プロ野球のスパイダースに所属していた凡田夏之介は、プロ8年目で年俸1800万円の中継ぎ投手で、プロ野球選手としては決して一流とは言えない選手である。
このままでは引退後は年収100万円台の生活に陥ってしまう。
「グラウンドには銭が埋まっている」略して「グラゼニ」を胸に、同郷の先輩で引退しラジオでの解説者に転身を果たした徳永、同期で先発投手の渋谷、後輩で期待の若手野手である大野らと共にプロ野球選手としての生活に励むのであった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
スコアラーに転身した先輩は反面教師
凡田が入団したての頃、何かと教えてくれる4つ上の栗城という先輩がいた。
同じ左の中継ぎでコントロールがよかった栗城から変化球など学ぶことも多かったが、栗城は球速をあげたいと欲をかいてウエイトトレーニングに励んだ結果、失敗して大した結果を残せずに引退した。
引退後は栗城はバッティングピッチャー兼スコアラーとして球団に就職し、凡田は栗城の末路を反面教師としている。
そんなある日、栗城はスコアラーとしてのアドバイスを凡田に伝える。
それはこの世界で長く生き残るには投手も毎年進化していく必要があり、凡田も投げ方をマイナーチェンジしてはどうかというもの。
栗城の言うとおりにしていいものか迷う凡田だったが、試しにやってみると軽く投げただけでも球速がアップした。
実戦で試しても初めは調子よく打者を抑えることができていたものの、ややコントロールが落ちる感覚がしていた凡田。
その悪い予感が的中するように、関谷から大事な場面で逆転の満塁ホームランを浴びてしまい、凡田はフォームを元に戻すことを固く決意する。
栗城はやはり、反面教師。
凡田は球速と言う誘惑に負けてはいけないと肝に銘じるのであった。
高卒と大卒
5年前の甲子園大会で、石元と江連という大型内野手の2人が注目を浴びていた。
2人とも右投げ左打ちであり、高卒でプロ入りした石元は1年目こそゴールデンルーキーとしてもてはやされたものの、5年目の今は伸び悩んでいる。
一方の江連は、大学へ進学してから今年になってプロ入りし、2人が同じテンプターズのチームメイトとなった。
現時点での2人の実力はほぼ同じであり、新顔の江連に多くのチャンスが与えられたものの、なかなかモノにすることができずにいる。
そんななか、どちらかを2軍に落とすことを決めた監督は2人を同時に試合に出場させ、競わせることに。
その空気を察した2人はスパイダースとの試合で共に1安打を放つものの、格下にめっぽう強い凡田の前に3三振を喫し、2人仲良く2軍へと落とされるのであった。
中継ぎで最もリスペクトする投手の実力
14年間、カーナビーツで中継ぎ投手一筋の原武は瀬戸内番長のニックネームで親しまれているが、そのイメージとは裏腹にプレーは泥臭い。
決め球を持っていないために中継ぎに甘んじており、投げる球がないときには投球間隔を空けてバッターを焦らす、そしてたまに開き直ってズバッといくなどあらゆる手を使って粘ることで生き延びてきた。
慎重にいくところから開き直るタイミングが絶妙であり、凡田は同じ中継ぎとして最もリスペクトする先輩である。
そのカーナビーツとの試合で原武と対戦することとなった凡田は、打席で原武の投球を体感。
バッターに様々な揺さぶりをかけてくる原武のことを同じ投手として分析するなか、何も考えずに振ったバットがボールを真芯でとらえ、まさかのホームランに。
残念ながら原武は翌日から2軍行きを命じられ、結果的にこの年は1軍復帰は叶わないのであった。
行きつけの店とお目当ての女性
恵比寿の商店街の路地にある大衆定食屋「キッチン味平」が凡田の行きつけの店。
この店では凡田はプロ野球選手としての素性はバレておらず、店の味も雰囲気も気に入っている様子。
さらに一流のプロ野球選手は女子アナやモデル、CAなど華やかな女性と結婚することが多いが、凡田はこの店で働くユキという女性に秘かに思いを寄せていた。
そんなユキは若いサラリーマン集団からもモテモテであり、サラリーマン集団と野球観戦に行くことになることを知る。
その試合はスパイダース対テンプターズ。
その数日後、スタンドでテンプターズを応援しているユキの姿を確認した凡田は、複雑な胸中のなか中継ぎでマウンドへ上がった。
しかし凡田は一塁ベースカバーに入った際の交錯、死球で相手の主力2人を運悪く故障離脱させてしまい、さらに凡田の投げたボールの判定を巡って4番打者までもが退場を言い渡されてしまう。
わざとではないとはいえ、凡田が発端となってテンプターズのスタメン3人が姿を消す事態となり、ユキは凡田のことを悪い意味で意識するように。
それでもお店では全く気付かれている様子もなく、凡田の胸中は複雑なのであった。
ナッツ(高校生)編
山梨県の鶴見川高校には、ドラフト候補のエース西浦がいた。
今日もプロ球団のスカウトが練習試合の視察に訪れていたが、西浦は今日は強豪相手にメッタ打ちをくらってしまう。
そんななか、西浦にイビられている後輩の凡田は内心ではピッチングに粗さが目立つ西浦のことを見下していた。
凡田は体は小さいながらもスピード・コントロールともに申し分なく、西浦が作ったピンチも見事に火消し。
たまたま観戦していた同郷のプロ野球選手である徳永も凡田に一目置くように。
そして結果的に1年後に西浦はドラフトにかからず、その翌年に凡田がプロ入りを果たすのであった。
【3巻のまとめ】
この巻ではメインストーリーに大きな進展はありませんでした。
次巻へ続きます。
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