前作で「人喰い沼」攻略の協力者となった坂崎の家で居候していたカイジは、その自堕落的な生活によって勘当され家を追い出されることに。
ちょうど時を同じくして地下の強制労働場で苦楽を共にした三好と前田と再会を果たし、カイジは一攫千金を狙うことに。
裏カジノの社長がいつも行うギャンブルのイカサマを逆手に取り、3人で社長をハメるという必勝の作戦。
社長が考案した変則麻雀「17歩」は互いに手牌を揃えたうえで交互に捨て牌を切っていき、相手にロンされたら負けという対等な勝負、始めから基本レート100万円である。
そして社長が使うイカサマは絶妙な角度に配置した部下の前田がカイジの手を盗み見て社長にサインを送るという単純なもの。
途中で金持ちと思われる和也という謎の若者が現れるなか、カイジは社長をうまく誘導して1000万円という高額レートでの勝負にありつけた。
三好のミスと不運で痛恨の2連敗を喫したカイジだが、和也が足りない金を気前よく貸してくれることとなり、再び社長と4000万円レートの勝負に挑むこととなる。
負けられないカイジだが、理想的な手牌を揃えて気が緩んだのか、誤って牌を床にぶちまけてしまい慌てふためくことに。
時間ギリギリで何とか揃え直すも、あわや時間切れで敗北という大ピンチを切り抜けたことで頭がいっぱいになり、肝心の三好からのサインを見逃してしまうのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
サインをもう一度…
気を引き締めなおすカイジだが、三好のサインをもう一度出させることに苦悩する。
〈おかわりのサインを出したいが… [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
予め取り決めていたサインでは「カイジが牌を上下逆に切る」のがおかわりの合図だったが、安牌の候補はすべて上下対象の牌だけ。
思いがけない不測の事態、このまま中盤に突入すると三好のサインは社長のロン牌の種類ではなくどの数を待っているかに移ってしまう。
悩むカイジはあえて手が滑ったフリをしながら手牌の一部を逆にしながら倒した。
〈即席のサイン [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
取り決めに無い即席のサイン、三好はカイジのピンチを察することができるのか―。
意図せず攻守逆転
カイジの異変を察知した三好は、なんとか意図をくみ取ってサインのおかわりを出した。
〈三好が意図をくみとった [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
社長のロン牌がソーズであることを知ったカイジは安堵し、再び勝負に集中する。
中盤に差し掛かり、三好の次のサインで社長のロン牌を特定したカイジ。
一方の社長は額に汗を浮かべる苦しい表情。
〈苦しい表情の社長 [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
それは演技かと思われたが、カイジは自分が手牌を揃える際にバタバタしすぎた結果、前田が自分の手牌を把握できず社長にサイン自体を送っていない可能性に行き当たる。
つまり、社長は意図せずノーヒントで牌を切らざるを得ない状況にあるのだった。
〈前田はサインを出せていなかった [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
裏切りの可能性が頭をよぎる
トイレ休憩をはさむことを口実に、あからさまに前田に目配せする社長。
〈みえみえのトイレ休憩 [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
休憩の時間を利用してなんとかカイジに手牌を開けさせ、それを前田に見させようという魂胆である。
ここからどう社長をハメるかを考えるカイジは、自分の手牌を前田に見せて偽のサインを送ってもらおうと手牌に手をかける。
それを見た思わず社長の頬が緩む。
〈本能で危険を察知 [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そのとき、カイジはその表情に兵藤や利根川の不敵な笑みがかぶり、本能で危険を察知。
冷静になって得体のしれぬ違和感の正体を解きほぐしていくと、三好と前田が実は自分を裏切っているのではないかという疑念が浮かんでくる。
地下の強制労働という苦難を共に乗り越えたはずの仲間が自分を裏切っているかもしれない―。
〈2人の裏切りの可能性がよぎる [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
気持ちでは否定したくても、そう考えれば前の2連敗は合点がいく。
気の迷いにすぎないのか、カイジは混迷するのだった。
〈混迷するカイジ [賭博堕天録カイジ 6巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【6巻のまとめ】
何とか持ち直したカイジに対し、カイジのドタバタで前田が手牌を確認できなかったことで社長もこの勝負はノーヒントで臨まざるを得ず、苦々しい表情。
社長をハメるためにあえて前田に自分の手牌を見せて偽のサインを送らせることを考えるカイジだが、ふとある可能性が頭をよぎった。
三好と前田は実は自分を裏切っているのではないか―。
苦楽を共にした仲間を信じたいが、ハメられていると考えればこの連敗も合点がいく。
カイジは混迷するのだった。
次巻へ続きます。
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参考変則麻雀で大金を掴め『賭博堕天録カイジ』全13巻【ネタバレ注意】
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