自堕落な日々を過ごしていた主人公“伊藤開司”(通称カイジ)が、友人の保証人となって多額の負債を抱えたことをきっかけに、様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。
言わずと知れた大人気漫画の第1作です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ドン底の生活を送るカイジが借金を背負わされる
1996年、冬。
東京に来て3年になる伊藤開司(カイジ)は働きもせずにしょぼい博打に明け暮れ、負けを重ねるドン底の生活を送っていた。
〈ドン底の人生を送るカイジ [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
違法駐車をしている高級車に悪戯することで負けた鬱憤を晴らすというどうしようもなさ。
いつものように悪戯を終えて帰宅したある日、カイジのもとに遠藤という男が訪ねてきた。
〈遠藤という男が訪ねてきた [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
遠藤はカイジが悪戯した高級車の所有者。
カイジの言動から車に悪戯した犯人だと特定した遠藤は、さらに1年ほど前にカイジが連帯保証人になった借金の返済を迫る。
カイジが保証人になったバイト先の同僚、古畑武志が姿を消し、当時借りた30万円は闇金の法外な利子によって400万円弱にまで膨れ上がっていた。
〈多額の借金を負うことに [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
希望の船「エスポワール」
返せなければ家族を巻き込むことなどを匂わされ、古畑にハメられる形で多額の借金を背負うこととなったカイジ。
遠藤はその借金をチャラにするチャンスとして、1か月後に晴海ふ頭から出航する船「エスポワール(希望)」に乗ってギャンブルすることを勧める。
〈希望の船「エスポワール」 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
勝てば借金チャラどころか、多額の賞金も狙えるチャンス。
しかしギャンブルの中身は教えられない、そして負けた者の行き着く先となる強制労働についても詳細は明かされない、何とも怪しい話。
遠藤は「貸し手にとっても負債者同士を競わせて負債を集約させるだけ」「負債者同士の戦いなので胴元は儲ける気はない」ともっともらしいことを言って良心的なアピールをする。
うまくいけば、本当に人生を逆転できるチャンスかもしれない―。
その場での決断を迫られ焦るカイジは、エスポワールへの参加を決める。
〈乗船を決めるカイジ [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
これが過酷な闘いになるとは、まだ知る由もないのだった。
わけもわからず集められた債務者たち
エスポワール出航の当日、晴海ふ頭に明かりもつけずひっそりと停泊している船にカイジが乗り込む。
〈集められた債務者たち [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
中にいた乗客はみな、返済不能な借金を抱えうつむくダメ人間たち。
全ての乗客がそろったところで黒服たちが姿を現し、ルール説明の前に軍資金として1人100~1000万円までの金の貸し付けを申し出る。
〈新たな貸し付け [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船を降りる際はおよそ4割増しになる利子を揃えて返すこと、それが条件だった。
足元を見られた債務者たちは憤慨しながらも、更なる借金を恐れて次々と下限である100万円を借りていく。
しかしカイジの近くにいた船井という男はこれから始まるゲームを有利に進める可能性を考え、上限の1000万円を借りた。
〈頭のキレる船井 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
これを見たカイジも、同じく上限の1000万円を借りる。
貸し付けが終わった後、身の回りの装着品などを整え、いよいよプレイホールに場所を移してゲームが始まるのだった。
勝負は「限定ジャンケン」
会場にいた黒服たちのボス・利根川がルール説明を行う。
〈ルールを説明する利根川 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ゲームの内容は「限定ジャンケン」。
参加者それぞれに星3つとグー、チョキ、パーの3種4枚ずつ、計12枚のカードが配られ、制限時間4時間を使って他の参加者とジャンケン勝負をする。
ジャンケンに勝敗に応じて星を授受し、手持ちのカードを使い切ったうえで星3つ以上確保すれば勝ち、①カードが余るか、②星が無くなるか、③制限時間終了時に星が2つ以下の者は敗退というルール。
〈星3つ確保が勝利条件 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
公平を期すためにカードは1度の勝負に1枚を必ず消費し、カードの残り枚数は電光掲示板に表示。後出しなどの不正はできず、ジャンケン以外でのカードの破棄もできない。
貸し付けた金の使い道などその他には何も触れず、動揺して騒ぎだす債務者たちを利根川が一喝し、ただひたすらに「勝つこと」の大事さを演説で刷り込んでいく。
〈利根川の名演説 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そして問答無用でゲームが始まる。
船井から誘われた必勝法
ジャンケン自体は10秒もかからない勝負。
ゲーム開始間もないうちに星を全て失った最初の敗北者が現れ、ホールの奥にある別室へ連行されていった。
その先で何をされるのかは何もわからない。
まだ動かずにいるカイジのもとに船井が自分がリピーターであることを明かしつつ、パートナーとして組むことを持ち掛ける。
〈全部あいこにすれば必勝 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジも上限いっぱいの1000万円を借りていたことを覚えていた船井が切り出したのは、2人でずっとあいこを出し続けてカードを消費しきる作戦。
カードだけを消費し、星は増えも減りもせずにクリア条件を満たす、まさに必勝法だった。
船井を信じて乗ったカイジ、しかしこれはすぐに裏切られ窮地に陥ることとなるのだった。
船井に騙され窮地に陥る
序盤は順調にあいこでカードを消費するカイジと船井。
しかし10枚目のジャンケンで、船井はグーを出すと言いながらパーを出し、カイジから星を1つ取った。
〈ミスを装う船井 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井は謝罪のうえ「ミス、次で帳尻を合わせる」と言いつつグーの手札を見せ、次の11回目のジャンケンへ。
ここでカイジがパーを出したのに対し、船井が出したのはチョキ。
〈船井にハメられたカイジ [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井に裏切られたことにようやくカイジだが、手札は残り1枚、星も残り1つ。
船井に怒りをぶつけようとも、暴力行為は一発退場であるうえ、そもそもこのゲームは騙し合い有り。
絶望的な状況を嘆くカイジは、大事な勝負事で他人を信用したことを強く後悔しながら上限いっぱいまで借りた1000万円を武器に逆転する術を考え始めるのだった。
〈持ち金だけが武器 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
崖っぷち3人で徒党を組む
そしてちょうどそのとき、カイジは自分が借金地獄に巻き込まれる元凶を作った古畑も債務者としてこの船に乗り込んでいるのを見つける。
〈古畑を発見 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カードは残り4枚、星は残り1つという敗色濃厚の状況で落ち込んでいる古畑にカイジが声をかけ、わずかに残る生き残りの可能性にかけて共闘を持ち掛ける。
カイジと古畑の手持ちの金は1200万円。
カイジと古畑は星2つでカードを使い切った男、安藤も巻き込み、3人の運命共同体として逆転を目指す。
〈古畑・安藤と共闘 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
手持ちの金は1400万円、星は4つ、カードは5枚(チョキ4枚+パー1枚)。
これらを武器に作戦を練り始めるカイジ。
しかし目を離した隙に安藤がカード1枚を持って一か八か自分の勝ち上がりを賭けた勝負に先走り、あろうことか残り1枚しかなかったパーを使って負けて帰ってきた。
〈安藤が先走ってパーを消費 [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
安藤の信用のおけなさが証明されたものの、カイジはあくまで冷静に安藤を巻き込んだ共闘関係を優先して再び策を考える。
残るカードは全部チョキ。
一見どうしようもない状況で、カイジはある逆転の策を思いつくのだった。
〈カイジが閃いた逆転への道とは… [賭博黙示録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【1巻のまとめ】
働きもせずにしょぼい博打に明け暮れ、負けを重ねるドン底の生活を送っていたカイジは、バイトの元同僚である古畑の借金の連帯保証人として借金地獄に巻き込まれた。
闇金回収の遠藤という男の勧めで借金をチャラにするどころか一攫千金のチャンスがある希望の船「エスポワール」に乗ることとなり、集められた債務者たちとのゲームが始まる。
ゲームの内容は手持ちのカードでじゃんけんをしながら勝敗に応じて星を奪い合う「限定ジャンケン」。
船井という男に騙され手札も星もほとんどを失い早々に窮地に追い込まれたカイジは、再会を果たした古畑と同じく崖っぷちのと安藤の3人で徒党を組む。
貸し付けられた金はあるものの、残りの手札4枚はすべてチョキというどうしようもない状況。
ここでカイジはある逆転の策を思いつくのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
参考伝説はここから始まった…人生逆転を賭けた心がざわざわするギャンブル『賭博黙示録カイジ』全13巻【ネタバレ注意】
続きを見る