1977年の夜鳴村。
本多一成と本多奈津子は従姉同士でありながら相思相愛の関係だが、2人の仲を反対されたことに反抗した奈津子は呪術家である実家の薬庫に閉じこもってしまう。
その数日後から「王様」を名乗る謎の人物から命令を記した黒い手紙が村人のもとへ届くようになった。
一成は親友の勇二や友人のミチ子、龍司らとともに最初はゲーム感覚で命令に従うが、従わなかった村人が次々に死んでしまう。
誰が犯人なのかもわからず異常事態に村中が騒然となり、殺人事件として警察も捜査に入るが、その目の前でも人が死んでいく。
見る見るうちに村人が減っていったある日、奈津子の姿が見えないことに気づいた一成。
奈津子の姿が見えなくなると同時に王様からの手紙も届かなくなり、心配する一成をよそにミチ子や修平らは安堵する。
しかし単独で奈津子を探し続けていた一成は王様からの手紙が掲示板に貼られているのを見つけてしまう。
その内容は「8時間ごとに1名が自殺しろ。従わなければ無作為に1名が死ぬ」というものだった。
生物学者の宮沢が王様ゲームの正体が特殊なウイルスであることを突き止め、拡散を防ぐために警察や医師らが村から撤退を決める。
夜鳴村は封鎖され、無法地帯と化す。
母を目の前で亡くし精神的に弱っている和也をミチ子が自殺させ、王様の命令を完遂したが、続く命令は「一成、ミチ子、修平の3人がそれぞれ村人を2人殺せ」というもの。
殺す者と逃げる者のバトルロイヤルが始まった。
人殺しに躊躇する一成をよそに、ミチ子は真っ先に父親を殺し、修平も山の中へ逃げた村人たちを追う。
勇二が撃たれ、一成が何とか助けようとしたものの途中で息絶えてしまった。
さらに龍司も吊り橋の上でミチ子と修平に挟み撃ちになってしまうのだった。
6巻(完)のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
吊り橋から身を投げる龍司
追い詰められた龍司は、最後の嫌がらせとして橋から身を投げた。
〈龍児が自殺 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
残るターゲットはフミ子と王様に操られて手紙を置いた何者かだけ。
龍司が橋から身を投げたのを草むらから見ていた母のフミ子は声を殺しながら見ていた。
〈声を押し殺すフミ子 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
奈津子との再会
一成はどうしても誰かを殺す気にはならず、遺書を書き始める。
自殺も考える一成。
と、そのとき集会場の床下から衰弱した奈津子がはい出てきた。
〈奈津子と再会 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
奈津子は修平やミチ子らによって王様と疑われ、崖から突き落とされていたのである。
死ぬ気でいた一成だが、奈津子を守るために修平とミチ子に立ち向かう決意を固めた。
バトルロイヤルの結末
その頃、修平は家に立てこもって自ら火を放ったフミ子に手を焼いていた。
〈フミ子が焼身自殺 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
目の前で息子の龍司が自殺に追い込まれた恨み。
ここでフミ子も自殺したことで、ミチ子と修平は互いに殺し合うしかなくなった。
修平はターゲット一成に移し、銃弾が一成の足をかすめる。
家に逃げ込んだ一成だが、修平が追い詰める。
押し入れの中に身を隠していたところを見つかってしまい、万事休すというとき。
一成が咄嗟に突き出したナイフが修平の心臓にあたり、修平が死んだ。
〈修平の胸にナイフが刺さる [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
そしてミチ子もまた一成にカマで襲い掛かる。
一成への思いを口にしながら切りかかってくるミチ子。
〈ミチ子が襲い掛かる [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
一成はマウントポジションを取られ、トドメを刺されそうになる。
が、そこで午前0時のタイムリミットを迎え、ミチ子の全身の皮が剥がれていく。
〈タイムリミットを迎える [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
一方の一成は修平と、また勇二も殺した扱いとなり命令を遂行できていたため無事だった。
奈津子が語る事件の真相
生き残っているのは一成と奈津子のみ。
久々に2人だけで静かな朝を迎えた一成だが、奈津子が目を覚まさない。
一成は奈津子のためにクマのぬいぐるみを枕元に置き、堂島たちに助けを求めた。
奈津子は医者によって治療が施され、その日は王様からの手紙も見つからなかった。
そのまま数日が何事もなく過ぎ、奈津子が目を覚ます。
まだ回復しきっていない奈津子は一成に自分の持っていた薬を飲ませてもらい、自分の知る王様ゲームの真相を語り出す。
〈奈津子が真相を語る [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
王様に操られていたのは、奈津子だった。
記憶のない時間帯がいくつもあり、その直後に手紙が見つかっていたこと。
さらに、自宅の薬庫に閉じこもった日に自暴自棄になり「絶対に触ったらいけない」と言われていた壷を割ってしまったこと。
その壷の中身は呪術家秘伝の大量に人を殺すために作られたものだったこと。
こぼれたウイルスが意思を持ち、奈津子から村人たちに感染していったのである。
王様からの最後の命令
真実を知ってもまだ奈津子をかばう一成。
しかし奈津子は王様からの最後の命令の手紙を持っていた。
「命令9 本多一成は本多奈津子を殺せ。命令に従わなかった場合には脳死の罰を与える。」
一成に自分を殺せるわけがない。
そう先回りしたうえで、奈津子は自分に薬と偽って毒を飲ませていた。
〈奈津子が服毒 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
涙ながらに戸惑う一成の目の前で、奈津子は一成への思いを口にしながら息絶えた。
一成の頭は愛する奈津子を追い詰めた村人たちへの恨みで染まっていく。
「お前たちの命を捧げ…本多奈津子を生き返らせるための…犠牲となれ」
その言葉を口にした夜、奈津子のポケットから王様の手紙が落ちる。
「命令10 最後に生き残った者は王様ゲームを続けるか罰を受けるか選べ。」
〈最後の命令 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
エピローグ:30年以上経ち再度始まる王様ゲーム
数か月後。
一成は自分で建てた小さな鳥居の下に奈津子を埋葬し、供養としてクマのぬいぐるみを添える。
罰を受けることを選んだ一成だが、罰で死ぬことは無かった。
身体に残るウイルスは感染の確率が低いと判断され、堂島や宮澤の手配で村のふもとの施設に移り住むことになった。
夜鳴村はそのまま閉鎖され、村を去る一成。
〈夜鳴村を去る [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
それから32年が経ち、高尾理恵という女性との間に双子の娘を授かった。
1人は奈津子と名付けたが、名前を呼ぶたびに過去の幻影に苦しめられ、虐待してしまったがためにいまは広島在住の母のもとにいる。
その分もう1人の娘である智恵美には精一杯の愛情を注ぐ日々。
〈幸せな日々 [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
しかし平穏な日々は突然終わりを告げる。
智恵美の携帯に「王様」からのメールが届いてしまったのだった。
〈智恵美に届いた王様のメール [王様ゲーム 起源 6巻(完)](c)双葉社/金沢伸明・山田J太〉
【6巻(完)のまとめ】
バトルロイヤルを経て生き延びた一成と奈津子。
しかし王様からの命令によって奈津子は死を選び、一成だけが生き残った。
それから30年以上経ち、双子の娘にも恵まれ平穏な暮らしを手に入れたかに見えた一成。
しかし智恵美の携帯に王様からのメールが届き、再び現代で悪夢が始まるのだった。
次シリーズへ続きます。
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参考死を呼ぶ王様ゲームの始まり、夜鳴村での事件の真相『王様ゲーム 起源』全6巻【ネタバレ注意】
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