裏路地でのバトルを偶然目撃したことから冴えないサラリーマンの山下一夫の人生が一変する。
争いを収めるための手段として300年前から続く代表闘技者同士の戦い、拳願仕合の新しい闘技者である十鬼蛇王馬の世話役を命じられ、王馬と行動を共にすることに。
王馬と一夫の雇用主である乃木は拳願会会長の片原滅堂に挑戦状をたたきつけ、会長指名権を賭けた「拳願絶命トーナメント」の開催が決定。
乃木グループは従来の正闘技者である初見 泉を代表とし、いつの間にか山下商事として起業させられた一夫も拳願会会員の資格を勝ち取って王馬を闘技者とした。
そして野望を抱く拳願会会員たちは次々と強い闘技者を立てていき、その中には王馬と過去に因縁のある桐生 刹那の姿もある。
バトルロワイヤル形式の予選と水面下での戦いを経て32名の代表闘技者が出揃った。
一行は決戦の地「願流島」に到着し、組み合わせ抽選を経てトーナメント本戦が開幕。
1回戦では第6仕合を消化して"絞殺王"今井コスモ、"処刑人"阿古谷清秋、暗殺一家の"禁忌の末裔"呉 雷庵、十鬼蛇 王馬、歴代最多勝利者の"猛虎"若槻 武士、"モンスター"ユリウス・ラインホルト、"虐殺者"ムテバ・ギゼンガ、"獄天使"関林ジュンが2回戦に進出。
場外では東洋電力の速水をはじめ裏工作や侵入者の存在が明らかとなる一方、次なる戦いに向けてイメージトレーニングで鍛錬する王馬。
その精神世界にとある人物が姿を現すのだった。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
二虎との修行で蘇っていく記憶
王馬の精神世界に姿を現したのは今は亡き師匠の二虎。
〈二虎との修行[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
イメージとはいえ、二虎との手合わせのなかで金剛ノ型(肉体強化・打撃技)や水天ノ型(肉体軟化・関節技)など王馬に足りない部分が浮き彫りになっていく。
覚醒技の「前借り」にも身体能力を上昇させる代わりに動きの精細を失い、二虎流の技が一部使えなくなるほか、寿命を削るという大きなデメリットがある。
さらに二虎から、前借りは別の誰かが王馬に教えた技であることが明かされる。
〈前借りは二虎流ではない[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
王馬に残るのは微かに二虎る何者かの影。
王馬は過去の記憶はほとんどなく、さらにこれまでの「前借り」の反動で身体の内部に深刻なダメージを負っているのだった。
〈前借りの代償[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
1回戦第9仕合 鎧塚サーパインvs賀露 吉成
第9仕合は鎧塚サーパイン(夜明けの村)vs賀露吉成(あじろ水産)。
夜明けの村、あじろ水産とも東洋電力の速水に弱みを握られた者同士であり、一派の体力温存のために仕合は八百長が仕組まれている。
〈仕組まれた八百長[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
"タイの闘神"ガオラン・ウォンサワットと親交がありライバルでもあるサーパインにはその八百長は知らされず、賀露がうまく負ける予定だった。
しかし自分のポリシーから八百長への協力を拒否した賀露が本気の一撃をサーパインにぶち込み、仕合は真剣勝負となる。
〈賀露が八百長破り[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
素手を基本としてすべての攻撃を防がずに攻め切るスタイルの"ミャンマーラウェイ"で鍛え上げたサーパインの骨は鋼の域に達しており、攻撃をした賀露の拳にもダメージが溜まっていく。
対する賀露も長い漁師生活で鍛えた強靭なバランス感覚から変則的な打撃を繰り出して対抗。
〈賀露のバランス感覚[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
高度な読み合いからぶつかり合う両者。
決まり手は賀露のさば折に対するサーパインの肘打ち下ろし。
〈サーパインが勝利[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
頸椎をやられた賀露が倒れ、サーパインの勝利となった。
東洋電力の脅迫からあじろ水産を守るために戦った賀露だが、結果は八百長を無視したうえでの敗北。
夜明けの村の代表 鎧塚はその重大さに同情し、旧知の仲である東洋電力の速水のやり方に反感を募らせるのだった。
1回戦第10仕合 根津 マサミvs御雷 零
第10仕合は根津マサミ(栃木ディスティニーランド)vs御雷 零(GPグループ)。
有名なマスコットキャラクター「モッキー」の着ぐるみから正体を現したのはヤンキーの大男。
〈モッキーの中身[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
根津は日本の裏格闘技団体「毘沙門」の絶対王者でありながら熱狂的なディスティニーランドファンであり、着ぐるみを着ることに食いついての出場快諾である。
対する御雷は1200年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳「雷心流」の継承者。
試合開始と共に御雷が閃光のような速さで根津のアゴにクリーンヒットさせ、そのままKO。
〈視認できない御雷の一撃[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
計測不能の瞬殺で1回戦を突破した。
東洋電力の一派である栃木ディスティニーランドの社長 夢野は粛清を怖れて逃げ出す。
しかし待ち構えていたのは島に上陸していた"呪術師"蕪木。
蕪木はあじろ水産社長の網代と同じく、夢野を拉致するのだった。
雷心流と呉一族の因縁
勝利を挙げ愛する理乃の胸で甘える御雷。
そこに雷心流と古くから対立してきた呉一族の代表 雷庵が姿を現し、御雷に喧嘩を売る。
〈雷庵が御雷にケンカを売る[ケンガンアシュラ 11巻](c)小学館/だろめおん・サンドロビッチ ヤバ子〉
御雷も呉一族との因縁にケリをつけるべく、2人の間に不穏な空気が流れるのだった。
【11巻のまとめ】
精神世界で二虎と再会を果たした王馬は、覚醒技「前借り」には重大なデメリットがあることを改めて思い知る。
さらに「前借り」は二虎が教えた技ではなかった。
王馬の記憶が徐々に呼び覚まされていく。
他方、仕合が進む闘技場では"吼える闘魂"鎧塚サーパインと"雷神"御雷 零が2回戦へ進出を決めた。
試合後、御雷の前に呉 雷庵が姿を現し喧嘩を売る。
御雷の流派「雷心流」と長く因縁のある呉一族の激突が近づいていた。
次巻へ続きます。
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