ゴールデンカップスに移籍した凡田だが、パ・リーグの打者の洗礼を浴びて苦戦を強いられることとなる。
生え抜きで似たような年齢・成績の投手である印西とライバルとなり、凡田が地元開幕投手の座を射止めるが、味方打線の援護で勝利したものの凡田自身はピリッとしない内容だった。
印西もまたシーズン最初の先発では黒星を喫し、共に不甲斐ない出来の2人に地元TV局の老山アナとその娘の恵が鋭く切り込んでいく。
ハングリー精神が足りないと指摘された凡田は程なくして2軍に落とされることとなるが、ギリギリで引退を免れた。
ものの翌シーズンから仕切り直し、地元の開幕戦で好投を見せて勝利を飾る。
そしてその試合では凡田の後をトクの愛弟子である布川、本木、薬丸の3人によるアマがき隊がブレイク。
布川と薬丸が一時調子を落とすも復活、本木も好調をキープし、アマがき隊の活躍でチームは首位争いに食い込む。
ゴールデンカップスとパープルシャドウズが激しい首位争いを繰り広げるなか、個人タイトルでも凡田・扇田・則川の3人が最多勝、坪内・河内もホームラン王を狙う位置につけた。
そんななか、則川はスプリットの多投で右肘に異変を抱えてしまい、コーチに相談しないままシーズン終盤へと突入するのであった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
終盤に来て本木が失速
シーズン終盤まで奮闘してきたアマがき隊だが、ここに来てオールスターにも出場した本木が疲れからか調子を落とし始めていた。
そんななか、凡田の14勝目をかけた試合では凡田は6回3失点といつもどおりの出来だが、味方の援護がない展開に。
自信をなくしかけていた本木は自分の出番がなければとホッとするが、6回裏に坪内が逆転の満塁ホームランを放ち、試合をひっくり返した。
アマがき隊にも出番が回り、布川が7回を無失点に抑える。
そして8回は本木の番。
ここで嫌な予感が的中し、本木は逆転の2ランを打たれて凡田の勝ちを消してしまい、気を落とすのであった。
老山アナの夫が遺したビデオ
シーズン終盤に本木を外す方がリスクが高いと判断したトクは、本木の不調を治すために調子の良かったときの映像と細かく比較することにし、老人アナにも映像の協力を依頼する。
老人アナとカメラマンの児島が入団時からの映像を見返すが、本木のフォームは当時からほとんど変わっておらず、さらに遡って中学時代のフォームも映像を探すことに。
なかな映像が見つからないなか、二人きりで作業するうちに老人アナに好意を寄せるようになっていた児島は死別した夫の鉄至を偲びながら浜辺で黄昏る。
と、そのとき児島は偶然にも砂浜に埋もれていた鉄至愛用のビデオカメラを発見。
鉄至の遺品には奇跡的にSDカードが生きており、その中のデータは日の目を見ていなかった取材記録が。
そしてそのなかには本木の中学時代の映像も残されており、老人アナと児島は天国からの贈り物を喜ぶのであった。
感覚を取り戻す本木
昔の映像を見た本木は、ギリギリまでキャッチャーミットを見ない方が投げるときにボールに力を込められていたことを思い出す。
傍目にはほとんどわからないが、気持ちをリフレッシュした本木は、扇田の14勝目がかかった試合で再びマウンドに上がることに。
リードは1点、本木は目の動きを意識しながら力のこもったストレートで押す。
しかしボールがホップしたことで逆に相手打者のダウンスイングの真芯に当たり、打球はレフトスタンドに入ってしまった。
出会い頭の同点ホームランで扇田の勝ちが消え、本木は直後に交代。
復調に向けて本木は感覚を取り戻しつつあったが、ベンチは今シーズンは本木にはリードしている展開で投げさせないことを決意するのであった。
則川が登録抹消
凡田と扇田が13勝で足踏みするなか、パープルシャドウズの則川は8回1失点と好投。
則川はそのまま完投を志願し14勝目を手にしたが、試合終了直後から右肘に激痛が。
監督とコーチに相談し、則川は自ら申し出て登録抹消。
シーズン14勝で確定かと思いきや、意思の診断結果は異常なし。
原因不明だが、まだ投げられるかもしれないことに則川は喜ぶのであった。
シーズンは残り数試合のみ
再び14勝目をかけた試合に臨む凡田だが、この日は初回から6失点と炎上し早々に降板。
しかしチームはその後逆転し、首位のパープルシャドウズを1.5ゲーム差で追い続ける。
残りの日程はパープルシャドウズが長距離の弾丸移動を挟むのに対し、ゴールデンカップスはずっとホームゲームと逆転優勝の目は十分にある。
この試合でほとんど投げなかった凡田はあと1回、最終戦でも先発できる計算だが、向井監督は復調したかどうか怪しい本木に続いて凡田の起用についても最終戦を任せていいかどうか悩むのであった。
【8巻のまとめ】
14勝目を挙げた則川が最多勝争いを1歩リードするが、右肘の痛みで登録抹消。
他方凡田は14勝目をかけた試合でメッタ打ちされ早々に降板してしまう。
残る試合はあと僅か、凡田は投げようと思えば投げられるものの、向井監督は終盤に失速した本木と凡田の起用について、優勝が懸かるかもしれない最終戦を任せていいかどうか悩むのであった。
次巻へ続きます。
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