女性として教授に上り詰める野望をもつ加藤が天才外科医の朝田とオペ看のプロであるミキをスカウトし、バチスタチームの結成を目指す。
朝田はさっそく医局に染まり切っていない研修医である伊集院に目をつけ、強引ながら指導をしていく。
循環器内科のプロである藤吉も引き入れることに成功した。
常に患者のためにまっすぐな朝田は心臓ペースメーカーの不備問題をはじめ医局のルールを無視して問題を解決するが、野口はそんな朝田と加藤に目を付け始める。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
成長をみせる伊集院
伊集院の腕を試す目的を兼ねた手術が始まった。
伊集院はバイパスを作るための材料となる血管を下腹壁動脈から1人で採取、トリミングしてみせた。
〈伊集院の腕は合格 [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
必死ながらも丁寧で繊細な技術。
加藤は見事にその手術を成功させ、伊集院も加藤のお眼鏡にかなった。
2人のバチスタ手術の患者候補
バチスタ手術の患者候補が2人にまで絞られた。
16歳の少女と50代の主婦、どちらも重度の心不全状態でドナーはいない。
さらに全身状態がかなり悪い50代の主婦、奈良橋文代は加藤が新人だったころに婦長としてやさしく指導してくれた恩人だった。
〈患者の奈良橋は加藤の恩人 [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
手術が必要なのは奈良橋の方で、本人も手術を希望しているが、論文や出世のために手術の結果を大事にしてきた加藤にとって、奈良橋にバチスタを施すことはリスクでしかない。
加藤は自分に言い訳をしながら16歳の少女を手術候補に選定した。
しかし常に患者を第一に考える朝田は、そんな加藤の判断に真っ向から反論。
迷う加藤は奈良橋本人と面会、奈良橋が自分を信頼してくれていることに心動かされ、朝田の腕に賭けて奈良橋を手術することを決意する。
わざわざリスクの高い患者を選択するという不可解な決断を厳しく問い詰め「患者と論文、どっちが大事なのか」と激高する野口に対し、加藤は「両方です」と言い切った。
〈加藤の答えは「両方」 [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
奈良橋の家族にも藤吉から手術の説明がなされ、家族は安心を買おうと執刀医に心づけを渡しに来ようとする。
伊集院は受け取ることにも断る事にも憂鬱だったが、朝田は「その金でケーキでも買っといてくださいよ」とあっさり流した。
朝田を狙う鬼頭
手術の3日前。ERの鬼頭教授が加藤をディナーに誘う。
鬼頭は手術成功後の教授選で加藤に票を入れることを餌に、手術が失敗した場合は朝田をERにもらうことを提示した。
〈朝田を狙う鬼頭 [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
加藤にとっては、失敗できない手術へのプレッシャーが増す形となった。
初回バチスタが始まる
手術当日。
最初に野口に報告したメンバーでバチスタが始まる。
思った以上に肥大化している心臓。
野口が見ている前で、朝田は心臓を止めずに手術することを宣言した。
〈心臓を止めずにバチスタ [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
心臓の細胞組織を劣化させることなく、人工心肺を使用した際のリスクを回避できる一方で、100倍も難しくなる選択。
しかし朝田は神がかり的な速さで手術を進め、いよいよバチスタの核となる心臓部へ。
心臓の動き方と指先の感触から心筋の変性部位を特定し、切除にかかる。
心臓を動かしたままというのは変性部位の診断をより正確に行うための選択だったが、自分が絶対に失敗しないという自信があってこそのものでもあった。
しかし麻酔と臨床工学士の技量が朝田に後れを取り始める。
緊張で腹を下した臨床工学士が途中退出し、新米の工学士が補佐することに。
〈臨床工学士が退出 [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
このまま何事もなく終わってほしい。
そんな伊集院の願いとは裏腹に、動血脈の色が黒ずんで患者がチアノーゼを起こしていることに伊集院が気づく。
〈チアノーゼが起こる [医龍 4巻](c)小学館/乃木坂太郎〉
そのままチアノーゼが全身に起これば術中死。
加藤と伊集院に緊張が走るのだった。
【4巻のまとめ】
患者は加藤の恩人でもある元婦長の奈良橋文代。
リスクの高い手術だが、朝田はその神がかり的な技術で手術を進めていく。
しかし麻酔と臨床工学士が朝田の腕に後れを取り始め、患者がチアノーゼを起こしてしまう。
このままチアノーゼが全身に回れば術中死に。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら