おバカが集まる龍山高校が倒産の危機。債権整理にやってきた桜木は急に気を変えて学校を再建することに。
その時桜木は1年以内に東大生を1人出して、学校を超進学校として有名にする方法を選んだ。
桜木自らが特別進学クラスの担任となったものの、集まった生徒は水野と矢島の2人。
伝説の教師・柳の力のもと10日間のスパルタ合宿で計算力を鍛える。
一方、桜木は現行の教師に対してテストメインで行う授業スタイルの革命についてくる者だけを再雇用すると宣言し、1・2年にも特別進学クラスを創設するなど学校改革に本格的に乗り出した。
そして英語教師の川口、国語教師の芥山、理科の助っ人・阿院が合流し、社会は桜木自らが担当しながら実力をつけ始める。
大手予備校の全国統一模試を初めて受けた水野と矢島だが、散々な結果に。
ただ今の段階で悲観することはなく、模試の直後から即座に対策と補強に乗り出す。
夏休みは自主的な学習をメインとし、過ごし方を伝授する桜木。
水野が模試で東大理科三類志望のイケメン・大沢と出会い意識し始めるなか、英語のリスニング対策をはじめ勝負の夏が始まるのだった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。
気合が入りすぎた水野
勉強へのモチベーションを高く保ち続ける水野だが、桜木は明らかに突っ走りすぎていると感じていた。
放置すれば周りも引っ張られてペースを乱したり、水野本人もオーバーホールしてしまいかねないため、桜木はペースを緩やかに落として調整するために午後に休みを取らせることに。
急に休みをもらった水野は大沢に会いに行こうとするが、大沢が部活に没頭している姿を見て「やっぱり大沢は勉強もスポーツも楽々こなせる宇宙人のような存在なんだ」と実感し、自分との違いに打ちひしがれてしまう。
自分と大沢が釣り合うわけがないと自信やモチベーションを失ってしまった水野は翌日も学校を休んでしまうが、水野から電話を受けた大沢は東大のキャンパスへと水野を連れ出す。
大沢の幼少期の話などを聞いて元気を取り戻した水野は無事に学校に再び姿を見せる。
水野が大沢と一緒に頑張る一方、矢島は「一人で戦って勝つ」と自分に誓いながら勉強に励むのであった。
矢島にもフラストレーションが溜まり始める
センター試験まであと5か月。
順調に学習は進んでいるものの、矢島は焦りとイライラが目立ち始めていた。
生徒の性格に合わせたアドバイスが必要と考える桜木は、生徒を「ウサギ派」と「カメ派」に大別。
気分にムラがあるが集中力が高まったときの爆発力や追い上げに優れる前者と、コツコツ努力を重ねることが得意だが急激な上昇は難しい後者。
どちらかが優れているのではなく、お互いに感じてる不安を取り除いてやるのが講師たちの役目であり、矢島が「カメ派」と見抜いた桜木は早速対処に出た。
特進クラスの生徒たちに心理テストとしてコップに半分の水が入った絵を提示した桜木。
その絵について「半分しか入っていない」と答えるか「半分も入っている」と答えるかで悲観主義か楽観主義かを見分け、受験に関しては楽観的に構えた方が余計なプレッシャーを感じずに済むという結論を植え付ける。
常にいい方に考えるポジティブシンキングの方法として、自分の身の回り全てに「マル」をつけるテクニックも伝授し、矢島の悩みを吹っ切るのであった。
東大数学の受験テクニック
再び大手予備校の東大模試に挑戦することとなった水野と矢島。
受けるのは河合塾・Z会共催の東大即応オープンと、駿台の東大入試実戦の2つ。
基礎力のアップに加えて受験のテクニックを身につける学習も始まる。
東大の数学においてはまず、開始と共に真っ白な答案用紙の真ん中に線を引き、左右に二分割すること。
数式を横に繋げていくのではなく、縦に解き進むことこそ美しい解答の型であり、初めからそう矯正することで数学的思考を身につけることにも繋がる。
そして2つ目のテクニックは、具体的なイメージから思考を始めること。
最初から抽象的に解こうとしても迷走しがちであり、まず具体的な数字を想定したり代入し、それを足掛かりにして推理すること。
最後の3つ目のテクニックは、全問解こうとしないこと。
全問を時間内に解き切るのは宇宙人だけであり、下手に1問に拘ると深みにハマって悲惨な結果に陥る危険がある。
水野と矢島に必要な戦い方は1つの問題を解き切るのではなく、部分点を取ってかき集めることを第一とし、その延長上にある一問完答を目指すこと。
部分点をかき集めるためには次の3つの心得が大切。
・問題文を理解していることを示すため、初めに問題文に書かれている条件を数式にして書き出すこと
・答えの道筋を示し、進む方向を決めること
・決めた道に沿って進むこと
たとえ計算ミスや時間切れで完答できなかったとしても、考え方があっているだけでかなりの部分点が期待できる。
これが柳の伝授する数学のテクニックだった。
来春の入学予定者への説明会
一方、来春入学予定者用の合同説明会に出た桜木と高原だが、経営不振のイメージが払しょくできていない龍山高校に興味を示す保護者や生徒は皆無。
それでも「一気に客を引き寄せる。心配しないで黙って見てろ」と自信満々の桜木。
果たして桜木が持つ秘策はどんなものなのか―。
【10巻のまとめ】
夏休みも中盤に入り、東大模試に向けた指導が始まった。
柳からは東大の数学対策として3つの攻略テクニックを授かり、充実した夏休みを過ごしていくのであった。
次巻へ続きます。
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