時は昭和…。官僚や政治家を数多く生み出した超名門校・海帝高校で、帝一は頂点である生徒会長を目指す。派閥作りや政界さながらの生徒会長選が行われる海帝高校で、帝一はまず、クラスのルーム長を狙うが…。
(U-NEXT作品紹介より引用)
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。
日本のトップへの第一歩
日本でも優秀な政治家や官僚を輩出している私立海帝高校に進学した赤場帝一。
彼には明確なヴィジョンがあった。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
それは生徒会長になって、東都大学に進学すること、そして日本という国のトップである総理大臣になることだった。
学校自体も伝統的に派閥作りや生徒会長選が政界さながらに行われており、その競争を推奨していた。
入学式から1か月後にルーム長を任命することが担任の川俣から発表された。
ルーム長には副ルーム長を任命する権限が与えられる。
帝一がルーム長に任命されたとしたら、副ルーム長に任命するのは中学からの付き合いである榊原光明と帝一は考えていた。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
帝一にはライバルがいた。
2組の東郷菊馬と根津二四三だ。
帝一は菊馬にケンカを売られていたが無視した。
その夜、父・譲介から生徒会長になるよう咤激励を受ける帝一。
譲介は菊馬の父、東郷卯三郎と生徒会長選を戦ったが、1票差で負け敗れた苦い経験があった。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
政界に強いパイプがある会長会に入れなかった譲介は、自力で東都大学に入ったものの、官僚としての出世争いでは経産省の事務次官にまで上り詰めた卯三郎に完全に後れを取ったのである。
譲介は息子の帝一に政界のトップに上り詰めて欲しいという思いを託し、過去最高額である500万円を寄付し、見事、帝一はルーム長になることができた。
ルーム長は学校への寄付額によって決まる仕組みで、より寄付が多い生徒からルーム長になれるという裏ルールがあったのである。
父の野望を託された帝一にとって、同じ小学校に通っていたころからの恋人である白鳥美美子と糸電話で交際しているときだけが心を許せる時間。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
海帝高校の生徒会長になり、東都大学へ進学し総理大臣の椅子を得るべく、帝一の野望は動き出したのだった。
思わぬライバル
帝一は自分の国を作るべく、光明を副ルーム長に任命し、生徒会長になるべく一歩を踏み出した。
そして2組のルーム長は予想通り菊馬、副ルーム長は根津となった。
しかし思わぬ波乱が。
6組は佐々木がルーム長になると予想されていたが、成績優秀で人望も厚いという高校からの外部生・大鷹弾が寄付金がないにもかかわらず、担任の黒坂礼子がその類まれな人望を評価して選出したのである。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
帝一と光明はなぜ弾がルーム長に選ばれたか、どんな人物かを知るべく彼のあとを尾行した。
尾行はバレてしまったが、弾に家へ招待されると、ボロい家に大勢の弟妹たちがおり、決して裕福とは言えない暮らしをしていた。
父親は他界しており、母と弾が家族を支えているのだという。
ご飯をご馳走になり、弾の弟妹たちと遊ぶ帝一と光明。
光明も弾のことをいいやつと捉え、美美子にも話すと立派と話す。
しかし、帝一は弾のことを野心家だとライバル視し、弾が最高得点を叩き出したという海帝高校の外部入試問題を自分も解いて、どちらが優秀か証明することを決意。
担任の川俣に頼みこんで、入試問題と弾の成績をもらう帝一。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
帝一が予想していたより、問題は難解で苦戦を強いられた。
しかし、弾に負けじと問題を解いていく。
全て解き終えたころには、朝になっていた。
全ての答え合わせをすると、帝一は弾とは全部の教科合わせて1点差で優っていた。
やはり、自分が生徒会長にふさわしいのだ、と安堵し、帝一は歓喜に酔いしれるのだった。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
帝一、勝ち犬になる
帝一たち1年生初の評議会。
川俣からのアドバイスをもらい、2年生の次期生徒会長候補の犬になるべく、2年生のルーム長たちの分析を光明と事前に打ち合わせしていた。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
光明の分析では、次期生徒会長候補の3名に残りそうなのは、オールマイティタイプの草壁哲也、堂山とは将棋教室通いで幼馴染の森園億人、全てにおいて他から抜きんでている氷室ローランドの3人。
なかでも氷室は現会長・堂山を会長にするためにあらゆる手段を使い、票固めした男だ。
ということは、堂山も100%氷室を選ぶだろうとのこと。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
そして帝一は、氷室に「忠実な犬になる、ワン!」と念じながら視線を送り、それに気づいた氷室も帝一に会釈する。
しかし、同様に氷室に付きたい菊馬も、何かを差し入れていた。
それは全1年生の詳細なデータであり、菊馬の情報収集能力の高さを存分にアピールするものだった。
一方の氷室も、帝一、菊馬、そしてカリスマがあり敵には回したくない弾の誰を自分の下に付けるか考えるのだった。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
氷室の犬はどちらが相応しい?
氷室は帝一と菊馬をどちらが自分の犬にふさわしいか試すことにした。
自分が書いた「生徒会だより」を編集し、印刷、製本することを帝一と菊馬に命じたのだ。
全生徒分850人分、期限は明朝8時、出来の良かった方を採用することにした。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
コピー機のないこの時代は謄写版印刷方式で1枚1枚を手で刷る必要があり、途方もない作業である。
帝一たちは6ページ、デザインに拘り、漫画やイラスト付きのもの。
菊馬たちは4ページ、文字小さめというレイアウトにした。
帝一たちは勝った!と思い込んでいたが、思わぬ落とし穴が。
先に印刷までたどり着いた菊馬たちが、印刷機全てを使っていたのだ。
帝一たちは菊馬に「フェアじゃない」と抗議するが、ここは何をしてでも勝つことが求められる場所であり、印刷という工程に油断があった帝一が悪いのである。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
この夜中から印刷機を手配することもできず、落胆した帝一たちのクラスメイトは次々と帰ってしまう。
光明も家に帰ってしまった。
教室に残ったのは、帝一と石井だけ。
しかし、光明は戻ってきた。
自転車を利用して一瞬にして印刷できてしまう自作の印刷機械を携えて。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
その早さと綺麗さに驚く、帝一と石井。
それまで勝利を確信していた菊馬たちもその光景に「戦国時代に核兵器を持ち込むようなもんだろ」と絶句していた。
こうして光明のおかげで無事印刷と製本を間に合わせ、氷室のお眼鏡に叶う「生徒会だより」を作ることができた帝一に軍配が上がったのだった。
帝一の伴侶とは?
帝一は美美子と久しぶりのデートで映画を観に行くことになり、街に繰り出した。
偶然にもカジュアルな格好をした光明を見つけた帝一は、2人きりのデートを楽しみたい美美子を説得し、光明の後を追うことに。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
帝一とは3年の付き合いになる光明だが、未だに休日の生態がよくわかっておらず、またとないチャンスなのである。
光明は田んぼでゲンゴロウやアメンボを採取したり、赤電話やブリキの看板、路面電車を写真に収めていく。
そして夕方になり、光明は街が見渡せる公園でスケッチを始めた。
そこまでして光明に執着する帝一に疑問を抱く美美子。
帝一にとって光明とは何か?
帝一は、中学入学時に父からの教えで「何をしてもついて来てくれる伴侶を手に入れろ」と言われており、帝一にとって光明こそがその伴侶なのである。
当初、光明のことはふざけたやつで嫌いだったが、光明がある時、3日間学校を休んだことがあった。
先生からプリントを届けるよう頼まれた帝一が、光明の家を訪ねると、そこには機械に向かい作業をしている光明がいた。
3日間徹夜して、作り上げた部品を手に喜んでいた。
帝一が「学校の勉強が遅れるじゃないか」と問うと、光明は「僕は誰かの歯車になって働くのが好きなんだ」と返答。
その時、帝一は光明が自分の伴侶なんだと直感したのだった。
「帝一の國」1巻©集英社/古屋兎丸
美美子は伴侶ではなく、恋人。
そして光明が何をスケッチしているか、気になって仕方ない帝一は光明の元へ。
そこには帝一が総理大臣になる頃の未来の東京が描かれていた。
その絵はまさしく、現在の東京の姿そのものだった。
まるで光明は未来を予知しているかのようなのだった。
【1巻のまとめ】
赤場帝一は、将来総理大臣を目指すべく、名門海帝高校へと進学し、生徒会長を目指すことに。
まず、ルーム長に選ばれ、相棒の榊原光明を副ルーム長に任命し、活動することにしたのだった。
厄介者の東郷菊馬とその右腕の根津二四三、そして6組の大鷹弾が強力なライバルとなる。
特に大鷹は外部生で、成績は超優秀、人望も厚いということで家は貧しかったが、ルーム長に選ばれたのだった。
今後の出世争いのために、まずは次の生徒会長選で勝ち馬に乗ることが必須。
大本命の氷室ローランドの忠実な犬になるべく、熱い視線を送りアピールする帝一は、同じく氷室につきたい菊馬と争うことに。
そして、氷室から任された「生徒会だより」の印刷、製本では光明に助けられて無事に勝利を収めることができたのだった。
次巻へ続きます。
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