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前巻はこちら母との本音の衝突と、北海道での新たな気づき『凪のお暇』7巻【ネタバレ注意】
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『凪のお暇』8巻は、北海道を舞台に凪の過去と現在が交差し、新たな出会いと再会が重なっていく、物語の大きな山場となる巻です。
母・夕の知られざる過去が明かされ、ゴンが凪への想いを自覚しながら実家へ向かう道中も丁寧に描かれています。
そして巻末に飛び出すゴンのプロポーズは、読む人の心を大きく揺さぶるはずです。
それでは、8巻の見どころをエピソードごとに詳しくご紹介します。
目次
根雪への挑戦と、地元での突破口
自分に酔うのを辞めると決意しながらも慎二との通話中に寝落ちしていた凪は、すっきりした気持ちで目を覚まします。
勝に根雪への挑戦を続けると伝えて別れた凪は、地元を歩きながら過去を振り返ります。
何もないと思っていた地元でパン屋を見つけ、同級生だった布施と再会します。
布施は東京でパン作りに目覚め地元に戻ったものの、代替わりの際に地元になじめず客が来ない状況が続いていました。
しかし二駅離れた出張販売では普通のパンでも売れるという言葉に、凪は「突破口はある」という希望を感じます。
スーパーで地元のヒエラルキー上位だった同級生たちと再会し、豆苗について熱く語り始めた凪は軽くあしらわれて萎縮しますが、布施の言葉を胸に勝と喜びを分かち合います。
地元という閉じた空間の中でも、見方を変えれば可能性があると気づく凪の姿は、読者の背中をそっと押してくれます。
夕の知られざる過去と、凪への願い
祖母のみかんを工夫して料理する凪を楽しみにしていた夕でしたが、祖母はちょうど良い分だけかじって残すという巧みなやり口で凪の努力を無下にします。
夕はかつてみかんを放り投げて夢のために抗ったことがあり、夢を追って上京しバイトをしながら古いアパートで暮らしていた時期に凪の父・武と出会っていました。
武に恋をして妊娠しましたが、武は姿を消し、夕は地元に戻ります。
田舎特有の過干渉にうんざりしながらも、優しさゆえに田舎では生きづらいと感じていた凪を、夕は東京へ送り出していました。
しかし現在、空っぽになった凪の部屋を見て落胆していた夕。
嵐のような恋の末に授かった子どもに、穏やかに生きてほしいという願いを込めて「凪」と名付けた夕は、二人で幸せになろうと思っていたがうまくいかなかったと打ち明けます。
母の視点から語られるこの回想は、これまでの夕への印象を大きく揺り動かす、7巻に続くこの巻最大の見どころのひとつです。
スマホも身分証もなく、ゴンが歩んだ道
凪の実家へ向かう道中、スマホも身分証明書も失ったゴンは、過去の自分を見つめ直していきます。
ゴンという名前は、生まれる前に亡くなったペットの犬からつけられたもので、その犬はみんなを笑わせる存在でした。
家族の中でおもちゃにされながらも外では友達と走り回り、誰かが笑顔になることに喜びを感じてきたゴン。
相手が喜ぶならという想いから身体の関係も深く考えずに受け入れてきましたが、結局みんなゴンから離れていきました。
妹の進学のために自分の進学をあきらめたゴンを、妹は「気持ち悪い」と言いました。
唯一覚えていたクラブに公衆電話から連絡を取り、エリィに荷物の中から凪の実家の住所を教えてもらったゴンは、凪に会いたい一心で走り続けます。
ゴンの生い立ちと、なぜ他者への依存的な優しさを繰り返してきたのかという背景が描かれるこの場面は、ゴンというキャラクターへの理解を深める重要なシーンです。
映画少女・宇堂との出会いと、撮影への挑戦
映画好きの少女・宇堂は、にきびをコンプレックスに抱え顔を隠しながら、勝と凪の後を追っていました。
凪を主人公に映画を撮りたいと打ち明ける宇堂は、ずっと映画を撮りたいと思いながら踏み出せなかった自分へのいら立ちを語ります。
なぜ自分を被写体にしたいのかと凪が問うと、作りたい作品のイメージにぴったりで暇そうだからと答えます。
田舎で選択肢がないからとすねるのではなく、映画を撮りタピオカも煮ると決意する宇堂の姿に、凪は背中を押されます。
やりたいことを「できない理由」で諦めるのではなく、今ある環境の中で動き出す宇堂の姿は、お暇生活を通じて凪が体現してきた姿勢と重なります。
そして勝に連れられたゴンが凪のもとに辿り着いた頃、原始人の格好で撮影中の凪がいました。
ゴンと凪の再会、縮まる距離
地元でも楽しそうに過ごしている凪と再会したゴンは、布施と凪の距離の近さに嫉妬を覚えます。
凪の実家で二人きりで過ごすことに、自分の気持ちを自覚してから緊張するゴン。
一方凪もゴンを意識していました。
互いの気持ちを紛らわすためにタピオカを煮る二人の場面は、思わず微笑んでしまうほほえましいシーンです。
あるものの中で工夫して楽しいことを手作りする凪の姿に、もっと知りたいと思うゴン。
学生時代なら交わらなかった二人が今こうして一緒にいる奇跡を喜び合う場面は、二人の関係の温かさをしみじみと感じさせてくれます。
凪に会うまでの道中でいろいろなものを失ったが今は平気だと告げながら身分証明書を手渡したゴンは、改めて下の名前「欣(ゴン)」と呼ばれたことで、凪との関係を前に進めたいという気持ちを強くします。
夕の葛藤と、ゴンの突然のプロポーズ
帰宅した夕は、凪がゴンを連れ込んでいることに気づきます。
親のいない間に男を連れ込む娘を正そうとする夕は、ゴンを逃がした凪を説教します。
ゴンのようなタイプが好きな夕は、慎二を連れてきたときには安心したと振り返りながら、ゴンが凪の父・武に酷似していることに動揺します。
失敗続きの人生の中で唯一の成功が凪だと感じる夕は、凪を幸せに導きたいと願います。
整骨院でゴンと再会した夕は、武と似ていながらも誠実さが違うゴンの存在に複雑な思いを抱えます。
武が去って以来、凪を自分の王子様にしてしまっていたと気づく夕は、頭を冷やしたいから凪に遅く帰ってくるよう伝言を頼みます。
そして、たくましく生きる凪の姿に改めて向き合ったゴンは、凪に突然プロポーズします。
この衝撃的なラストは、次巻への期待を一気に高める、強烈な引きとなっています。
【8巻のまとめ】
『凪のお暇』8巻は、地元での再会と新たな出会い、母・夕の知られざる過去、ゴンの道中での自己発見、そして突然のプロポーズと、見どころが凝縮された一冊です。
これまでの巻で積み重ねられてきた伏線や感情が、北海道という舞台の中で一気に動き出していく感覚があります。

続きが気になる方は、ぜひ手に取ってみてください。
次巻へ続きます。
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