大きく重い者が絶対的に有利という相撲界の常識を覆すため、小さな力士の潮 火ノ丸が弱小の大太刀高校(ダチ高)相撲部に入部し、日本一と横綱を目指し歩み始めた。
部長の小関と元番長の五條、レスリング国体王者の國崎と、見るからにひ弱な三ツ橋を新たに加え、5人で歩み出した相撲部。
関東新人大会の個人戦では元横綱の息子・久世の前に越えられない体格差の壁を痛感し悔しさをにじませる火ノ丸、その前に親友の辻 桐仁が姿を見せ、ダチ高相撲部の監督として指揮を執ることに。
インターハイの県予選、団体戦決勝では火ノ丸が沙田との死闘を制してダチ高が優勝、個人戦では火ノ丸が優勝し、ダチ高は個人と団体で全国大会出場を決めた。
大会後、女子マネージャーとしてレイナと堀が加入、柴木山親方の計らいで力士たちとの合同稽古へ参加することとなり、火ノ丸は元横綱・駿海のもとでの特訓で壁を乗り越え、現役大関の弟にして国宝の一人である日景との野試合に見事勝利した。
そしてインターハイでは前年の高校相撲と全日本選手権の優勝者である天王寺に個人戦では敗北しながらも団体戦ではリベンジを果たし、決勝では久世をも倒して団体戦優勝を果たした。
火ノ丸は全日本選手権大会でも敢闘し、念願の角界入りの資格を掴み取った。
後に国宝世代のライバルたちも続々と角界入りする一方、一足先に柴木山部屋に入門した火ノ丸は新たな四股名を「鬼丸」とし、順調なプロデビューを飾る。
しかし取組み中に右腕を負傷し長期休業。
そして二年後、リハビリを乗り越えた鬼丸が再び土俵に戻ってきたのであった。
19巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リハビリを乗り越えて復帰した鬼丸
大関の大景勝が引退を表明し、弟である日景(四股名:大典太 光世)がその夢を継ぐ。
柴木山部屋では寺原や大河内、バトムンフ、そしてダチ高相撲部に出稽古に来ていた星野らが稽古に励むなか、けがによる長期休場から這い上がってきた鬼丸も復帰。
闘志を剥き出しにしながら、夏の名古屋場所へと臨むこととなる。
今場所でもベテランの岩竜を押し出すなど善戦する鬼丸だが、故障した右腕が感知しておらず必殺の下手投げができないのではという疑念も残っているのであった。
鬼丸と鬼切、親友同士の対戦が実現
名古屋場所で鬼丸は角界入りした桐仁(四股名:鬼切安綱)とも対戦することとなる。
インターハイで団体日本一に輝いてからは桐仁は体力の回復力は向上したものの、高校相撲で良い結果を残すことは叶わなかった。
それでも鬼丸の怪我を目の当たりにしたことをきっかけに自分が鬼丸の道標となるべく角界入りを決意し、長門部屋に入門し「鬼切安綱」という四股名をつけた。
そこで1日1番だけという制限を課され、勝負への飢えを糧に集中力と技を磨き上げ、番付も順調に上げている。
対する鬼丸も殺気を前面に放ちながら対峙。
立ち合いでは鬼切が仕掛けるが、鬼丸も強烈な張り手の猛連打で土俵際へ追い詰める。
鬼切は集中力を研ぎ澄まして「網打ち」を仕掛けるも、鬼丸がパワーで押し切って勝利。
格の違いを見せつけるのだった。
国宝世代が角界に集結するなか、最強横綱がまさかの引退宣言
鬼切は名古屋場所は8勝7敗と勝ち越して終え、鬼丸も復帰直後ながら12勝を挙げて敢闘賞を獲得。
しかし鬼丸が喫した3敗は、大和国部屋期待の星である大和号、ハーフの剛腕正統派・蜻蛉切、長身技巧派の御手杵と、国宝ではなかったものの「天下三名槍」に数えられる3人によるもの。
さらに大関には久世(四股名:草薙)や天王寺(四股名:童子切)もおり、来場所では更なる激戦が予想される。
千秋楽では優勝をかけて草薙が横綱の刃皇に挑むが、大横綱を父に持つ怪物・草薙でさえも直接対決ではこれまで0勝10敗と刃皇には歯が立たない。
スピードもパワーも草薙の方が上ではあるが、今回も刃皇に圧倒されてしまった。
世代交代に期待していた観客たちからはため息が漏れるなか、優勝インタビューでは刃皇がライバル不在の状況を嘆いたうえに、「次の場所で優勝したら引退する」と突然の宣言。
同部屋の弟弟子である加納(四股名:大包平)がなだめても刃皇は引退を撤回せず、鬼丸を含む力士たちはみな刃皇の優勝と引退を阻止するべく息巻くのであった。
鬼丸に春の予感?
名古屋場所から3日後、番付編成会議の結果として柴木山部屋では冴ノ山と同期の薫丸が十両昇進を決め、一人前の力士として認められた。
これで関取は鬼丸と冴ノ山に続いて3人目となった。
関取となれば付き人や結婚の許可など生活が一変する。
そして時を同じくして鬼丸のもとにずっと応援していたレイナが五条に付き添われて訪れる。
ついに鬼丸に春の予感が来たのであった。
【19巻のまとめ】
国宝世代らが集う本場所にリハビリを乗り越えた鬼丸も復帰。
しかし歴代一位の優勝回数を更新した最強横綱の刃皇はライバル不在の状況を嘆き、「次の本場所で優勝したら引退する」と突如宣言。
刃皇の引退を阻止すべく息まく力士たち。
またそんな折、鬼丸のもとをずっと応援してきたレイナが訪れ、春の予感が来たのであった。
次巻へ続きます。
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