地球上から根絶されたハズの伝染病・天然痘を疑われる患者が都内で多数発生。
牧野の依頼を受けた紐倉と高家は、感染経路を辿るうちに、これがただのアウトブレイクではなく、バイオテロの可能性があることに行き着く。
犯人の正体、その意外な目的とは?
2018年イブニングでスタートした、義手の天才学者・紐倉哲が主人公の医療ミステリー。(U-NEXT作品紹介文より引用)
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登場人物紹介
紐倉 哲(ひもくら てつ)
主人公。『ネメシスの杖』では主人公・阿里の協力者として登場する。右腕が義手の科学者。
コスタリカで虫刺されに苦しんでいる猿が背中をこすりつけていた木の成分を元に開発したかゆみ止めの薬で莫大な資産を築き、神奈川県の箱根の潰れた植物園を買い取って研究所としている。
専門は寄生虫だが、医学に留まらない様々な分野に精通した知識を持つ。
自分が興味を惹かれない案件には関わろうとしないが、一端関わると法や倫理を無視する行動を平気で取る。
右腕を失った経緯は不明だが、『ネメシスの杖』の時点では義手になって間もない様子が描かれている。
高家 春馬(たかいえ はるま)
紐倉の助手。『まじめな右腕』から登場。
かつては医者として活動していたが、紐倉と出会った時点では辞めて塾講師をしていた。
いとこの花森明鈴が亡くなった事件において紐倉と関わり、助手となった。
再就職も難しく路頭に迷っている所を紐倉に助手として拾われる。
医者として腕を磨いて「国境なき医師団」に入団するのが夢。
牧野 巴(まきの ともえ)
外務省より出向している内閣情報調査室健康危機管理部門に所属する女性官僚。
紐倉をアドバイザーとしており、彼に様々な依頼を持ってくる。
雪村 潤月(ゆきむら うづき)
紐倉研究所のコック募集を見てやってきた未成年の少女。
静岡県横走出身。住み込みで働きだす。
前作『リウーを待ちながら』の登場人物で、多剤耐性型ペストにより母親を亡くし自身も罹患した過去を持つ。
恵良 守男(えら もりお)
牧野の護衛を務める側近の黒服。
米谷 賢治(よねや けんじ)
恵良の旧友。公安で国際テロ対策の情報担当を務めていたが亡くなった。
イレーナ
恵良と米谷との共通の友人。米谷と親しくしており、彼にスペイン語を教えていた。
小堀(こぼり)
恵良の警視庁時代の同期の女性。
永井 清知(ながい きよかず)
「オルフウイルスを用いたシカ不妊ワクチン」の論文著者。紐倉にバイオセキュリティ・レビューを依頼する。
研究室には二週間の海外家族旅行と連絡していたが、実際は二階によってウイルスを奪われ、家族を人質にとられて自身もウイルスに感染させられて監禁されていた。
救出後、シカの増加による森林被害について紐倉に語るも、事件の責任をとって論文を撤回した。
二階 練介(にかい れんすけ)
関東医大感染症内科臨床助教。永井ウイルスを盗み出し、一連のバイオテロを起こした犯人。
妻と離婚調停中で娘の親権を手に入れるため、娘にだけワクチンを打って無差別テロに見せかけて妻を殺すのが目的だった。
紐倉のハッタリに動揺し、高家に組み付かれてウイルスを取り上げられ、逮捕された。
深谷 明人(ふかや あきひと)
深谷スポーツクリニックの院長。選手のドーピングに関わっており、患者が死亡したため逮捕された。
野桐 俊(のぎり しゅん)
オリンピック男子マラソンで金メダルを獲った選手。
スポーツ貧血などを乗り越え異常なほどの摂生した生活を送る苦労人で国民栄誉賞候補となっている。
紐倉の調査の結果、遺伝子ドーピングを行っていたことが判明したが、オフターゲット効果で組み替えミスをした遺伝子を戻してしまったため急性骨髄性白血病を発症してしまった。
東京国際マラソンの競技中に嘔吐してしまい、そのまま入院。国民栄誉賞も取り消しとなった。
東野 潔(ひがしの きよし)
野桐の元コーチ。深谷にコンサルタント料名目で多額の金を払っていた。
深谷逮捕後、野桐の秘密を守るために谷川岳で滑落死した。
源田 絵凪(げんだ えな)
源田外務大臣の娘。啓京大学経済学部の3年生。
衛藤(えとう)
免疫研究センター内に自分のラボを持つ研究者。
紐倉ともかつて共に大便や腸内細菌の研究をしていたことがある。
パワハラ気質であり、実の息子を自殺で亡くしている。
水野 和吉(みずの かずよし)
衛藤のラボのNo.2。研究室の爆発事件に巻き込まれて命を落とす。
目黒 怜花(めぐろ れいか)
衛藤のラボの研究員。裏の顔は論文の捏造を告発するサイトの管理人「塗られネズミ」。
かつて同じラボの研究員である加瀬と交際していた。
加瀬 裕紀(かせ ゆうき)
衛藤のラボの研究員。人当たりがよく、パワハラ気質の衛藤からもまるで息子のようにかわいがられている。
前田(まえだ)
衛藤のラボの女性研究員。加瀬と交際している。
室田(むろた)
衛藤の研究に出資していた花田発酵生命研究所の担当者。
論文のゴーストライターでもある。
横井 善三郎(よこい ぜんざぶろう)
久地木村で長らく村長を務めている老人。
40年ぶりの村長選挙を控えて事件に巻き込まれ、紐倉に助けを求めることとなる。
幸田 アラタ(こうだ あらた)
久地木村の村長選挙に出馬した若者。久地木村で療養施設を営む元薬剤師。
その正体は幻覚作用や毒のあるキノコなどを摂取させることで自分の信者を増やす宗教家であり、久地木村の乗っ取りを画策している。
楽山(らくやま)
久地木村で民宿を営む老人。
横井陣営の1人で、村の案内役。