多額の借金を背負わされたカイジは逃亡生活の末、一発逆転のギャンブルを期待して自ら遠藤に接触する。
しかし多重債務者からの取り立てを生業とする遠藤はカイジの身柄を確保し、地下の強制労働場へと送った。
劣悪な環境で集団生活をしなが強制労働と借金返済に終われる悪夢のような生活を送ることとなったカイジ。
この状況から抜け出すには必要な通貨であるペリカを貯めて「1日外出券」を買い、さらに地上で借金を完済するしかない―。
ところが所属するE班の班長・大槻の巧みな話術の前に誘惑の沼に引き込まれてしまう。
一度は大槻の使う卑劣な罠にかかり借金地獄へ落ちたカイジだが、同じ負け犬たちと徒党を組んで再起。
大槻が使っていたイカサマを暴き、周到に準備を重ねたイカサマで逆襲に出る。
カイジたちが用意していたのは目が全て「1」のサイコロ。
どう振っても5倍付けの最強の役が揃うサイコロを堂々と使い、45組全員で大槻から大勝を上げる。
さらに大槻が親の手番はもう1度、いま稼ぎ出した大金を再び青天井で全額賭け、さらに5倍付けへ―。
勝負から逃れようと必死に抵抗する大槻だが、仲裁に来た帝愛グループのNo.2である黒崎はカイジの言い分に筋が通っていることを認め、大槻の逃げ場がなくなるのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
歴史的大勝で外出券を獲得
通常のサイコロで1つのゾロ目などここで出るはずもなく、大槻は結局これまで貯めてきたペリカのほとんどを吐き出して終えた。
〈歴史的大勝 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
総額1800万ペリカ、目のくらむような歴史的大勝を喜ぶ45組。
黒崎も債務者たちの勤労意欲への影響を考慮して、カイジがこの金で1日外出券を買うことを了承した。
〈外出券との交換を了承 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
45組の面々はカイジのおかげとしてある程度の譲歩を申し出るが、カイジは全員で勝ち取った勝利として、均等に山分けすることを主張。
そんなカイジの良心に感謝する45組は、カイジが地上でのギャンブルで金を増やす可能性に賭け、全てのペリカをカイジに託すのだった。
〈全額をカイジに託す45組 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
久々の地上、裏ギャンブルを求めて
久しぶりに地上に戻ってきたカイジ。
全員で託した金額で得たのは20日間の自由と元金として80万円、対して45組全員の解放に必要な借金は合計で6000万円強。
〈久々の地上 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
つまり地上にいられる20日間の間に80万円を6000万円に増やせなければ、再び全員で地下労働に逆戻りすることになる―。
少ないチャンスで大きなリターンを得るため、カイジは高レートの裏ギャンブルを探すことに。
そして手始めに一般のカジノなどを探しまわるカイジに、ある男が声をかけてくるのだった。
〈ある男が接触してくる [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
行き着いたのは帝愛が運営する裏カジノ
カイジが放つ並々ならぬオーラに興味を持った男・坂崎孝太郎が声をかけ、誘われるがままに連れられていくカイジ。
一見何の変哲もないビルの一室には、超高額なレートで勝負が行われる裏カジノがあった。
〈裏カジノにたどり着く [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ここなら目標である6000万円に到達しうる―。
そしてこの裏カジノの目玉は1玉4000円のモンスターパチンコ、通称「人喰い沼」だった。
〈目玉のパチンコ「人喰い沼」 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
3段のクルーンを越えて当たりが出れば、これまで挑んできた者が注ぎ込んだ玉全て、総額5億以上を総取りという破格のギャンブル。
しかし当たりは出そうでなかなか出ない仕組みであり、当たりを出したのは過去10年で2人だけ。
当たりを出した者として壁の額縁に飾られた2人は、目線こそ隠されてはいるが、兵藤会長と利根川だった。
〈当たりを出したのは兵藤と利根川のみ [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
すなわち、このカジノは帝愛グループの息がかかっているのは確実―。
因果を感じたカイジは、それでも「接待でなら当たりは出た」という事実から、運営の裏を突いて当たりを出すことを考え始めるのだった。
〈当てることは理論上可能…! [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
パチンコ「人喰い沼」攻略に人生を懸けた男・坂崎
人喰い沼の攻略に人生の全てを賭けてきた坂崎は、カイジと組むことを決め自宅へと案内する。
ボロボロで汚いアパートの一室、坂崎は私財を投げうって用意した人喰い沼のミニチュア版を出してきた。
〈人喰い沼のシミュレーションは盤石 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カジノの内部の人間を買収し、その製造元に作らせたものだという。
そして坂崎はカイジへの協力を依頼し、6000万円の報酬を条件に人喰い沼攻略に手を貸すこととなる。
〈協力の報酬は6000万円 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
坂崎が温めてきた秘策の決行は1週間後。
2年前にリストラをされてからパチンコにハマり妻と娘に出ていかれた坂崎にとっては、財産分与の末にガードマンのバイトをしながらコツコツと守り通した2000万円がすべての軍資金。
坂崎にとって人生の全てを賭けた勝負と言っても過言ではないのだった。
〈パチンコで人生を狂わせた坂崎 [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
窃盗にまで手を染め、決死の覚悟で挑む
坂崎が作戦決行に選んだ日は、運営の内通者から得た予定表でクギの設定が最も緩い「A」になっている日。
〈クギの設定が大甘になる日に決行する [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
さらに謎めいたメモで奥の手を隠している様子の坂崎は、勝って愛する妻と娘との生活を取り戻すことを考えながら勝負の日を待つ。
そして勝負の当日、異様に興奮した様子の坂崎が軍資金が3000万円追加になったことを明かす。
ガードマンをしている会社の金庫から無断で拝借してきた金だった。
〈クギの設定が大甘になる日に決行する [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
犯罪にまで手を染めた坂崎、しかし勝ってちゃんと返せば問題ない―。
覚悟を固めた坂崎は人喰い沼攻略の秘策をカイジに伝え、いざ勝負のときを迎えるのだった。
〈運命の勝負へ [賭博破戒録カイジ 5巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【5巻のまとめ】
歴史的大勝を収めたカイジたちは、晴れて外出券を獲得する。
45組の面々は全額をカイジに預けることを決断し、地上でカイジが全員分の借金を返せるだけの金を増やすことに期待した。
現金80万円と自由を獲得した20日間の間に総額6000万円を返す方法を探すカイジは、坂崎という男と出会いある裏カジノに行き着く。
帝愛の息がかかったそのカジノの目玉である1玉4000円、当たれば5億以上のモンスターパチンコ「人喰い沼」の攻略に人生の全てを賭ける坂崎に協力することとなったカイジ。
坂崎は必死で守った2000万円と、バイト先の金庫から窃盗までして用意した3000万円の合計5000万円が軍資金。
覚悟を固めた坂崎は人喰い沼攻略の秘策を胸に、カイジと共に運命の勝負に挑戦するのだった。
次巻へ続きます。
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