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医師とは何か、指導を通じてあるべき姿を見つめなおす賢人『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語』2巻【ネタバレ注意】

~前巻のあらすじ~
自力で医師への道を掴み取ろうと防衛医科大学校へ進学した真木賢人。

その新入生には父の再婚相手である外国人の伊奈波ハナレもおり、継母であり同期という奇妙な出会いとなる。

入学式を終えると地獄のような国家公務員生活が始まった。

勉強だけでなく、訓練も並行して行う過酷な環境のなか、脱落しかける者が現れるが、ハナレや賢人らのフォローによって同期同士で助け合うようになっていく。

そんななか、3年生から集中攻撃にあっていた土居内が3年によって本音を引き出されると、3年生もまた防衛医大生の本気を見せつけるべく、さらに指導に熱を入れようとしているのであった。

2巻のあらすじを振り返ってみましょう。

正式な防衛医大生になる

3年生たちからの厳しい"指導期間"がようやく終わった。

防衛医大生は、"医師たる幹部自衛官"として膨大な仕事を正確かつ素早く処理する能力が求められており、理不尽なまでに厳しい指導期間は、短期間で一定の水準まで能力を引き上げる目的があった。

3年生や学校中の全員から認められ、正式に防衛医大生として迎え入れられた賢人たち。

賢人は指吸に恫喝したり怒鳴ったりするようなやり方をしなくても、全体のレベルを上げる方法はあるのではないか、と疑問を呈する。

指吸は賢人の疑問をまっすぐ受け止めたうえで、自分も同じことを考えていたが自分たちの代では最善の方法を見つけることができなかったことを明かし、賢人たちに「自分たちなりのやり方を見つけてくれ」と託したのだった。

自分は自分

体育祭が始まった。

土居内の「強い医者になる」という志を受けて、賢人は歌野に「強い医者に自分達もなれるのか」、とふと聞いてみた。

だが歌野は防衛医大を志望した理由は単に金がかからないからだったと明かし、賢人は「医者になりたい理由なんて人それぞれ。だから自分も間違っていない」と納得する。

一方、給料をもらった賢人は、育ての親である叔父と叔母の元へ仕送りしようとしていた。

お金に余裕がないながらも大事に育ててきてくれた叔父夫婦への恩に報いるため、自分にかかった食費や生活費はこれからコツコツ返していくことを決意しているのだった。

賢人、医者に向いてない!?

牛倉指導官と愛川指導官は、今年も指導期間が無事に終わったことに胸を撫で下ろしていた。

男鹿は抜きん出ていており、非協力的だった賢人も他の学生を引っ張っていく成長ぶりを見せていた。

ハナレは自由奔放さが問題視されるものの、星校長の目には「いいドクターになるのでは」と映っている様子。

星校長は、むしろ賢人の方に危うさを感じているのだった。

医者になりたい理由

感染症について正しい知識を身につけるべく、ハンセン病に関する総合医学の学習が始まった。

賢人・男鹿・久保出・ハナレのグループは「医師の果たせなかった使命」をテーマに発表することとなり、賢人は発表の原稿作りを任された。

しかし出来上がった資料のデータを男鹿に送ると、賢人は男鹿に呼び出され、考察の根本的なことが欠けているような気がする、と指摘される。

さらに、「本当に医者になりたいのか」と疑問を呈する男鹿。

男鹿からすると、賢人の行動や考えは正しくはあるものの、他人への思いやりに欠け、全て自分のためだけのものと感じられたのだ。

賢人は男鹿の質問の意味も、なぜ否定されたかも分からず、口論となり男鹿からハッキリと拒絶されてしまう。

ショックを受けながら、賢人は自分の何がダメなのか悶々と考えることになるのであった。

自分の考えを曲げない賢人

国立ハンセン病資料館に見学に行く一行。

賢人は施設の様子や治療薬を見ただけで、証言映像を見る事はなかった。

一方、ハナレは飾られた絵の山が故郷の山に似てる、と呟いていた。

賢人はハナレがどうして医者を志したのか疑問に思い、聞いてみた。

ハナレの故郷は村の人も優しく、自然も豊かな地。

ある日突然、村の近くが戦闘地域になって家がなくなってしまった。

ハナレは小さい頃に両親を亡くしてから、病気の祖母と一緒に暮らしていた。

怪我をした人々とも暮らしており、そんな時に賢人の父・カズヒトがUNHCRから医者を連れてきて、人々を治していった。

ハナレには医者が、魔法を使っているように見えたのだ。

結局、医者は祖母の病気は治せなかったが、ハナレは自分が医者になって祖母を笑顔にしようと決めたのである。

その話を聞いた賢人は理屈ばかり考えて、そのハナレの思いを汲み取ることができず、自分の考えは間違っていないと割り切ってしまうのだった。

医師として失格?

星校長も立ち会うなか、いよいよハンセン病についての発表を迎える。

賢人は舞台上に進もうとするが、賢人の作った原稿に納得のいかない男鹿はその足を前に進めず、賢人が一人で発表をすることに。

発表が終わり、教官たちの講評の結果、賢人のグループは再提出という結果に終わった。

納得の行かない賢人が教官の後を追い、理由を聞こうとすると、星校長は「患者に対する配慮がゼロだった」ことを指摘。

賢人は病気で苦しんできた人たちのことよりも、医師や薬に焦点を当てて発表をした。

しつこく食い下がる賢人に対し、星校長は賢人が授業を勝手に軽視し思いあがっていることを挙げ、「医師免許はキミの人生を快適にするためのパスポートじゃないんだよ」と厳しい言葉をかけるのであった。

ハナレの想い

賢人は星に指摘されたことを猛烈に怒っていた。

バスケの試合中、そのことを考えていたらボールが顔面に当たってしまい鼻血を出して保健室で休むことに。

そこへ心配して様子を見に来たハナレが「賢人は優しい人間だ」と励ます。

だが素直に受け取れない賢人は、「医者は聖人君主ではないといけないのか、ハナレは自分が医師になって祖母を本気で治せるとでも思っているのか」と、自分の中に抱えていたものをハナレにぶつけてしまう。

するとハナレは、自分が医者になる頃には祖母は助けられないことを理解しつつ、「もしも迷うことがあったら正しいほうより笑顔が増える方を選ぶこと」「今日がどんなに辛くても、明日という将来のために動く人になること」という祖母の教えを明かす。

ハナレは自分が医学を学ぶことで、自分と同じ思いをする人を一人でも減らしたいという思いではるばる防衛医大に来たのである。

その話を聞いた賢人は、ようやく今まで全てのことが自分のことばかりであったことを反省したのだった。

患者視点に立とうと試みる賢人

どうしたら自分もハナレのような考えを持てるのか、必死に考える賢人は、再び国立ハンセン病資料館を訪れ、発表資料を作り直すところから取り組むことにする。

自分が初めはスルーした元患者たちの証言映像から、自分たちの生き方を否定され、国や社会に尊厳を踏みにじられた患者たちの苦しみを痛感し、改めて自分が何も見ようとしなかったことを後悔。

そもそもなぜ自分が医者を目指したのかもわからなくなってしまった賢人だが、そんな時、叔母から現金書留と手紙が届いた。

そこには賢人が送った仕送りを固辞する旨と、賢人が幼い頃、入院している母に「僕がお医者さんになって、お母さんの病気は僕が治す」と語ったことが書かれていた。

手紙を読み、自分も初めは母のために医師を志したことを思い出した賢人の目からは、涙がこぼれる。

そして連日、資料館に通い証言映像を見ていた賢人の元へハナレを始め同じ班のメンバーが集まり、一緒に資料を作り直すことに。

賢人と男鹿もお互いに謝り、和解するのであった。

マーシー号見学会

賢人たち一行は米国海軍病院船・マーシーの見学会に訪れていた。

念願の見学会に当選しながらもインフルエンザのために来られなくなった美馬に代わり、写真や情報収集などを頼まれた賢人。

しかし、写真や海軍の人への質問などでことごとく割り込んでくる男性がおり、2人は激しく張り合うこととなる。

そんななか、幸いにも艦長が親切に対応してくれ、マーシーに興味をもって質問をしてくれたことへのお礼に記念のボールペンをもらった賢人。

賢人が「自分たちはどれくらいの人々を助けることができるのだろう」と思いを馳せながら見学会を終えると、賢人と競っていた男性がカメラのSDカードを危うく海に落としそうになってしまう。

賢人はすかさず身を挺してSDカードを拾い上げ、さっそく人助けを実践。

男性から深々と感謝の意を伝えられた賢人は、胸に込み上げるものがあった。

そして男性が病気の妹のために見学会に来ていたことを知った賢人は、艦長からもらったボールペンを男性に譲ってあげた。

だが寮に帰った賢人が美馬に写真や艦内の様子を伝えると、美馬はマーシーの艦長からの記念のボールペンを持っていた。

実は賢人が張り合っていた男性こそが美馬の兄であり、賢人は「もう2度と関わりたくない」と思うのだった。

訓練を通して引き締まる思い

夏季定期訓練が始まり、1年生は学外の陸海空の駐屯地や基地に出向き、見学・研修・実習の訓練を行うことに。

「心肺蘇生法」「サムスプリント」「CAT」の訓練で賢人とペアを組んだ歌野は、賢人が患者役への思いやりを見せ始めたことに気付く。

賢人は星校長からもらった厳しい言葉の意味を受け止め、もう二度と同じことを言われないように自分を変えようとしていたのである。

「担架搬送」の訓練では、皆、訓練の掛け声や患者の搬送を楽しんでこなしていく。

しかし実習後に、訓練で使用した担架は実際に災害現場で使われたものであることが明かされ、教官から改めて「勉強や訓練を通じ非常時で重要な力となる医官になれるように」願いを託されると、一層身が引き締まる思いがした。

その帰り道、賢人は勉強して訓練すれば立派な医官になれるのか、そもそも医官とはどういう存在なのか、考え詰めるのだった。

小さくて大きい医者

星校長は七海という人物と電話で旧交をあたためる。

七海は医官の仕事の大変さに頭を下げる一方、星校長は医官たちの現状に満足せず、今後起こるであろう南海トラフ地震や首都直下地震などに備えた医官の必要性を感じている様子。

そして翌週から七海の元に預ける1年生に対しても、「小さくて大きい医者」になってほしいと願うのであった。

【2巻のまとめ】

指導期間を無事に終え、晴れて正式な防衛医大生となった賢人たち。

賢人はグループワークを通じて患者へ寄り添うという医師としての根幹の大事さを痛感し、医官に対する考え方も変わっていく。

そんななか、1年生たちは星校長の旧友である七海という人物のもとへ預けられることになるのであった。

【2巻の見どころ】

この巻の見どころは、賢人が「医師とは何か」という根本的な問いに直面し、葛藤しながら成長していく姿です。

特にハンセン病に関する発表では、医療の知識だけでなく、患者の視点に立つことの重要性を突きつけられます。

星校長の厳しい言葉や、仲間たちとの衝突を経て、自ら資料館に足を運び、患者の証言に耳を傾けるシーンは胸を打ちます。

また、ハナレの過去が明かされる場面も印象的です。

医師を目指す動機が異なる仲間たちと向き合うことで、賢人は自分の医師としての在り方を見つめ直します。

実践的な学びも深まる中、彼の意識が少しずつ変化していく様子が見どころです。
管理人

次巻へ続きます。

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