夏休みの自然学校で出会った15人の少年少女たちはココペリと名乗る男と出会い、「巨大ロボットを操って敵から地球を守るゲーム」に参加することに。
ウシロの妹であるカナ以外全員がパイロットとして契約を済ませ、ゲームが始まる。
コエムシと名乗る口の悪いマスコットにサポートされながら、ココペリは実際に巨大ロボット「ジアース」を操り敵を撃破した。
しかし契約が済んだあとで「ジアースは1回戦闘するごとに操縦者の命を奪う」「相手は並行世界の地球」「負けるか48時間以内に決着がつかなければ地球は滅亡する」というルールが明かされ、子供たちは勝って自分たちの地球を守りながら死ぬか、負けて地球と共に死ぬかの運命を突きつけられる。
巨大ロボットによる戦闘を受けて国防軍も動き出すが、軍の火力ではまともなダメージを与えることができない。
戦闘以外での死亡などによりパイロットが不足するなか、軍からのサポート要員である関と田中が予備パイロットとして契約を済ませた。
既にワク、コダマ、ダイチ、ナカマ、カコ、チズ、モジ、マキ、キリエ、コモが命を落とした。
次のパイロットはアンコ。
ニュースキャスターの父も軍に協力し、ジアースのパイロットとして特番を制作することとなる。
コックピット内にカメラを入れて戦闘を生中継するが、その戦闘でアンコが負傷。
悲鳴が響き渡るショッキングな映像となるが、父は心を鬼にして中継を続行するのだった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
世界で一番有名な女の子に
衝撃的な映像となりながらも、アンコは戦意を失ってはいない。
逆に世界中からアンコへの応援メッセージが寄せられ、接近戦でアンコが逆転した。
〈アンコが逆転 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
敵の核を手中に収めたところでカメラは引き上げようとするが、コエムシは転送を許さない。
アンコがこのまま死ぬという事実を知りながら、父はやむなく中継を続行し、アンコから全世界に向けて発信をすることに。
〈アンコが全世界へ発信 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
アンコは父が見守るなか番組の筋書きに沿ってしっかりと自分の想いを伝えきり、戦闘を終えて息を引き取る。
この宣言でアンコは世界で一番有名な女の子となり、世界の論調は同情的に、報道関係も過激な追及を避けるようになるのだった。
カンジとウシロ
次のパイロットはカンジ。
飄々としながらほの暗い恐怖に耐えているカンジは、自分の後のことも考えながら唯一心配なウシロを呼び出す。
街のシンボルである沖天楼で自殺した母のことを想いながら、友人としてウシロにカナを守るように諭す。
〈ウシロに寄り添うカンジ [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
やり場のない感情をぶつけられるカナの存在に甘えていたという本心を突かれ怒りがこみあげるウシロだが、ウシロも友人としてカンジに大事なことを告白する。
「おれ契約、してない。」
〈契約していなかったのはウシロ [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
ウシロが戦うことは無いと知り、胸をなでおろすカンジ。
カンジはカナから「自分が兄にいじめられてても止めないでほしい」とお願いされていたことを明かし、その裏にあるカナの想いをウシロに告げる。
動揺するウシロにさらにもう1つ。
「マチには、気を付けろ」
これが友人として送るカンジからのアドバイスだった。
〈カンジからのアドバイス [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
後手に回るカンジ
敵が現れ、戦闘が始まる。
敵は小さなものを噴射し、攻撃するとともにどこかへ姿を隠した。
〈敵が姿をくらます [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
何をされたかわからないまま、カンジはひとまず母の墓である沖天楼への被害を確認する。
両親ともに建築設計士として開発に携わった沖天楼。
欠陥建築である事実を知り母は戦おうとしたが、関わった額が巨大すぎてどうすることもできず、精神が弱った母は落城式から間もなくして沖天楼の屋上から身を投げた。
父はどうして母を支えなかったのかわからないが、その後出世を果たす。
母を亡くした者同士、それ以来ウシロとは仲良くなった。
〈母の墓標である沖天楼 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
敵は姿を消し、攻撃で崩れかけた沖天楼を支えながら生存者救出に協力するカンジ。
ほどなくして敵がハワイまで退却しているとの情報を軍が掴む。
〈敵はハワイから砲撃 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
敵は超長距離からジアースめがけて攻撃を放射。
最初に発射したのはマーキングのためのものだった。
街を守るためにはジアースは動けないが、敵への攻撃手段がない。
完全に後手に回るカンジ。
第一射は幸運にも精度が低く街から逸れたところに着弾するが、考える時間はあまり残されていない。
どうしても母の墓である沖天楼を崩壊させたくないカンジは、その場でジアースの装甲を犠牲にして攻撃を耐えて凌ぐ。
〈防戦一方 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
悪化していく状況を前に、アメリカの要請のもと、国防軍が敵めがけて核を使用することとなった。
超長距離狙撃作戦
じきに作戦が立てられるが、そうしているうちにジアースが被弾して足を失ってしまう。
しかし頼みの綱の核は全くダメージを与えることができなかった。
既にジアースは動くことはできず、万事休す。
〈万事休すか [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
敗北を覚悟したとき、ウシロがある攻撃を思いつく。
カンジのよく知る人を敵に接近させ、その人の魂をマーカーにしてジアースのレーザーで撃ちぬく。
関がターゲット役に名乗りを上げ、陽動隊への志願者22名と共にハワイへ。
〈志願する関 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
死ぬ覚悟を固めた隊員たちがカンジと言葉を交わし、出撃していく。
自分の我儘のせいで隊員たちが死に向かっていくことに責任を感じながら、カンジは決意を固めた。
カンジは沖天楼で母が死んだ責任を父に取らせるよう遺言を残し、関たちがマーキングの位置につく。
〈関たちもろとも狙撃 [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
カンジは隊員たちの位置をめがけてレーザーを連射し、地球を一周して敵の核を射抜いた。
勝ったカンジはコエムシの力で沖天楼の屋上へ転送し、母と次に戦うパイロットたちを想いながら命を落とす。
そして次のパイロットが指名される。
選ばれたのは、カナだった。
〈カナが指名を受ける [ぼくらの 8巻](c)小学館/鬼頭莫宏〉
【8巻のまとめ】
負傷しながらもアンコは逆転。
パイロットとしての心情などを全世界に向けて発信し、「世界で一番有名な女の子」として夢を叶えながらアンコは静かに逝った。
次はカンジの番。
友人であるウシロに腹を割って「妹を大切にしろ」と諭すと、ウシロも本当は契約していないことを告白した。
ウシロが戦わなくて済むと安堵したカンジは戦闘に臨み、母の墓標である街のシンボル、沖天楼を守りながら戦う。
関をはじめ志願兵たちを犠牲としながらもカンジは辛勝。
しかし次にパイロットに指名されたのは契約していないはずのウシロの妹、カナだった。
次巻へ続きます。
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