S級に昇格してから壁にぶち当たり、思うように成績が伸びない麟太郎。
たまたま観戦に来ていた鍼・灸・指圧の国家資格を持つコンディショニングトレーナー・伊藤一路と出会い、フォーム改善と強化に向けて心強い見方を得た。
同期のライバルたちが集うルーキーチャンピオンレースや競輪とは違う「競技」が数多く開催される「全プロ」のチームスプリントでは惜しくも優勝を逃したものの、会心の走りで最高グレードGⅠ開催の「寛仁親王牌」への出場権を獲得。
そしてトップ選手たちが集う寛仁親王牌ではレースを通じて成長を遂げながらも力及ばず好成績が残せなかったものの、推薦枠でオールスターに出場が決まる。
オールスターでは麟太郎も気合十分で二次予選に臨むが、厳しいマークにあい思うような展開に持ち込めず、さらに不運なことに大落車に巻き込まれて無念のリタイアとなってしまった。
落車によって大事な利き手の指を骨折してしまい、完全復帰を目指してトレーニングに励んだ麟太郎は、ぶっつけ本番ながらもヤングGPでの激闘を制し、復活を遂げる優勝を果たした。
このまま翌年のGPで秋谷と対決に向けて気合が入る麟太郎だったが、ミホが不妊に悩んだ末に麟太郎のもとを去ったことがきっかけでしばらく調子を落としてしまう。
メンタルの不調から自力で立ち直った麟太郎は、杏里たちの支えで元気を取り戻したミホと入籍し、ここから本来の勢いを取り戻して快進撃が始まった。
最後のギアアップに成功した麟太郎の走りは、まるで伝説の徹底先行と言われた鷹取誠吾を彷彿とさせるものだった。
GⅡレースの「サマーナイトフェスティバル」で見事な優勝を飾り、いよいよ秋の競輪祭で秋谷との直接対決のチャンスを迎える。
賞金ランキング次第ではGP出場権も懸かる勝負が始まるのであった。
23巻のあらすじを振り返ってみましょう。
寒川の秘技が炸裂
あえて1人に抜かせた後、その2番手についていた富士見に自ら牽制し、先頭の後ろで少しだけ足を休ませてから再びギアを上げて捲る。
最後の直線は五漢・寒川との勝負。
最後の追い込みでラスト1段ギアを上げる麟太郎と、ありったけの力を振り絞る五漢、そしてタイガージャンプで一気に前に出る寒川。
なんとか食らいつく麟太郎だったが、寒川はこの日のためにずっと研いできたもう一つの必殺技、ハンドル投げで車体を前に出しながらゴールし、1着をさらってみせたのだった。
「Odds VS!」23巻©双葉社/石渡治
秋谷からの挑戦状
賞金ランクを争うライバルたちも順調に勝ち進むなか、初日の最終レースでは秋谷が賞金ランク1位のハチと激突。
「Odds VS!」23巻©双葉社/石渡治
ハチはいつも通り小鳩とラインを組むが、この日は秋谷が先行として小鳩を牽く奇策に出た。
麟太郎はその意図を、先行の走り方を弟子である自分に見せつけるための挑戦状だと認識。
先頭で逃げる秋谷は、ハチにわざと抜かせたうえでその番手に魔の牽制を食らわせ、ハチの番手の位置を奪い取った。
秋谷の狙いは、最強の先行であるハチを番手として差せるかの勝負をすることだったのである。
2人の一騎打ちとなり、最後にギアを上げたハチに対して秋谷は師匠・鷹取のような最後の一踏みで加速し、ハチを上回ってゴール。
「Odds VS!」23巻©双葉社/石渡治
麟太郎は秋谷から自分の目指すべき走りのヒントを掴むのであった。
ガールズも盛り上がりを見せる
女子選手たちによる競輪祭は2ブロックに分けられ、3日かけてガールズGPへの切符をかけて戦う方式。
「Odds VS!」23巻©双葉社/石渡治
グループBの予選では元アイドルの大星由良がファンの大声援を受けながらも2着。
沓掛、一色、サラの3強もそれぞれ順当に勝ち上がり、盛り上がりを見せるのだった。
執念の走りを見せるバリコ
2日目のレースではバリコが先行として同じラインの村雨兄を牽くことに。
村雨兄を勝たせるために全力を出して潰れるかと思いきや、バリコは自分が先行として村雨兄と最後まで勝負する執念の走りを見せる。
「Odds VS!」23巻©双葉社/石渡治
その心気を買った村雨兄も番手として他のラインを牽制しながらバリコを守り、村雨兄が1着、バリコが2着のワンツーフィニッシュとなったのだった。
【23巻のまとめ】
予選では寒川が繰り出した秘技「ハンドル投げ」に後れを取り、2着となった麟太郎。
初日から競輪祭は大きな盛り上がりを見せるのだった。
次巻へ続きます。
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