小さい頃から憧れてきたスター集団の文京モップスに入団した凡田。
モップスでの最初のシーズン、妻ユキの双子の妊娠が発覚し気合が入る凡田だったが、今年こそは絶対に優勝したい鈴木監督によってリリーフの大黒柱として酷使され、シーズン終盤についに凡田の左肘が限界を迎えてしまった。
手術とリハビリで選手生命を伸ばすか、騙し騙し投げ続けて静かに引退するかの判断を迫られ、凡田はトミー・ジョン手術を決断。
しかし新たに就任した辺見監督は、戦力編成の都合から回復に専念する凡田に育成契約を打診し、凡田は昨シーズンの優勝の功労者にも関わらず、年収もどう頑張っても4000万と大幅ダウン、年俸が下がった分は復帰の再契約時に上乗せする予定という非情な仕打ちを受けることに。
仕方なく育成契約を飲んだ凡田は次のシーズンはリハビリに専念して復帰、約束通りの年収に戻るも、キャンプでは球速が戻らず不安が残るままシーズン開幕。
8回のセットアッパーのポジションは則川が指名され、凡田は先発として起用されることに。
微妙な投球内容ではあるものの、3戦連続で勝ち星を手にした凡田。
一方の則川は故障の影響でピリッとしないが、そんな折、札幌パープルシャドウズで干されている内野手の河内とのトレード話が浮上し、凡田が候補に。
プロ入りする際からライバルとして因縁がある2人のトレードとなるのか―。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
凡田と河内の過去
プロ2年目、開幕1軍でスタートした河内だが、1軍の投手の球が打てずに1ヵ月で2軍落ちとなる。
そんな河内を無安打に押さえ続ける凡田はイースタンで9連勝と絶好調。
そのまま1軍に昇格したが、1イニング4失点と滅多うちにされて1試合で2軍に落とされてしまった。
互いに2軍相手なら無双だが、1軍の壁にぶち当たる現状にいつしか河内は凡田にシンパシーを感じ始める。
そして2軍の試合で再び対戦した2人。
この日は河内が打ったピッチャー返しが凡田の頭に直撃し、凡田は頭蓋骨を亀裂骨折してそのままシーズンを終えることとなる。
凡田を心配し共に上を目指そうとする河内との友情はマスコミを通じて知れ渡り、因縁のライバルという関係にされるのであった。
凡田の代わりに則川がトレード要員に
因縁の2人のトレードの話だご、モップスの返事は「No」だった。
その代わりにモップスは則川ならトレードに出せると逆提案。
北海道の出身であり、高校のころはダサい田舎娘だったのに東京で大学やプロの2軍選手と数多の関係を持ってきたカオル(則川の妻)は、出身地である北海道に戻ることに激しく動揺する。
普通は年俸が同じ8000万で6勝0敗の凡田の方が指名されるはず、則川にトレードの話が来たということは、モップスは凡田を守って則川を切ったということではないか…。
それでも悔しさを圧し殺してカオルは則川についていくことを選び、凡田らに別れを告げて一家で北海道へ移るのだった。
移籍してきた河内が凡田を援護
トレードが成立し、モップスに入団した河内は初打席から打ちに打ちまくる。
不思議と凡田の投げる試合で大量援護し、凡田は8月を終わって9勝0敗と神がかった運を味方につけた。
河内とすっかり仲良くなった凡田は河内の実家に案内されることとなる。
河内は実家が豪邸だったが、父親の代で廃業し、その豪邸は子供ができても相続税などが負担となり継がせることはできないらしい。
河内自身もモテるが故に女遊びを楽しんできた身であり、独身ながら既に2人の女性との間に子供がいるという。
その女性は2人ともたくましくIT社長と結婚したが、河内は2人ともに自ら養育費を払い続けている状態。
そんななか、河内はそろそろ自分も身を固めたいと思っていた。
意中の相手は花屋の店員で、4歳年上で地味かつ小2の子持ち、夫と若くして死別した女性だが、包容力があるところに惹かれている様子。
しかしその女性は子供の気持ちを尊重し、河内と結婚して東京に移住するよりも北海道での生活を選んだ。
河内のトレードによって、結婚は叶わなくなってしまったのだった。
10勝0敗でお役御免となった凡田
過保護ともいえる回復プランで少しずつだが本来の実力を取り戻してきた凡田は、10連勝をかけて先発のマウンドへ。
試合ではまたも河内がホームランを放ち、先制点を挙げる。
凡田は5回2アウトまでノーヒットで来たが、ここで運を使い果たしてしまったのか、バッターの強烈な打球が頭部に直撃。
過去に河内に当てられたピッチャーライナーと同じような打球が当たり、気絶してしまう。
打球はそのままノーバウンドで野手がキャッチし、一応は凡田は5回を投げ抜いたことになるが、そのまま病院へ搬送。
精密検査の結果、幸いにも強めの脳震盪だけで済んだが、凡田はこの試合でついた10勝目をもって回復に専念することとなり、運に恵まれた10勝0敗という成績でシーズンを終えるのであった。
【9巻のまとめ】
凡田の代わりに調子を落としていた則川がトレード要員として放出され、河内がモップスに移籍してきた。
凡田と良いライバル関係にある河内は凡田が先発する試合に大活躍し、凡田は8月を終えて9勝0敗と神がかったペースで勝ち星を挙げる。
本来の力を取り戻しつつあった凡田は10勝目をかけて登板するも、この試合でピッチャーライナーを頭に受けてしまった凡田は緊急降板。
幸いにも強めの脳震盪だけで済んだが、凡田はこの試合でついた10勝目をもって回復に専念することとなり、運に恵まれた10勝0敗という成績でシーズンを終えるのであった。
次巻へ続きます。
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