空手の大会に颯爽と現れ、あっさりと優勝した範馬刃牙。
その正体は東京ドームの地下に存在する禁じ手なしの裏闘技場のチャンピオンだった。
地下の闘技場では現役横綱やプロレスラーをはじめ、様々な闘技者が禁じ手なしの異種格闘技戦を繰り広げる。
チャンピオンである刃牙は”紐切り”を得意とする鎬昂昇・マウント斗羽・鎬紅葉を倒すが、「地上最強の生物」と謳われる父、勇次郎にはまだまだ到底及ばない。
父との対戦に向けて過去に想いをはせる刃牙。
13歳の頃の刃牙は不良集団を相手に真っ向から喧嘩するも途中でKOされてしまう。
大富豪である母、朱沢江珠の管理下で英才教育を受けていたが、より強くなるために自立することを宣言し、家出した。
中学校では敵なしの存在だが、江珠は部下の栗谷川に刃牙の対戦相手を探させる。
そこで名前が挙がったのは日本一強いヤクザ、花山薫。
栗谷川は早速接触を図り、花山も刃牙とその先にいる勇次郎に強い興味を持った。
一方の刃牙はボクシングjウェルター級最強のユリー・チャコフスキーとスパーリングするも、手も足も出ずに惨敗。
何もできなかった悔しさで涙を流すのだった。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
山籠もり修業へ
ひととおり暴れたところでジムの人間に諫められ、頭を冷やした刃牙。
刃牙が帰宅すると、早速刃牙がユリーに負けたことを聞きつけた江珠が待っていた。
江珠は息子に口づけし、トレーニングを応援していることを告げる。
母の愛を受け取った刃牙はこれまで以上に本気でトレーニングすることを決意し、入念な準備の下山籠もりをすることにした。
〈山籠もりへ [グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
夜叉岩でのキャンプ
刃牙が向かったのは岐阜県の飛騨山脈。
自衛隊のレンジャーたちがサバイバル演習を行うさらに山奥へ、刃牙は大荷物を持って歩いていく。
向かった先は、安藤玲一という父の知り合いがいる山小屋。
〈安藤玲一[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
安藤は巨体とパワーが持ち味で、刃牙にも山奥での生活をさせることで刃牙を鍛えることを申し出る。
しかし刃牙はその申し出を断り、「夜叉岩」という伝説の地で一人でキャンプを張りたいと言い出した。
山奥で15年暮らす安藤でさえも近づきたがらない、危険な場所。
身長2メートル以上、推定150歳の巨大な猿、通称「夜叉猿」のアジトである。
〈夜叉岩[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
それでも刃牙は並々ならぬ決意で夜叉岩でのキャンプを強行する。
夜叉猿との接敵
夜叉岩の前でウェイトトレーニングをする刃牙。
その背後から夜叉猿が現れ、軽々とバーベルを捻じ曲げる。
〈夜叉猿[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
その異様さに怖気づく刃牙。
すかさず安藤が斧を投げて威嚇し、青龍刀を手に夜叉猿へ挑む。
しかし夜叉猿は簡単に刃を噛んで折り、殴りかかった安藤の右手の指も噛み千切った。
〈夜叉猿が安藤を襲う[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
そのまま安藤の腹に爪を突き刺して腸を露出させる。
悲鳴をあげ、刃牙に助けを求める安藤。
〈悲鳴を上げる安藤[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
刃牙はとっさにオイルランプとガソリンで夜叉猿に火をつけ、退散させる。
夜叉岩に残ったのは瀕死の安藤と動揺する刃牙だけだった。
1人山に残る刃牙
刃牙は半べそをかきながら安藤の巨体を背負って山小屋まで歩く。
安藤は意識が朦朧とする中、雷管の火薬を自分の腹に振りまき、火をつけて無理やり消毒する。
〈決死の消毒[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
刃牙が山小屋に会った非常ボタンを押し、すぐさま救急ヘリが助けに来た。
実はこの安藤、正式な山岳監視員だったのである。
そのまま安藤がヘリで搬送されていく。
今まで怖いもの知らずだった刃牙は夜叉猿へ抱いた恐怖心を克服すべく、山に残って安藤を見送るのだった。
〈恐怖心の克服へ[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
脳内麻薬と死に際の集中力
山では夜叉猿が先祖を祀る自分の寝床に帰り、興奮が冷めやらないのか、雄たけびを上げる。
雄たけびはこだまし、刃牙の耳にも届く。
安藤の残した大量の食糧を全て自分の血肉とするため、刃牙は無理やり食事を飲み込み、トレーニングに没頭する。
昔、父に教わったのは脳内麻薬エンドルフィンの存在と死の間際に発揮される驚異的な集中力。
3ヵ月後、刃牙は肉体改造を終えてエンドルフィンも感覚を掴んでいた。
〈脳内麻薬の制御[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
トレーニングの仕上げとして崖から飛び降り、死の間際の集中力もものにする。
ようやく刃牙は夜叉猿に勝つ自信を身につけた。
夜叉猿へのリベンジ
夜叉岩の前で焚火をし、瞑想する刃牙。
背後から夜叉猿が現れ、リベンジが始まる。
刃牙はファーストコンタクトで夜叉猿の左目を潰す。
〈リベンジ開始[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
そのままラッシュを仕掛け夜叉猿からダウンを奪うが、夜叉猿は目を潰されても一向に動じてはいない。
夜叉猿の反撃が始まり、人間にはとても真似できない攻撃に刃牙は手を焼く。
〈夜叉猿の反撃[グラップラー刃牙 11巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
そして頭部をひっかかれ出血し、そのまま掴まれて左肩を噛みつかれてしまう。
夜叉猿の牙が刃牙の左肩に刺さるのだった。
【11巻のまとめ】
ユリーに負けた刃牙は飛騨山脈での山籠もりを敢行。
父の知り合いである安藤の手ほどきのもと修業を開始し伝説の夜叉猿に挑むも、刃牙は手も足も出ず、助けに来た安藤が重傷を負ってしまう。
夜叉猿に打ち勝つべく1人山に残った刃牙は更なる修行で脳内麻薬の制御と死に際の集中力を体得し、リベンジに挑むのだった。
次巻へ続きます。
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