女性として教授に上り詰める野望をもつ加藤が天才外科医の朝田とオペ看のプロであるミキをスカウトし、バチスタチームの結成を目指す。
朝田はさっそく医局に染まり切っていない研修医である伊集院に目をつけ、強引ながら指導をしていく。
循環器内科のプロである藤吉も引き入れることに成功した。
常に患者のためにまっすぐな朝田は心臓ペースメーカーの不備問題をはじめ医局のルールを無視して問題を解決するが、野口はそんな朝田と加藤に目を付け始める。
そして今度は治験中で副作用の強い新薬にわずかな望みをかける末期ガンの患者に対して朝田は効果が見込めないことを正直に言い、患者が投薬を拒否し始めるのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
投薬を中止しホスピス治療へ
抗がん剤治療の拒否を告げられ、治験のデータ収集を焦る渋沢は別の患者にこっそりと投薬を開始しようとするが、それを見張っていた看護師が朝田を呼び、渋沢の謀略は未遂に終わった。
〈渋沢の企てを未然に防ぐ [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
結局、苦しんでいた患者はホスピス治療のため転院が決まり、悩んでいた看護師もホスピス治療に惹かれて転職。
問題のあった治験薬は開発中止となり、外様の朝田にもお咎めはなし。
転院した患者は笑顔で余生を終えた。
自殺未遂の患者への指導
雨の日の当直。自殺未遂者が多く運び込まれてくる。
恋人と別れて情緒不安定になった若い女性は朝田の手術で一命をとりとめる。
病室で意識を取り戻した彼女に、朝田は実際の手術のビデオを見せる。
最初は不貞腐れていた彼女も、必死に生きようとして動く心臓の様子を見て、生きる意志が湧いて来るのだった。
外国人の急患受け入れ問題
伊集院の後輩で実習に来ている医学部生の森崎。
まだ医局の穢れも知らない無垢な森崎はある夜、医師と間違われて看護師から急患の受け入れ可否を問われ、安直に受け入れてしまう。
ERに運び込まれた患者は保険証を持たない、何語かもわからない言葉を話す外国人だった。
〈外国人の急患を受け入れてしまった [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
保険証がないと、病院側が治療費を負担しなければならない。
ERの医師である権藤にひどく怒られた森崎に、当直だった伊集院も病院の現実を伝える。
権藤は外国人の急患をその場で断り救急車を追い返そうとするが、その場に居合わせた朝田が自ら執刀医を申し出て急患を受け入れた。
〈朝田が引き受ける [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
助手として手術室に入った伊集院。
容態は悪く難しい手術となったが、朝田のフォローもあり、手術は無事に成功した。
伊集院の頭はパンクしそうだった。医局に嫌気が差している一方で自分の保身のことも考えたい。しかし朝田に教わる役立つ技術もたくさんある。
身の振り方がわからなくなってきていたのである。
動き出す教授会
朝田が独断で外国人の急患を執刀したことで、野口は医局の中で足を引っ張られる格好となった。
朝田を加藤ごと切ることをチラつかせる野口に対し、加藤は1か月以内にバチスタを切って論文を完成させると宣言する。
加藤はハッタリでチームメンバーも患者も決まっていると宣言したが、どちらもまだ決まってなどいない。
〈焦る加藤 [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
そして教授会が開催された。
外国人の急患の治療費等を巡って消火器外科教授の祖父江が野口にかみつくと、ER教授の鬼頭が「治療費は全額ERで負担する」と漢気を見せる。
〈ERの鬼頭教授 [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
とはいえ、鬼頭も思惑があってのこと。
鬼頭は朝田の腕を買っており、野口から穏便に朝田を譲り受けることを目論んでいるのである。
初回バチスタチームのメンバーが決定
バチスタへの風向きが変わったと感じた加藤は、野口にとりあえずのバチスタチームメンバーを報告。
朝田(執刀医)、加藤(第一助手)、伊集院(第二助手)、ミキ(オペ看)に加え、
戸塚(麻酔)、市井(臨床工学士)が適当に名前だけ加わっている。
研修医である伊集院が助手を務めることは野口にも無理やり納得させ、ここで伊集院本人にもメンバー入りのことが告げられた。
〈伊集院を正式に指名 [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
バチスタの成功率は高くはない。
成功すれば加藤派として明真の看板を背負うことになるが、失敗すれば朝田と心中。
迷う伊集院だったが、結局は自分の意志でバチスタチームに入ることを決めた。
バチスタに向けた予行演習
そしてバチスタチームとしてまず普通の心臓のオペに臨むこととなった。
麻酔には工藤、臨床工学士には村上が入っている。
緊張する伊集院の背中を押す加藤。
しかしこの手術は朝田の下で鍛えられている伊集院が本当に使えるのかをテストする目的も兼ねているのだった。
〈伊集院の腕試し [医龍 3巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
【3巻のまとめ】
末期がんの患者は朝田や藤吉らの薦めでホスピス治療へ方針転向し、幸せな余生を過ごした。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら