リカオンズ悲願の優勝を目指す”悲運の天才打者”児島は、ミニキャンプに来た沖縄で天才勝負師の渡久地東亜と出会う。
渡久地は1打席勝負の賭け野球「ワンナウト」で無敗を誇る投手であり、速球も変化球もないが並外れた度胸、洞察力と読心術で相手打者を翻弄する。
野球をバカにしていると憤る児島は渡久地にワンナウト勝負を挑むも惨敗。
勝利を渇望する児島は「負ければ現役引退、勝てば渡久地が二度と賭け野球ができないよう右腕をもらう」という決死の覚悟で渡久地に再戦を申し込むのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
渡久地vs児島 ワンナウト勝負のリベンジ
児島と渡久地の再戦。
児島の仕草から右手首を負傷していることを見抜いた渡久地は、徹底して内角高めを攻める。
〈児島の負傷を見抜く [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
2球で追い込み、3球目も同じコース。
どうしても勝ちたい児島は思いっきり踏み込んでボールに当たりに行った。
〈死球をとりにいった児島 [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
故意のデッドボールで右肘を痛めてしまう児島だが、取り決め上有効は有効。
渡久地は潔く負けを認め、児島は約束通り渡久地の右腕をもらうことに。
といっても腕を折るわけではなく、児島は渡久地をプロ野球にスカウトし、その才能を見込んでリカオンズの優勝を託すのだった。
〈リカオンズの優勝を託す [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
年俸は完全出来高制の「ワンナウツ契約」
渡久地が入団することとなった埼京彩珠リカオンズは、3年連続最下位にあえぐ弱小球団。
しかし児島の存在や親会社ゼネコンの利を生かした大規模スタジアム所有などもあり、観客動員はまずまず。
〈彩川オーナー [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
オーナーの彩川恒雄は球団経営を銭勘定でしか見ておらず、チームの勝敗は二の次。
そんななか特例で入団を果たした渡久地は、さっそくオーナーと契約金の交渉に臨む。
彩川は前歴のない渡久地に年俸提示できないことを告げるが、渡久地は「1アウトで+500万円、1失点でー5000万円」という破格の出来高払いを逆提案する。
〈ワンナウツ契約 [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
渡久地の実力からして黒字になると計算した彩川は、この提案を快諾。
異例の「ワンナウツ契約」が締結されるのだった。
オープン戦で荒稼ぎする渡久地
さっそく渡久地がオープン戦で登板。
すると3回から投げそのままパーフェクトピッチングを披露する。
21アウトで合計1億500万円を荒稼ぎし、彩川に請求書を突きつけた。
次のフィンガースとのオープン戦で渡久地を先発させ、「3失点するまで降板させるな」と指示する彩川。
一方の渡久地は投球練習すらスキップするふてぶてしい態度で試合に臨むも、次々と相手打者を打ち取っていく。
試合が膠着する中、フィンガース先発で昨年新人王の河中とリカオンズ正捕手の出口がいち早く渡久地の恐ろしさに気づいた。
終盤に入りリカオンズが1点を先制、フィンガース打線は最後まで渡久地を打ち崩すことができず、まさかの完全試合となった。
〈オープン戦で完全試合達成 [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
渡久地はその後もオープン戦でピシャリと抑え、開幕1軍が決まる。
オープン戦終了時点、ワンナウツ契約による渡久地の年俸は既に2億7000万円にまで達していた。
開幕スタートダッシュに失敗
大きな期待と共に開幕を迎えたリカオンズ。
しかし待っていたのはまさかの開幕11連敗だった。
それもそのはず、児島がまだ右手首の負傷で離脱しているうえ、彩川が渡久地の投球を他球団に研究する時間を与えるため、渡久地を登板させなかったのである。
監督もオーナーに逆らわず、そして遊撃手の吉田もオーナーの言いなりだった。
〈彩川オーナーの絶対王政 [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
そんななか、リカオンズは初回に11点を失ったところで渡久地を登板させることに。
圧倒的不利な状況で渡久地にようやく出番が回ってくるのだった。
〈渡久地が初登板 [ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
足を引っ張る吉田を追放
大勢はほとんど決まっているうえに、吉田はオーナーの指示でわざとエラーし、渡久地の足を引っ張る。
〈オーナーの指示で吉田がわざとエラー[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
吉田のせいで早くもノーアウト3塁、失点すれば渡久地は5千万を失う場面。
渡久地は吉田にフェアグラウンドから出るように命令し、あえて8人で守備することに。
〈吉田を守備から追放する渡久地[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
暴挙に走る渡久地だが、初回で投手を使い切ってしまったリカオンズは渡久地を続投させる。
渡久地はこのピンチでも「ここから1点も取らせない」と宣言し、相手のイーグルスを挑発するのだった。
ピンチに発奮するリカオンズ
2つの内野安打でノーアウト満塁にピンチが拡大。
後がない渡久地だが、迎えた打者の打球は痛烈なサードライナー。
そのまま飛び出したランナーをアウトにし、奇跡のようなトリプルプレーでピンチを脱した。
〈トリプルプレーで無失点に[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
その後も毎回のようにランナーを背負いながらもリカオンズは8人で粘り、6回まで無失点で切り抜ける。
渡久地はあえて8人にしたことでチームの危機感を高め、うまく発奮させていた。
〈渡久地の策略[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
相手の守護神を打ち崩せ
そしてリカオンズの逆襲が始まる。
流れを引き寄せ、4点を返し、7点差。
しかしイーグルスも早めの継投で昨年の最優秀救援投手、守護神の水橋を投入する。
〈相手の守護神・水橋[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
水橋にいったん流れをシャットアウトされてしまうが、それでも渡久地は水橋のフォームにクセがないことを逆手に取り、「スライダーを投げる時グラブが開く」と相手チームにギリギリ聞こえるように吹き込む。
水橋はこれで意識したのか、スライダーを投げる際にグラブをより閉じるようになり、リカオンズはそれを目印に水橋を狙い打った。
〈クセが無ければ作ればいい[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
勢いに火のついたリカオンズは1点差まで詰め寄り、8回裏のイーグルスの攻撃を迎える。
渡久地に感化された吉田
疲れが見え始めた渡久地が打たれ、ワンナウト1塁3塁のピンチ。
オーナーの指示で「渡久地に頭を下げてでも吉田が守備に戻り、再び足を引っ張れ」と命令を受ける。
しかし吉田は渡久地に触発されてオーナーの指示を無視、チームの勝利にために全力を尽くすように。
〈吉田も全力プレーするように[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
好守でピンチを切り抜け、9回表リカオンズの攻撃。
勢いそのままに吉田の好走塁で逆転に成功するのだった。
オーナーに造反した吉田
吉田はドラフト1位で投手として入団しながらも、2軍で燻っていた。
そこで八百長に手を出してでも結果を残そうとしたところをオーナーに見つかり、弱みを握られるかたちで言いなりになっていたのである。
〈オーナーに弱みを握られていた吉田[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
しかし今は渡久地に触発され、自分の可能性を信じてオーナーに背く決意を下したのだった。
渡久地が退場、吉田が緊急リリーフ
そして9回裏、疲れが見える渡久地はコントロールが乱れだし、ワンナウト1塁2塁のピンチ。
〈マウンドを降りたい渡久地[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
降板が許されない渡久地はあえて相手打者に危険球を投げ、退場という形で交代する。
ワンナウト満塁のピンチに緊急登板したのは、元投手の吉田。
〈吉田が緊急リリーフへ[ONE OUTS 2巻](c)集英社/甲斐谷忍〉
渡久地がまんまと無失点で降板したことに腹をたてたオーナーは、「吉田の失点は渡久地の責任払い」として渡久地に言い伝えるのだった。
【2巻のまとめ】
児島は勝負への執念で渡久地とのワンナウト勝負に勝ち、渡久地は児島に従って「リカオンズを優勝させる」という目的のもと入団することに。
球団経営を銭勘定でしか考えないリカオンズオーナーの彩川と「1アウトで+500万円、1失点でー5000万円」という完全出来高制の年俸契約(通称:ワンナウツ契約)を結び、渡久地のプロ野球選手としてのシーズンが始まった。
渡久地は相手打者をことごとく手玉に取りオープン戦で快投を見せ早くも荒稼ぎするも、損益を懸念した彩川オーナーは開幕後ピンチの場面にしか渡久地を投げさせないことを決める。
チームは開幕11連敗と厳しい船出となり、イーグルス戦で初回に大量失点し投手を使い切ったところでようやく渡久地に初マウンドの機会が与えられた。
渡久地は見事にピンチを脱したうえにチームを発奮させ、相手の守護神を打ち崩して試合をひっくり返す。
そして最終回イーグルスの攻撃、疲れが見える渡久地はわざと危険球を投げて退場し、リリーフには遊撃手の吉田がマウンドへ。
始めは彩川オーナーのイヌだったが、試合を通して渡久地に触発され自分の可能性を信じる吉田は、チームを勝利に導けるのか―。
次巻へ続きます。
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