂川はファブルと近づくための手段を模索し、「自分が真黒組の組長か若頭になれば向こうから近づいてくる」と考えるようになる。
街にはひと時の平穏が戻ったころ、アキラに強く憧れるクロは弟子入りを志願し、山籠もりの修行についていくことを決心。
キャンプ気分で志願したクロは、この後すぐに激しい後悔に襲われることになるのだった―。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ガチすぎるサバイバル修行
鬱蒼とした森の中を歩き続けて3時間。
早くもクロの体力は消耗し、アキラについていくだけで精一杯になる。
〈ついていくだけで精一杯 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
食糧も現地調達でヘビを捕えるなど、当初のイメージとのギャップに激しい後悔が押し寄せるクロ。
昼過ぎにようやくベースキャンプを張る小川にたどり着き、少し休憩。
先入観を捨てて焼いたヘビを食ったり、松葉のお茶を飲んだり、アキラの知識と知恵を身をもって体験し、街中の生活から感覚がかけ離れていく。
〈ヘビも食べる [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
そして夕方には日が暮れ、長い夜が来た。
夜の山には野犬や熊が出てもおかしくはない―。
〈長い夜が来た [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
何かが動く音に警戒しながら眠りについた翌日、アキラはクロのテントの傍に熊の足跡があるのを見つけるのだった。
熊との遭遇
森の中で食糧を探すアキラ。
一方のクロは自分のリュックがなぜか木の根元に移動させられているのを見つける。
するとその近くにいた熊と遭遇。
〈熊と遭遇 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
思わず死んだフリをしてしまうクロだが、本物の熊にやってはいけないことの1つ。
間一髪でアキラが熊を威嚇して助け出すが、人間を恐れない熊がまた舞い戻ってくる可能性が高い。
アキラは熊を殺さずにうまく撃退する策を練り始めるのだった。
〈うまく撃退したい [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
熊撃退の作戦
山の中で獲れる生き物の中で栄養が高く味もうまいマムシを誘き寄せるため、クロの髪を一部切って焼くアキラ。
アキラはクロの前髪を切りつつマムシを誘き出すことに成功し、その毒を熊の撃退用に抽出していく。
〈マムシの毒を使う [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
準備を整え、夜を迎える。
滋養強壮にも効くマムシを丸ごと摂取したことでクロは勃起が止まらないなか、熊に備えることとなるのだった。
〈精力もついた [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
ドランククイーン再び
アキラが山に入る間ヒマを持て余すヨウコは、以前バーで連絡先を交換した河合に目をつける。
〈河合で遊ぼう [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
河合を誘い出し、再びバーへ。
河合はヨウコをお持ち帰りしやすいよう、自分にだけ薄めの酒を出すように予めマスターにお願いする。
ヨウコの酒豪っぷりと河合の女癖の悪さの両方を知るマスターは2人の直接対決の見届け人となる決意を固める。
〈正々堂々と勝負だ [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
2人に出す酒の濃さは同じ―。
あくまでフェアな試合を運営するレフェリーに徹し、いよいよ直接対決のゴングが鳴った。
熊を撃退するアキラ
アキラとクロのもとに再び熊が姿を現す。
クロに襲い掛かる熊を大きな傘に見立てたテントとクロが持ってきていたドスを先端につけた槍で威嚇するアキラ。
〈アキラvs熊 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
ドスの先にはマムシの毒が塗り込んであり、アキラは槍ごと熊に刺して撃退に成功する。
終わってみればあっさりとした熊との対決。
また何事もなかったかのようにサバイバル生活に戻るアキラに、死にかけたクロは驚きと感激を隠せないのであった。
〈あっさりとまた修行再開 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
ペ・ダイヨチャ
ヨウコが上手く河合のトークを誘導し、2人はテキーラを一緒に飲むことに。
〈テキーラで勝負 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
ヨウコに攻撃を仕掛けられていることに気づかない河合は一緒に飲み、テキーラ20杯目を迎えるころには意識が飛び始める。
トイレで吐く河合は心配する素振りを見せるヨウコに「ペッ(唾を吐く音)だい…ヨ…ちゃ…(大丈夫、ヨウコちゃん)」と必死に返すが、このときヨウコの中で河合のあだ名は韓国俳優っぽい「ペ・ダイヨチャ」に決まる。
〈ペ・ダイヨチャ [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
そしてトイレから戻る河合。
足元はおぼつかず転倒して血を流しながら必死にヨウコの待つもとへ向かおうとする姿はゾンビ映画さながらの面白さが。
〈トイレから戻る河合 [ザ・ファブル 8巻](c)講談社/南勝久〉
マスターが勝負ありと判断し急性アルコール中毒で救急車を呼ぶ一方、ヨウコは目を輝かせながら喜ぶのであった。
【8巻のまとめ】
クロが志願したアキラの山籠もりは、ついていくだけで精一杯のサバイバル。
ヘビを食べ、その場にあるものを知恵と工夫だけで活用していく修行だった。
激しい後悔に襲われるクロに追い打ちをかけるように熊にも遭遇。
襲われる危険を味わいながらもアキラが熊を撃退し、クロは安堵しながらも殺し屋のかけ離れた感覚に驚愕する。
一方、暇を持て余すヨウコは玩具に認定したナンパ男・河合を誘い、バーでサシ飲み。
河合はいいように飲まされて酩酊し、その壊れっぷりにヨウコは目を輝かせながら喜ぶのだった。
次巻へ続きます。
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